【新連載Vol.1】旬のきゅうりが主役! 山椒としょうがの風味が爽やかな、夏疲れを癒す10分おかず

内山ゆきさん パリパリ夏きゅうりのと豚肉の味噌炒め

ありふれた食材で調理法もシンプルなのに、「野菜ってこんなにおいしかったっけ!?」と新鮮さと驚きを与えてくれる内山ゆきさんの料理。この連載では、旬の食材と発酵の力を取り入れたレシピをメインに、素材の選び方、体にいい組み合わせ、料理をおいしくする調理のコツなどをお届けします。第1回は、山椒やしょうがの香りが食欲をそそる、旬のきゅうりと豚肉の味噌炒め。きゅうりの新たな魅力を発見できる一品です!

PROFILE

内山ゆきさん

内山ゆき/うちやま・ゆき

料理家

東京・外苑前のレストラン「iRo(イロ)」を主宰。食にまつわるプロデュースを手がけるほか、料理教室も人気。懐石料理の教室を開いていた母の影響で食物学、発酵、植物を学び、料理に関わること約50年。旬の食材にこだわり、素材のうまみを引き出す料理は食通の間でもファンが多い。

「う」の付く食べ物で、元気をチャージ!

毎日厳しい暑さが続く、本格的な夏がやってきました。この時季よく耳にする「土用」とは季節の変わり目の立春・立夏・立秋・立冬の直前18日間を指し、昔から“土用の丑の日”は無病息災を願って「う」の付く食べ物を食べると縁起がいいとされています。

内山ゆきさんきゅうりレシピ

「う」の付く食べ物と言えば……ウリ科のきゅうり! この季節にぜひ食卓へ迎えたい旬の食材です。

スーパーには一年中並んでいますが、やっぱり夏のきゅうりは格別! 包丁を入れた瞬間のみずみずしい音、パリッとした歯ざわりと青く爽やかな香りは、夏の到来を感じさせてくれます。

「体を冷やすから食べ過ぎない方がいい」というのは昔から伝わる知恵のひとつですが、それは暑さが今ほど厳しくなかった時代のお話。気候が変わった今は、その季節に育つ植物が持つ力を上手に借りながら、体を整えていくことが大切です。暑い夏にたっぷりと水分を蓄えて育つきゅうりは、火照った体を穏やかに潤してくれる季節の贈り物です。

きゅうりは約95%が水分。ミネラルやカリウムを多く含み、汗で失われる水分を補うと同時に余分な塩分の排出も促すため、むくみの軽減にも繋がります。

おいしいきゅうりの選び方は、濃い緑色でハリがあり、持ったときにずっしりと重みを感じるものがおすすめ。冷やしすぎると香りや食感が損なわれるので、食べる前に少し冷やす程度にすると旬のおいしさを最も感じられます。

調理時間10分!「パリパリ夏きゅうりと豚肉の味噌炒め」

内山ゆきさん「パリパリ夏きゅうりと豚肉の味噌炒め」

夏になると何度も食卓に登場する我が家の夏の定番おかずです。

サラダや浅漬けにして生で食べることの多い脇役的なきゅうりを、ビタミンB1豊富な豚肉と合わせてご飯がすすむ味噌炒めに。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるのを助ける栄養素で、疲れを感じやすい今の季節にぴったり。

きゅうりはサッと炒めればシャキッとした食感が残り、油と合わせることで満足感もぐんと増します。発酵食の味噌、旬の新しょうがは冷え対策にも。味付けは塩分を控えめにし、味噌のうまみと香り豊かなごまを効かせるのがポイント。素材そのものの甘みが引き立ち、後味も軽やかに仕上がります。

内山ゆきさん パリパリ夏きゅうりのと豚肉の味噌炒め

簡単に手に入る食材と調味料で作れるレシピ提案がゆきさんの信条。今回は発酵調味料の味噌としょうゆを使います。

【材料 2人分】
豚ロース肉(薄切り)…250g
きゅうり…2本
乾燥きくらげ…5g
実山椒(みじん切り/粉山椒でもOK)…小さじ1〜2
しょうが(みじん切り)…小さじ1〜2
白ごま…適量

A)合わせ調味料
味噌…大さじ1
砂糖…小さじ2
酒…大さじ1  1/2
しょうゆ…小さじ2

ごま油(炒め用)…大さじ2

内山ゆきさん

\Point/
豚肉はもも肉やバラ肉を使っても。鶏胸肉もおすすめです! 今回は旬の新しょうがを使いましたが、根しょうがでもOK。

【作り方】

内山ゆきさん パリパリ夏きゅうりのと豚肉の味噌炒め

1_きゅうりを一口大の乱切りにする。きくらげはぬるま湯で戻し、きゅうりと同じ大きさにカット。豚肉も一口大に切り、しょうが、実山椒はみじん切りに。

内山ゆきさん

\Point/
厚みや太さが均一でない野菜を切るときは、乱切りにすると同じ大きさにカットできます。均等に火が入り、見た目の美しさや食べやすさも両立。

内山ゆきさん パリパリ夏きゅうりのと豚肉の味噌炒め

最初は強火でしっかり炒める。

2_熱したフライパンにごま油を入れ、豚肉をほぐしながら強火で炒める。肉に半分くらい火が通ったら、Aを入れて混ぜ、30秒ほど中火で焼き上げる。

内山ゆきさん

\Point/
炒め物は火加減と手早さが決め手! 菜箸や調理スプーン、調味料などはあらかじめ準備しておきましょう。

内山ゆきさん パリパリ夏きゅうりのと豚肉の味噌炒め

コリコリしたきくらげの食感がいいアクセントに。

内山ゆきさん パリパリ夏きゅうりのと豚肉の味噌炒め

きゅうりは火を止めてから入れるのがコツ!

3_きくらげを入れて30秒ほどサッと炒めたら、火を止めてきゅうりを加えて混ぜ合わせる。

内山ゆきさん

\Point/
きゅうりは余熱で火を通すだけで十分。こうすることでみずみずしくパリッとした食感を残しつつ、味をなじませることができます。

内山ゆきさん パリパリ夏きゅうりのと豚肉の味噌炒め

しょうがと実山椒も火を止めた状態で入れる。

4_しょうが、実山椒を順に加えて混ぜ合わせ、仕上げにごまをふる。

内山ゆきさん

\Point/
お好みで、大葉やみょうがなどの薬味を加えてもおいしいです!

内山ゆきさん パリパリ夏きゅうりのと豚肉の味噌炒め

旬の野菜とお肉でたんぱく質もしっかり摂れる!

下ごしらえを含めて10分もあれば余裕で完成!
「今日は料理をする元気がないな」「暑くて台所に立つのもおっくう」……そんな日にも役立つメニューです。

料理は頑張らなくても大丈夫。旬の食材をひとつ、毎日の食事に取り入れてみてください。季節の素材の持つ力はその時季の体と心を整え、食卓を豊かにしてくれます。

この連載では、私が学んできた植物のおもしろさや発酵の力についてもお伝えしながら、毎日の料理が楽しくなるレシピやヒントをご紹介していきます。ぜひお楽しみに!

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