あの人の本棚を見たい!と思う人たちの自宅やアトリエを取材しました。みなさん本が大好きで、それぞれにスタイルが確固としていて壮観!本と向き合う豊かさを噛みしめられます。
川邊サチコ/かわべさちこ
トータルビューティークリエイター
ヘアメイクアップアーティストとして、国内外のコレクション、雑誌、広告、映画などで長らく活躍。現在は「KAWABE LAB」を主宰し、娘・美木ちがやさんとともに美に関するトータルなクリエーションを発信する。
仕事・娯楽と癒し風景も気分も転換
アトリエの一角の壁に造り付けられた棚は、まさに川邉サチコライブラリー。「40年間くらいで揃え今も必要な本、参考になる本ですね。仕事をするのに歴史をいい加減にはできないですから、資料は引かないとだめなんです。着物のデザインをしていた時とか特に痛感していました。その頃探して集めた本もずっと役立っています」
仕事も共にした、巨匠たちの本は大切
江戸時代中心に日本の文化・美術に関する本、川邉さんの仕事の軌跡と重なるクリエーターの作品集、ファッションの辞書的な本、海外で購入した写真集等々、自身の歴史と日本・世界のおしゃれの歴史が交錯し香ります。
好きな作家の本は、階段のスリムな棚に
一方プライベートスペースへの階段に作られた棚には文庫本や単行本が。「もともと活字が大好き。プライベートでは本に癒されたいと思うので、気持ちいいと感じる口調とかテイストの作家を探します」はまると、とことん……。それは統一感ある背表紙の風景でもわかります。
「池波正太郎の江戸前の世界に没入した時期があって、一冊ずつ買い揃えて読みました。今すごくはまっている作家はいないけれど、本って出合いですよね。本屋さんで惹かれて、『うちくる?』って連れて帰るみたいな。いつ出合って、また新しい世界が広がるかと考えると、楽しみです」
『クウネル』2023年1月号掲載
写真/玉井俊行、取材・文 /原 千香子