部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の唐津裕美さんのバトンを受けてご登場いただくのは、奈良でおいしいパンやサンドイッチが人気のカフェ『MIA’SBREAD(ミアズブレッド)』の森田三和さんです。
三和さん・暮らしのルール
1)食べたいものを自分で作って食べる。
2)心が動くことに敏感でいる。
3)楽しく働いた後、泳ぎに行く。
21歳のときに、自分で作るパンに”MIA’SBREAD”と名付けた三和さん。その後人気店になった『MIA’BREAD』は、「おいしいパンが焼けたよ!」と周りの人に食べてもらっているうちに、自然に広がってできたお店です。2017年には20年続けた場所から、故郷でもあるならまちに移転。1階はベーカリーと作業場、2階3階はカフェに。自宅と店を切り離すことで、自分を見つめ直すきっかけになったそう。
「子育てを終え、お店もひと段落。時代ともマッチして、自分の中の流れも変わり始めました。自分の軸はそのまま、じっくりと枝葉を伸ばしていくような感じでした」
さらにコロナ禍をきっかけに、週休3日にすることで仕事はゆっくりに。泳ぎに行ったり、コンサートへ行ったり、執筆する時間もできたのだとか。
「パンを焼き始める前の自分に戻ったような感覚です。自分でもびっくりするのですが、今年で60歳! 今はお店と、娘と保護猫2匹との暮らしが心地よいし、好きな家具や本、服などに囲まれて暮らしています。賃貸ですが、いつでも移動できる気軽さが自分に合っているなと思います」
profile
森田三和/もりたみわ
奈良生まれ。大阪芸術大学デザイン学科グラフィックデザイン専攻。卒業後、グラフィック デザイン、雑貨店等の仕事を経て、高校生の頃から気まぐれに焼いていたパン作りに夢中になる。 1997年に自宅兼お店の『MIA’SBREAD』をオープン。離婚をきっかけに2017年に故郷でもある「ならまち」に移転。2021年には、エッセイ本『サンドイッチブルース』(loop舎)を出版。 著書にレシピ本『ミアズブレッドのパンとサンドイッチ』(扶桑社)、『毎日食べたくなる、ミアズブレッドのパンレシピ』(誠文堂新光社)など。
https://miasbread.com
Instagram: @miasbread @sandwichblues
三和さんがバトンを渡すのは、奈良で『Fangle』を営む藤島多恵さん。「10年ほど前に奈良に引っ越してこられてから知り合いました。唯一無二のかっこいいお店。多恵ちゃんと話していると、心地いい異空間にいるような感覚になり、風景が浮かんできます。言葉を重ねなくても伝わる、無性に会いたくなる友人です」。多恵さんの暮らしは、1月後半に公開予定です。どうぞお楽しみに。
これまでの<住まいと暮らし>
◎vol.001 フォロワー24万人!世界中の‟暮らし好き”を魅了するフラワースタイリストの美しい生活とは?ー増田由希子さん
◎vol.002 大人のベーシックを知り尽くす大人気ファッションスタイリストが実践する「日々の更新術」―森慶子さん
◎vol.003 まるで美術館!人気セレクトショップオーナーが自分のために選んだ日用品とは?―恩田登喜枝さん
◎vol.004 人気イラストレーターが私生活で描くミニマムで簡素な世界―奥村麻利子さん
◎vol.005家づくりを通して見つけた、人生に欠かせないものー河村奈穂さん
◎vol.006カフェのオーナーがパリで見つけた大切なものー松崎裕衣さん
◎vol.007食べることは生きる喜び。パリで紡ぐ自分らしい生活ー山根恵理子さん
◎vol.008フランスの田舎暮らしで見つけた、人生の第2ステージー角田雪子さん
◎vol.009子供が巣立ち、夫婦二人暮らしになって見えた、暮らしの優先事項ーhal後藤由紀子さん
◎vol.10人生の集大成としてものづくりを楽しむための、自分のアトリエーTRUCK唐津裕美さん