【あの人の世界が展開する本棚 】女優・中嶋朋子さんの好きな本にまみれる理想の場所

自宅本棚を眺める中嶋朋子さん

あの人の本棚を見たい!と思う人たちの自宅やアトリエを取材しました。みなさん本が大好きで、それぞれにスタイルが確固としていて壮観!本と向き合う豊かさを噛みしめられます。

好きな本にまみれ時を送る理想の場所

アトリエ本棚を眺める中嶋朋子さん

雑木林の中の山荘風アトリエに作られた壁一面の本棚。本の世界に「まみれていたい」中嶋朋子さんは、誂えた棚に趣味と気分の赴くまま本をゆったり並べ、小物をあしらいます。「理想の本棚です。日がな眺めては本を抜いて好きな場所に腰かけ読んだり、梯子をよじ登ったまま、本の途中から脈絡なく読み始めたり。また朗読台本の一節を拾うとか、インスピレーションを受けて文章を書くこともあります」

本棚によじ登る楽しさに味をしめて

本棚の梯子にのぼる中嶋朋子さん
「丈夫なバーと梯子をつけてもらいました。ここでも長く過ごせます」。のぼりながら本に手を伸ばす楽しみ。
中嶋朋子さんの本棚の一角
「全部を読んだというわけではなく」これから読み深めていく本も。 左写真、左列下から4段目は大好きな小川洋子作品がいちばん多め、エンデ全集やシルヴァ スタインの絵本……。5冊ほどを同時に読むので文庫も多数。隣列は写真集などを置く。
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本の本拠地を自宅からアトリエに変えたことでも変化があったそう。「小さい本棚をベッド脇に置いていた時は、自分と静かに向き合うというか自分自身をホールドする存在だった気がしますが、大きな本棚は遊び心も注ぎ込めフレキシブルに中身も変えられます。心や頭の中に風が通いイマジネーションが広がるよう」

想像力を豊かに一角ずつを遊びまわる

梯子が立てかけてある中嶋朋子さんの本棚の一角
旅先で買ったおもちゃや文具などで演出。下段の大判『LITTLE NEMO』はアメリカの新聞連載漫画、2段目『Pleine Lune』は大人のシックな絵本、上段は宇宙地図やエンデの本。
中嶋朋子さんの蔵書6冊
「肝心なものを確かめる」にも大切な本の一部。量子論に通じるシュタイナー研究本、最後のS・テグジュペリを探す本、タゴール短編や詩集。宮沢賢治や堤千代の本は装丁も好き。
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棚には幼い頃『星の王子さま』に出合ってから「目には見えない肝心なことを追いかけてきた」軌跡も、「旅先からトランクに詰めて連れ帰った」収穫も今日面白いと思った一冊も収まって。

「いろいろな人格になる仕事ですから役に持っていかれないよう今の自分を確認するため、大切な存在です」本棚は広い世界に漕ぎ出す入口とも話す中嶋さん自身の本棚物語も魅力的。

『クウネル』2023年1月号掲載

写真/徳永 彩、取材・文 /原 千香子

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