【居心地の良いインテリア⑤】インテリアスタイリストの暮らしを支える名工の椅子8脚の物語。

すわきさん インテリア

美しい暮らしのシーンを雑誌やカタログなどで提案している、インテリアスタイリスト・洲脇佑美さん。ご自身はどんな部屋に暮らしているの? 気になって訪ねてみました。インテリアのポイントは、デザインや色の異なる美しい椅子でした。

ここがわたしの原点。個性豊かな椅子たちに囲まれて。

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休む、食べる、働く。日常をおおらかに受けとめるタピオヴァーラのナナ チェア(左・奥)と、オランダのヴィンテージチェア(手前)。

都内のヴィンテージマンションを訪ねると、静謐な空気が漂うリビング+ダイニングルームに案内されました。そこには、色も形も異なる椅子が、それぞれ〝心地よい居場所〟を作り出しています。その数、8脚。「座って、座って」。洲脇佑美さんに促されるまま、艶やかなブルーの塗装が印象的な一脚にかけてみると、座面の座り心地、背面の安定感、絶妙な曲線を描くアームの美しさに息をのみます。フィンランドの家具デザインを牽引した巨匠、イルマリ・タピオヴァーラの隠れた名品《ナナチェア》です。「記念すべき、私のファーストチェアなんです。

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原点となった一脚は、公私にわたって親交の深い東京・神宮前の「QUICO」にて購入。「スタッキングできるところも魅力です。」

13年前まだ駆け出しのスタイリストだった頃、9万円ほどで買いました。当時の私にとってはかなり勇気のいる買い物でしたけど、その金額以上に心の豊かさをもらってきました」それから少しずつ、暮らしの変化に合わせて増やしてきたコレクション。マニア垂涎のタピオヴァーラ作品も、希少なオランダのヴィンテージチェアも、飾りではなく、生活の根を支える道具として活用されています。

「部屋のどこに視線を向けても、自分の好きなもので構成された、美しい景色を作りたいんです。でも、ただ美しいだけではなく、実用性を備えた普遍的なデザインに惹かれます」

じつは洲脇さん、今年、引越しの予定があるのだとか。ところ変われど、名工の椅子たちは、洲脇さんの日常のさまざまな場面に、そっと寄り添い続けていくことでしょう。

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黒を効果的に効かせたスタイリングに定評のある洲脇さん。ここにもフランスのヴィンテージチェアを配し、空間を引き締めている。

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自由が丘のアンティーク店「BROCANTE」で購入したラタンチェアには、北欧のヴィンテージの布で作られた座布団を合わせて。

『ku:nel』2021年7月号掲載
写真 市原慶子 / 取材・文 権 佳恵

素敵なインテリアやガーデン
「買い替え」ではなく「メンテナンス」。「吟味して買い、長く愛用」がいまの気分です。
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