独自の審美眼で揃えた、お気に入りに囲まれた暮らしーuryyaデザイナー野澤みゆきさん【住まいと暮らしvol.85】

野澤みゆきさん 壁のステップ

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の加藤広美さんのバトンを受けてご登場いただくのは、「uryya(ユライヤ)」のデザイナー野澤みゆきさん。

野澤さんの暮らしのルール

1. 生活に取り入れるものは正解を決めず、そのときの興味に従って
2. お気に入りは修理をしながら、新しいものとの出合いも楽しむ
3. よく話し、よく笑う

野澤みゆきさん プロフィール

都内の古い中古の一軒家をリノベーションして暮らしている野澤さん。高校時代の友人である高橋由香さんが、ロンドンでの靴作り修行を終えて帰国。洋裁を得意とする野澤さんのお母さまのもとに生地を持ち込んだことから、「uryya」の前身となるものづくりがスタートしたそう。

「その後、デザインの専門学校を卒業して東京で働いていた私も二人に加わり、友人や知人のためのものづくりから、さまざまな興味や人との出会いに導かれながら、現在の活動へと繋がっていきました」

野澤みゆきさん リビング

キッチンから見た朝のリビング。「午前中のリビングの光の入り方が好き。フォトグラファーの宮濱裕美子さんの写真をキッチンから見える位置に飾り、リビングのアクセントにしています」

「uryya」を始める前は、日本のライフスタイルショップの先駆けである雑貨店「F.O.B COOP」で働いていたという野澤さん。当時購入した雑貨は、今も自宅で活躍しているものも多いのだそう。

「美しいだけではなく実用性もあり、機能的で男女問わず使えて、私たちの生活にはすごく馴染んでいます。ものだけではなく、働くということも含めて、『F.O.B COOP』では多くのことを学ばせてもらいました」

野澤みゆきさん フランスの器

「F.O.B COOP」時代に購入した、フランスの業務用食器メーカー『APILCO』の器。

ずっと使い続けているものがある一方で、年齢やライフスタイルの変化に伴い、手放したり新しいものを迎えたりを繰り返しているという野澤さん。

「最近特に食卓に上がることの多いものは、毎日使っても飽きない美しさと使いやすさがあるもの。ごはんを作れないことや作りたくないこともよくありますが、買ってきたものでも気に入った器に移し替えて、いつものカトラリーを使うだけでもホッとします」

野澤みゆきさん 愛猫とマット

比較的最近仲間入りしたという、テキスタイルブランド「Studio Ford」のマットとクッション。「地味なベット周りが少し華やかになり、マンネリ化した部屋の気分転換になりました」

野澤みゆきさん キッチン

キッチンに置いている卓上のファンも、当時の「F.O.B COOP」のオリジナル。「ファンの部分がウレタンをコーティングした素材で、手で止められるくらい柔らかいので猫が触れても問題なし。古い電化製品を使っていると廃盤になっているものばかり。とにかく動かして、1日でも長く使いたいです」

野澤みゆきさん 器とかとラリー

最近特に食卓によく上がる器とカトラリー。「KIM SANGINさん(キム・サンイン)さんの器は取り皿として。金工作家の成田理俊さんのステンレススプーンは、購入してかなりの頻度で使用しているお気に入りです」

野澤みゆきさん 金継ぎ

お気に入りの現代作家の器やグラスを金継ぎしたもの。「プロの方にお願いしました。金継ぎした後の方が、より愛着を持って使える気がします」

野澤みゆきさん 寝室

2階の寝室。「棚は古いヨーロッパのもので、当時は本棚と聞き購入しましたが、ベッドサイドに置きシーツやピローケースを仕舞ってます」

野澤みゆきさん オブジェ

寝室の棚の上には、100年以上前のウズベキスタンの陶器を中心に現代の木工作家のシェル型のオブジェや置き型のモビールなどを置いて。「風がよく通る部屋なので、モビールが揺れる雰囲気が見たくて、あえてこの場所に。ジャンルレスで配置換えをして楽しんでいます」

野澤みゆきさん 洗面

「洗面の収納ミラーは後付けで、『スタンダードトレード』にお願いして、横の拡大鏡は自分で取り付けました』

野澤みゆきさん ブラウンの時計

洗面所に置いた「BRAUN」のドイツ製の置き型の電波時計。「アラーム機能が壊れてしまったまま、ここに置いて長いですが、デザインがかなり気に入って使っています」

野澤みゆきさん 壁のステップ

猫の遊び台として作ったという壁のステップ。「あまり乗ってくれないので、今ではリビングの飾り棚に。この飾り台の後ろに生活感があるものを収納しています」

野澤みゆきさん お手紙コーナー

壁のステップの一番下は、郵便物やDMをおく場所。「レターオープナーとカードスタンドをセットで。封筒を開けるときは必ずオープナーを使用するので、今はこの位置がベスト。どちらもオーストリア製のピューターです」

野澤みゆきさん アクセサリー

リビングに置いたチェストの上が、よく使うアクセサリー置き場に。「最近はシルクコードを製作し、チェーンの代替えとして作っては使ってみるを繰り返しています。1つ失くしてしまった、小さいフープのピアスなどもチャームとしてアレンジして」

野澤みゆきさん uryyaオリジナルのバッグ

「uryya」オリジナルの牛革と真竹のCombination Bag(コンビネーションバッグ)。「竹籠部分は、竹作家の安部仁美さんに製作をお願いしています。デザインに迷いが生じたとき、このバッグのことを思い浮かべるとuryyaの原点へと立ち帰る事ができます。私たちにとって、基本を思い出させてくれる大切なアイテムです」

PROFILE

野澤みゆき/のざわ・みゆき

大分県出身。2010年にuryyaを立ち上げる。素材の持ち味や着心地を大切に、流行りにとらわれない服づくりを続ける。日々の暮らしや旅で感じたことをものづくりに生かしている。
https://uryya.com/

野澤さんがバトンを渡すのは、竹作家の安部仁美さん。「竹工藝の世界で、独自のスタイルを探求し続ける仁美さんをとても尊敬しています。uryyaのCombination Bagは企画してから10年経ちますが、納品ごとに精度が上がっていく竹の編み地に、仁美さんの人柄が垣間見え、仕上がったバッグを手にすると、初めてサンプルが上がって来た頃のように身が引き締まります」と野澤さん。安部さんの暮らしは、8月上旬に公開予定です。どうぞお楽しみに。

取材・文/赤木真弓

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