【実例】どれだけあれば安心?在宅避難の備蓄、夫婦二人暮らしの場合

青木美詠子さんの防災のお話

整理収納アドバイザーの青木美詠子さんは、日頃から防災について考えています。防災の日に考えよう。整理収納アドバイザーが実践する災害に備えたインテリアとは?に続き、今回は在宅避難の備蓄について紹介します。

【実例】備えよ常に。災害時の持ち出しリュックの中身全部見せますの後編となります。


「やっておけばよかった…」と後悔しないように


今回は、我が家の防災対策「在宅避難の備蓄編」です。私がいちばん重要に思うのは、当たり前ですが水とトイレ(体験者の方々の切実な声からも)。他の物はどうにか我慢できても、これだけは死活問題ですよね。その2つは多めに持っています。

水は取り替えるのが面倒で、割高ですが15年保存水にしました。ひとり1日2~3Lが基準のようで、うちは夫婦ふたり暮らしですが2L×6本入りを6箱備えています。

でも避難の際には500mlサイズが飲みやすいようなので、追加で購入(7年保存)。水は1階のパントリー、2階のクローゼットに分散収納しました。1ヶ所だとそこが被害にあったら、全滅なので。部屋に閉じ込められた場合も考え、ベッド近くにも少し置こうかと。

青木さんの飲み物のストックの写真
よく飲むトマトジュースは常温で1年近く持つので、ローリングストック。「コック付きウォータータンク」も4つ(給水所も確認しました)。

次に簡易トイレ。これだけは10年以上前から持っていますが、今回2種を追加購入。下の写真の左上は100回分がコンパクトに収納された『M&T』の〈SAFETY TOILET100 〉 。その下は振り入れる凝固剤不要の『LA・PITA』の〈トイレONE 〉 (音もしにくいそう。私は避難所用のリュックにも)。

青木さんの防災に備えた簡易トイレ
右の4つは簡易トイレに使えると前から持っていたもの。新聞紙、猫砂などをポリ袋に入れ、最後に消臭袋にまとめて(どうしても簡易トイレが足りない場合のみ)。

次に、電源や灯り関係。ソーラーパネルと小型蓄電池は、一昨年購入しました。一度ベランダでパネルを広げ、蓄電池やスマホに充電したら成功。少し安心できました。

青木さんの備蓄にまつわる話
小型蓄電池は、コンセントから簡単に充電しておけます。主にスマホに使おうかと。こういう防災グッズは、年々手に取りやすい価格に。
青木さんの備蓄している給電グッズ
「ソーラーパネル、乾電池、USB充電」の3way給電方式で探した『HOTIRAI』のランタン。電池を入れる前に数日室内に置いておいたら、点灯できて驚き(ソーラーの力かと)。ソーラーは8時間充電で4.5時間点灯だそう。日頃から部屋で使ってみることにしました。
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次に食料について。夫が化学調味料に敏感で、レトルトやカップ麺など食べないため、主力に考えているのは、ポリ袋で米を炊くこと。それでガスボンベは多めに備蓄。それでもガスボンベが尽き、電気だけ復旧した場合(ガスより早い傾向だそう)に備え、卓上電気コンロも購入しました。電子レンジ破損の場合も考えて。

\ポリ袋調理をいざ実践/ 

調理に使うグッズを紹介する写真
「ポリ袋調理」は、いろんな本やネットに。調理に使う<アイラップ>(丈夫な高密度ポリエチレン袋)も購入。
ポリ袋調理を実践している過程
実際に「ポリ袋調理」をしてみました(玄米は白米より、時間を少し長めにして成功)。他のおかずも同時に調理できるそう。水を節約したい災害時にお湯も汚れず、洗い物も減少。
鍋で炊いた時と変わらないクオリティのご飯
蒸らした後、器が汚れないようポリ袋のまま食べます。鍋で炊いたのとほぼ遜色ない味!
レトロでコンパクトな『ラドンナ』の写真
レトロでコンパクトな『ラドンナ』の<Toffy卓上電気こんろ>も初始動。個人的にIH以外で探したのですが、ちょっとした暖房代わりにもなりそう(夏は暑くなりますが)。
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そして、おかずについては缶詰、漬物(常温の市販品)、自家製梅干し以外は試行錯誤中。味噌汁はなんとかつくりたいです(常温でも)。日頃使っている昆布、干し椎茸を水出しにし、鰹節、自家製味噌(常温保存)、乾燥ワカメと合わせて。

その他にはトイレットペーパー、ティッシュなども多めに買い置きしています。備蓄はすべて置き場所が難点なのですが、うちは今のところ3階の小屋裏、クローゼット、パントリーに。

後で後悔しないよう、思い立った時に他の物を整理して、場所を空けるのも大切かと思います。分散収納なら、下駄箱スペース、ベッドや家具の下、いろんな部屋の棚を1段だけ空けて、など工夫できそうです。その置き場所やグッズの使い方は、必ず家族と共有しておきましょう。災害時、誰が家にいるかわからないので。

最後に、読んでよかった防災関連の書籍を。それぞれ得意分野が違うので、レビューも参考に。どれも勉強になります。

青木さんが参考にした防災に関する書籍
書籍はみな、体験者の。でも物選びや優先順位は少しずつ違います。

 ソフト面では「災害用伝言ダイヤル」を夫婦で試したり、都心にいた場合どうするかの話もしました。頭の中のすり合わせも大事です。また電車に閉じ込められた時などにも備え、もう少し日頃から防災グッズを持つべきですね(水筒、飴は持っていますが)。

防災対策は「わかっているけど、そのうち」となりがちですが、「やっておけばよかった」とならないよう先送りせず、重要だと思う物からひとつずつ備えていきましょう。

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この記事の
プレミアムメンバー

青木美詠子

1963年生まれ。整理収納アドバイザーの資格をもち、オンラインを中心にセミナーや個人へのお片付けサービスも行う。著書に『あおきみさんち、家を買う。』(マイナビ出版)など。長年実践する「冷えとり」に関する著書も。
https://www.aokimi.com/
Instagram:@aokimieko1616

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