古いものと新しいものが調和したリビング。鉢カバーは、細やかなメタルワークが印象的な、モロッコ産アンティークバケツ。そんな空間で過ごす日々。今回は「ファティマモロッコ」ディレクター・大原真樹さんがモロッコインテリアをお送りします。
モロッコの気に囲まれながら、東京で過ごす。
玄関に並ぶバブーシュやラグに始まり、天然素材のカゴやリネン、食器に至るまで、とにかく家中がモロッコのムードに包まれている大原家。10年以上、一年の1/3をモロッコで過ごしてきた大原真樹さんですが、昨年度は一度も渡航できなかったといいます。そこで、突如できたゆとり時間を生かそうと、部屋の断捨離に乗り出します。
「以前、スタイリストをしていたこともあって、モロッコに限らず、さまざまな国の雑貨や食器を集めていたんです。でも、今回の断捨離で手元に残ったものは、結局ぜーんぶモロッコのものでした。自宅にこもっていると気持ちが沈みがちですが、色鮮やかなモロッコ雑貨は元気を与えてくれますね」断捨離に加えて、もうひとつ取り組んだのが、バスルームのリフォーム。もともと住まいを購入した20年前に、キッチンとトイレは優先して、当時から好きだったモロッコ仕様にリノベーションしていたのだそう。
その後、お店を立ち上げ、あっという間に16年。昨年、念願のバスルームに手をつけました。洗面台には、タイルや特注した天然草のバスケット、星型のランプシェードが配され、そこはさながらマラケシュのリアド(宿泊施設)のよう!「お風呂で考えごとをしていると、各地にいる職人さんやスタッフの顔が浮かぶんです。お店で扱う商品も同じなんですが、ただ『かわいい』だけではなく、作り手をきちんと知り、工程や背景に納得できるものに触れていたいんです」
大原真樹/おおはらまき
「ファティマモロッコ」ディレクター。
バイヤー、スタイリストを経て、42歳で「ファティマ モロッコ」を起業。現地の自社工房で手掛けるハイセンスなオリジナル雑貨が人気。https://www.fatimamorocco.com
『ku:nel』2021年7月号掲載
写真 近藤沙菜 / 取材・文 権 佳恵
●素敵なインテリアやガーデン
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