【住まいと暮らしvol.006】カフェのオーナーがパリで見つけた大切なものー松崎裕衣さん

住まいと暮らしvol.6 松崎裕衣

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。河村奈穂さん(前回はこちらより)のバトンを受けてご登場いただくのは、パリでパートナーとともにカフェ「Dreamin Man」を営む松崎裕衣さんです。

裕衣さん・暮らしのルール

住まいと暮らしvol.6 松崎裕衣

1)長い間好きでいられる、質の良いものだけを持つ
2)買い物や食事は友人のお店で。みんなで助け合いながら暮らす

パリ11 区でパートナーと一緒にカフェ「Dreamin Man」を営む裕衣さん。2019年2月にオープンしてすぐに、大規模なデモやストライキがあり、2年めにはパンデミックと大変な時期が続いたと言います。そんな中でも毎日近所のお客さんや友人が遊びにきて、サポートしてくれていることに感謝する日々なのだとか。

最近、お店近くの大通りに面したアパートの3階に引越したばかりという裕衣さんですが、家具は自分たちのほしいヴィンテージ家具が見つかるまで、じっくり探している最中だそう。

「今は家具がほとんど揃っていないのですが、長く使える本当に好きなものが見つかるまで、気長に探し続けたいと思います。この家は大きな窓から陽が入り、そんな時間がとても好き。お菓子作りの合間に窓を開けて外を眺めては、改めてパリは美しい街だなぁと思います」

お休みの日はゆっくりスコーンをトーストして、コーヒーを淹れ、お気に入りのラグの上で朝ごはん。「スコーンは古代小麦で作ると、粉の香ばしい香りと甘味が感じられておいしいです。自家製の季節のジャムとクレームエペスと一緒に。最近は旬の無花果のジャムを作っています」

裕衣さんのお店にて。毎日お店に並ぶお菓子は、自宅にある小さな家庭用オーブンで焼いているそう。「私の暮らしの中心にはお店があって、来てくれる友人やお客さんがいて成り立っているので、ありがたいなと思っています」

絶妙な水色がお気に入りの革手は、お母さまからの贈り物。「フランスに軍手が売っていないと伝えたら、軍手と一緒に送ってくれました。カヌレなどの高温で焼いたお菓子も、これを使うと熱が伝わりづらく、すごく重宝しています。手洗いできるのもうれしいです」

おばあさまが茶道の講師をしていたという裕衣さんは、小さな頃からお抹茶を飲む習慣があるそう。「お茶碗とお茶の道具は祖母からの贈り物。この日はお抹茶に合わせて、自家製のプリンを。鳥が描かれたプレートは、実家近くに昔からある陶器店で見つけたものです」

八百屋などでもらえる紙袋をつけたランプシェードは、以前このアパートに住んでいたご友人が残していってくれたもの。またお気に入りのお皿は、日本に帰国した際に少しずつ持ってきたものだそう。「動物モチーフや和食器が好きで、集めています。エッフェル塔と富士山が描かれた真ん中の蕎麦猪口は、数年前に購入した沼田智也さんのもの。鳥の蓋つきの陶器は「パークハイアット東京」のデリカテッセンで購入したパテが入っていたもので、梅干しや佃煮を入れるのにちょうどいいサイズです」

今までは電車で移動することがほとんどだった裕衣さんが、コロナ禍でできるだけ人混みを避けたいと購入したのが電動自転車。「お客さんが経営する老舗の自転車屋さんで買いました。私の生活になくてはならない存在です」 花が刺繍された『COMME des GARÇONS』のワンピースは、この夏に買った中でも一番のお気に入りだそう。

寝室には大切なぬいぐるみを並べて。「ハワイのドーナッツ屋さんのマラサダベイビー、ニットの三角帽子のぬいぐるみはsaksumiさんのもの。右から2つ目のくまは、スウェーデンのおばあちゃんが手編みしたぬいぐるみ。見て癒されています」

パートナーとその日にあったことを話したり、1人でパソコンを見るときに使うソファ。「キリンのクッションカバーは母にもらったもの。寒いときは『ペンドルトン』のブランケットにくるまっています」

近所にあるショップ『the naked shop』のハンドソープを愛用。「お店に瓶を持っていくと、その場で入れてくれるのでエコロジー。これまで以上に手を洗う機会も増えたので、近所ですぐに買えるのがうれしい。パッケージがシンプルなのも気に入っています」

リビングのソファから一番目に留まる暖炉は、お気に入りをものを飾る場所。「好きなお花屋さんで作ってもらった、秋色のブーケ。お菓子のレシピ本、近所のワインカーブで購入したおいしいワインなどを並べて。お店のロゴの刺繍が入ったキャップは、この夏にオリジナルで作ったものです」

アップルシナモンケーキを作る裕衣さん。着ているのはルーマニアの女性職人によって、昔ながらの手法で丁寧に作られている『Les vacances d’Irina』のワンピース。「すごくおしゃれできれい、しかもかわいさもあるデザイナーのイリーナと直接会ってお話して、彼女の洋服が好きになりました。便利な世の中になり簡単にものが手に入る時代ですが、彼女の洋服のように手作業で丁寧に作られているものにいつも心が惹かれます」

器は友人でもあるAntonis Cardewのもの。「彼の人柄、仕事、作品全てが大好きで、カフェでもプレートやベンチ、スツールなどを使用しています。りんごや洋梨の木などを使った彼の作品はとても温かみがあり、人柄そのものが現れていて、私の作る素朴な焼き菓子ともとても相性がいいと思います。オープンする前に、彼の椅子に座ってコーヒーが飲めたら幸せだなと思っていたのが懐かしいです」

別の日のおやつは、近所にあるアイスとワインが楽しめるお店『Folderol』のアイスクリーム。「週に一度は行く、私の癒しスポット。家の冷凍庫にもアイスをストックしています。今日のフレーバーは、fig short cake、mango solbe、cookie & cream、 mexican vanillaです」

最近購入したという、100%ウールのもこもこスリッパ。「フランスの長い冬も、この暖かいスリッパがあれば乗り越えられそう。ぬいぐるみは高校生のときに購入したもので、いつも一緒にいてくれる私の宝物です」

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裕衣さんがバトンを渡すのは、パリの高級日本食材店「Workshop Issé」で働くマダム、山根恵理子さん。スタイルがあり上品さも兼ね備えている、裕衣さんの憧れの大先輩なのだそう。次回は11月中旬公開予定です。どうぞお楽しみに。

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