【住まいと暮らしvol.007】食べることは生きる喜び。パリで紡ぐ自分らしい生活ー山根恵理子さん

住まいと暮らしvol.7 山根恵理子

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。松崎裕衣さん(前回はこちらより)のバトンを受けてご登場いただくのは、パリにある日本食材店「Workshop Issé」で働く山根恵理子さんです。

恵理子さん・暮らしのルール

住まいと暮らしvol.7 山根恵理子

1)今日やろうと思うことは、できるだけ片付けるようにする。でも無理はしない。
2)日常の食事は、可能な限り自分で作ったものを食べる。
3)歩き方に気をつける。

パリに長年暮らす恵理子さん。現在、日本食材を販売する店で働いていることもあり、食事には人一倍気をつけているのだそう。「一般の方からレストランシェフ、エピスリーとお客様が多岐にわたり、調味料や食材についてアドバイスしたり、されたり。食べることは、人の生きる力と喜びにつながると実感する日々を送っています。仕事にはお弁当を持参。おいしいレストランにもときどき行きますし、仕事で疲れて何もする気力がないときは、冷凍ピザを食べたりもしますが、自分で作ったものを食べることが体調はもちろん、心の健康にもつながる気がします」。
また何事も焦らず、無理をしないことを日々心がけていると言います。
「油断すると姿勢が悪くなってしまうので、歩き方にも気をつけるようになりました。踵から着地して、胸筋を開き、首が前に垂れないように歩くと、気持ちもシャンとします」

本を読んだりDVDをみたりゴロゴロ、リラックスする部屋。「夏はベランダから西日が差し込み、大変な暑さになるので、ベランダに日よけを付けます」

2人入ればぎゅうぎゅうになるという、コンパクトだけど素敵な台所。「改装時に古いタイルを取り去って張替える予定が、下から出てきたレンガを一部残す形に。天井からのガラスのレンジフードも取り外さずキープ。壊れていた壁のランプも、昔と同じ形のものが見つかりました」

愛用している包丁7本。「出刃、柳刃、鎌形薄刃、ペティナイフは、料理上手だった亡夫が若いときに購入したもの。刃が減ってきたため、新たに三徳とペティを追加。義兄からもらった小出刃、計7丁を用途に応じて使い回しています」荒砥と仕上砥で定期的に研いで、大切に使っているそう。

パンは近所のパン屋「Panifica(パニフィカ)」で調達したノルウェー風のパン。「むっちりとした食感で、ここ数年食べ続けて飽きない味。コーヒーの他に、生姜片を入れたハーブティー、りんご、時にヨーグルトやチーズもプラス。これが毎朝の定番です」

いつもの一人ごはんも、娘さんが来たときにも器は大きなものを使うという恵理子さん。「野菜が減るとすぐに不調な部分が出てくるので、切ったり茹でたりスープにしたり。野菜をオイルと塩、酢、柑橘、塩麹、醤油麹などで味付けるだけの手抜きでも、できる限り食べるようにしています。最近のマイブームは葱油です」

仕事帰りに近所の魚屋で購入したというカレイ。「この日はさくっと唐揚げに。金曜日は魚屋さんも仕入れ量を増やすので、いきのいい、良いものが見つかります。鰯もお腹がパンっと張って、内蔵もピカピカのものが手に入ります」

「おいしいお菓子屋のケーキや焼き菓子も食べますが、下手なりにも自作のケーキも時間があれば作ります」という恵理子さん。「コロナでロックダウン中、プロのパティシエやシェフの方々がたくさんレシピをインスタグラムで公開してくれましたが、なかでも「Ogata Paris」のパティシエ、ミキさんのバナナケーキは定番に。作業手順の中に、今まで知り得なかったコツがありました」

読書好きだった亡夫の本に加え、あれやこれやと読みたくて増え続けたという本。「キッチン以外の各部屋に本棚があってどこも満杯状態。少しずつ古本屋に持ち込み、増やさないように努力しています」

インテリアショップ「Caravane(キャラバンヌ)」のグリーティングカードに入っていた写真は額装して。「友人たちを招いた自宅での食事後に、トランプを楽しんだ思い出も重なります」

「サンタ・マリア・ノヴェッラ」のポプリの香りに、自宅のドアを開ける度にホッとするという恵理子さん。「「Hiromi Tsuyoshi」でオーダーした服が届いたとき、漂った良い香りに惹かれて教えてもらいました。以来、各部屋に少しずつ置いています。ベランダのバラの花びらも、咲き終わったら乾燥させてポプリに混ぜています」

冬場の大事な友、と恵理子さんが語るお気に入りのストール。「上の2つは、年に一度、大橋歩さんのギャラリーで個展をされる竹崎万梨子さんのもの。羊毛を洗って、色を染めて,紡いで糸にして手織りで作られる万梨子さんのストールは軽くて暖かく、モダンなセンスがあります」一番下は、使いすぎてライナスの毛布のようになったという「dosa」のもの。椅子はなんと、近所で拾った北欧の「Ilmari Tapiovaara(イルマリ・タピオヴァーラ)」のもの。脚が一本なかったのでDIYで修理したのだそう。

現在は美容系の仕事をする娘さんも独立して一人暮らし。「時々帰宅して泊まるとき以外は、来客用の部屋に。DIYでペンキ塗り替え工事をした際に、机上に幅の狭い棚を取り付けました。鏡の前の土人形は地元・富山の郷土玩具。テトラポットは亡父の仕事に関わるもので、娘が祖父へのオマージュとして日本橋とやま館で購入しました」。デヴィッド・ボウイの回顧展「David Bowie is」で迷わず購入したという、好きなアルバム「Low」のポスターも。

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恵理子さんがバトンを渡すのは、「tsunoda,paris」のデザイナー・角田雪子さん。日々の生活のなかで、地球のためにできることを実践している素敵な先輩として、恵理子さんの憧れの存在なのだそう。次回は11月末に公開予定です。どうぞお楽しみに。

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