2カ月ごとに模様替え。パリで暮らす女性に学ぶ素敵な部屋づくりの極意とは?【前編】

古いものを大切に、完璧を目指さないのがフランス流。なのに魅力的な部屋が生まれるのは、“好き”という気持ちにとことんこだわるから。今回は、パリで暮らす日本人女性のアパルトマンを訪問。模様替えとインテリアへのこだわりを伺いました。

PROFILE

山根恵理子/やまねえりこ

富山県出身。大学では日本文学を専攻。1988年に渡仏し、90年に日本人の夫と結婚したが死別。バイイングオフィス勤務などを経て、2008年より現職に。

2ヶ月に1度は模様替え。 動線を変えて新鮮に暮らす

仏スタイナーのソファにはインドのラジャスタンの布や刺子のクッションを。ガラスのテーブルは道で拾ったもの。ベランダの花を楽しむ時期は、ソファを窓側に向けるそう。

ヌーヴェルヴァーグ時代のフランス映画が大好きで、27歳の時に、語学留学のために渡仏した山根恵理子さん。

「ちょうど時代的にも仕事をしながら語学を勉強し、留学する女性がブームだった頃。私も憧れのパリで暮らしてみたいと、語学留学したんです」

1、2年で帰国するつもりだったところが、偶然にもパリで同郷の日本人男性と出会い、結婚。気づけば30年を越えるフランス生活となりました。

「夫はひと周り年上で、15年ほど前に亡くなりました。娘も4年前に独立し、昨年から日本で仕事を始めたので、今は1歳半の猫、トラーとふたり暮らし」

ダイニングの丸テーブルには、日本のカリモク家具、フリッツ・ハンセン、道路で拾ったものなど、さまざまなデザイン違いの椅子を。テーブルの上の照明は夫がセレクトしたもの。

山根さんのアパルトマンがあるモンマルトルの麓は、ポストカードのような古き良きパリが残る街。築100年を越えるアパルトマンの最上階(5階)で、間取りはリビングルーム、ダイニングルーム、キッチン、バスルーム、2つのベッドルームがあって70㎡弱。

「ここは1980年に夫が購入した部屋で、入居の際にリノベイトしたそうです。私たちが結婚した際はとくに直さずに住んでいました。でもひとりになってからは、2015年に窓を防音、防寒ガラスに変え、2017年にはキッチンを直しました」

それまでのキッチンは「田舎のおばあちゃんの台所みたいだった」と笑う山根さん。壁のタイルと漆喰を剥がしてみたところ、中からレンガが出現し、これはアクセントになる!と、残したそう。また1900年代のアパルトマンに多いガラスのレンジフードは、趣が好きだったので、そのままに。

キッチンは自身でリノベイト

壁に四角い窓を作り、カウンターを作ったキッチン。リビング側の友人たちと話をしながら料理を作り、渡せるので便利だし、孤立感がない。

「キッチンからリビングへと料理を受け渡しできる窓があるんですが、夫がリノベイトした際に作ったもの。これは便利です。キッチンの奥行きは3m、通路も狭いのですが、とても使い勝手はいいんです。作業台の下にIKEAの収納棚を取り付けたので、いろいろなものも収まります」

今は日本の食品を輸入する会社に勤める山根さん。毎日キッチンで作ったお弁当を、会社に持参するそうです。

「キッチンは職人さんふたりが来て直してくれたんですが、私もペンキ塗りを担当。部屋の模様替えが好きなので、今も2カ月に一度ぐらいの割合で、家具を動かしています」

模様替えの参考にしているのは、昔から好きで集めていた洋雑誌の切り抜きやインスタグラムで見る画像など。

「切り抜きはスクラップブックにして、時々眺めています。本棚を動かし、ソファの位置を変えて動線が変わるだけで、同じ家具の部屋にいても気分が新鮮に変わります」

(近日公開の後編に続きます)

リノベーションの際、漆喰の壁を剥がしたら出てきたレンガをアクセントに。すりガラスのレンジフードを残し、手を伸ばしやすいので、調味料をいれたケースを並べている。

ダイニングの角にある食器棚。大好きな古い陶器を飾って見せる収納。

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写真/篠 あゆみ、コーディネート/鈴木ひろこ、文/今井 恵

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