防災の日に考えよう。整理収納アドバイザーが実践する災害に備えたインテリアとは?

青木美詠子さんの防災のお話

9月1日は防災の日。整理収納アドバイザーの青木美詠子さんは、日頃から防災について考えています。自宅の地震対策・防災の備えについて、紹介していただきました。


「寝室に大きな家具を置かない」を死守


今回は我が家の「地震対策、室内編」です。まだまだ万全とは言えませんが、昔から考えてきたことを新居で少しずつ形にしています。

私が最も重要だと思うのは、寝室に大きな家具を置かないこと。日中なら身をかわせても、就寝中は暗闇。阪神淡路大震災の際、タンスの下敷きで家族を亡くされた方が、「寝室には何も置かんでください」と涙ながらに話されていたのが忘れられないのです。

それで寝室には、背の低いチェストのみ。大きな家ではないので贅沢な空間使いですが、これだけは変えません。

間取り上、難しい方も、たとえ他の部屋に皺寄せがきても寝室だけは守ってほしいです。たとえば背の低い家具と入れ替えるとか。洋服ダンスを処分し、何かに吊るす形にするとか。それも無理ならしっかり固定を。

まず家具の向きはベッド側に倒れ込まず、入口もふさがない方向に(横より正面に倒れるはず)。そして転倒防止グッズを。家具と天井の間を突っ張る「耐震ポール」や、家具の下(前面)にかます「転倒防止プレート」など。

私は両方、前の賃貸マンションで使っていました。でも大地震がきていないので、効果はわかりませんが。今、ポールは木製やアルミ製など、シンプルな物もあるようです。いっぽう、最近知った「壁に粘着させる転倒防止グッズ類」は小さく目立たないのですが、「外す時、壁紙が破れた」などの口コミも見たのでご注意を(やり方や、壁紙との相性もありそう)。

次に寝室で大事だと思うのは、履き物の備えです。暗闇で何か割れて散乱しているかもしれないので。日頃、室内履き(厚め)はここで脱いで寝ていましたが、より安心なスニーカー(体育館用であまり使っていない)を布袋に入れてベッドに結んでみました。さっと取れ、吊るすと床掃除もラクです。

青木さんはベッドサイドには『無印良品』の懐中電灯も常備しているそう
靴の収納には、カーテンの「ふさかけ」も使えるかと(今はベランダ用のサンダル入れ)。ベッドサイドには『無印良品』の懐中電灯も常備。

\キッチンの防災対策/ 

次は、割れ物が多いキッチンの防災です。食器棚は、食器が飛び出しにくいよう引き戸&割れにくいアクリル板で『ヒノキクラフト』にオーダーしました(ガラスなら飛散防止フィルム、観音開きならストッパーを)。

オープン棚には、軽く割れにくい物だけを収納
オープン棚には、軽く割れにくい物だけを収納。吊り戸棚も上部に物が多くなりそうなので、つくりませんでした。
冷蔵庫はメーカー純正のベルトで、また家中の棚は、L字金具で壁に固定
冷蔵庫はメーカー純正のベルトで、また家中の棚は、L字金具で壁に固定しています(調べたら、やはり金具固定が強度高し)。でも壁に下地がない場所や、電気系統の近くはダメなので、建築時に大工さんに頼みました(「くらしのマーケット」などでプロに依頼できそう)。穴があくので賃貸だと難しいですが、固定できる方はぜひ。
固定した電子レンジのワイヤー
電子レンジも固定しました。もし落ちて壊れたら、備蓄のガスボンベが尽き、電気だけ復旧した時に調理できないと思い直して。うちは木製カウンターが熱でそらないよう板の上に置いているので、まずその板を固定。このワイヤーは外せるので掃除しやすそうです。壁に直接、固定できるなら、メーカー純正の転倒防止金具も発見しました。
電子レンジの固定作業
そして「経年劣化や熱で溶けていく」などの口コミ(昔の粗悪品かも)を見て、試していなかったジェルマットも敷いてみました。品質もさまざまありそうですが、今は良好。固定器具はみな『Amazon』で口コミも見つつ検索(全てをうのみにせず、慎重に)。
テレビ台の後方の固定写真
テレビなども飛ぶらしいので、テレビ台の後方に付属ベルトをネジ留め。
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最後に日頃から使っていて、停電時にも役立った灯りを。最初にパッと手に取ったのは廊下の保安灯でした。防災用ランタンを取りに行く時も、これを手に持って。

パナソニックのライト
夜だけ点灯するので、日頃は夜中のトイレにも便利。『パナソニック』製。
アイリスオーヤマの人感センサー付きライト
こちらは『アイリスオーヤマ』の人感センサー付きライト(乾電池式。これは旧型)。夜に人が来た時だけ、ふわっと灯りがつくので階段で重宝しています。人の動きがないと消えるので、卓上では使いにくいですが。防災用品のある小屋裏にも設置。行く場所が先に明るくなるのは安心です。
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地震は、いつ起きるかわかりません。転倒防止器具が何もないより、少しでもあると被害も軽いと思います。心理的ショックも少なくてすむかも。「家具転倒防止」で検索すると、知らない器具もたくさんです(効果が比べられないのは、やむをえず)。

私も防災のプロではありませんが調べたり、想像力を働かせたりしつつ、取り組んでいます。次回は備蓄編もお届けします。

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この記事の
プレミアムメンバー

青木美詠子

1963年生まれ。整理収納アドバイザーの資格をもち、不定期にさまざまな自宅セミナーを開催。個人へのお片付けサービスも行う。著書に『あおきみさんち、家を買う。』(マイナビ出版)など。長年実践する「冷えとり」に関する著書も。
https://www.aokimi.com/
Instagram:@aokimieko1616

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