元Hanako、Hanakoママ編集長の片岡延江さん。25年間勤めた会社を退職し、築古家屋を購入しDIY再生中。知識や経験不足もあり、問題は次から次に勃発……。「いばらの道」を進むことになりますが、ある板金屋さんとの出会いで築古再生意欲に火をつけられたのだとか。手に汗握る(?!)大家日記シリーズ第5回になります。
元Hanako編集長の大家日記 一号物件編
vol1:会社辞めて家買って、DIYリノベの大家さんをしています。
vol2:荒れ果てた部屋や庭木をみて唖然、残置物の処分で苦戦しました。
vol3:人気物件だと思っていたのに!?入札してから明るみに出てきた真実。
「なんだか面白そう」に飛び込んでみる
私が、男女雇用機会均等法の2年目にメーカーに就職した頃は、女性が朝お茶を入れるという習慣がありました。仕事はどうだったかというと、同じ会社でも配属先や上司次第、補助的な仕事だったり、男女差ない残業バリバリな仕事だったり。当たり前ではありますが、制度ができても風土はなかなか変わらずで、均等法のまさに過渡期でした。それでも、時はバブル期で、買物を楽しみ、習い事をして、週末はテニスやスキーに行ったりと、同期たちのムードも明るかったです。
この世代の女性は前向きな人が多いと思います。バブル期の上向きな意欲はしばらく影を潜めていたけれど、親の介護に関わりながらも、仕事や子育てから解放され、「そろそろ何か始めたい」と思っている人が多いこと! 悩んだり、後進したりしながらも、自分のアンテナに引っかかったその何かに挑戦し始めている人もいます。そんな友人たちの話を聞くと元気がもらえることばかりです。
私にとっての第1号物件の再生は、まさしく「何か面白いことないかな」から飛び込んだ道。知識不足から「いばらの道」となってしまいましたが、「解決方法は必ずある、それが経験値として蓄積される」と、今日もいばらの道を歩んでいます。
不動産会社の回答にがっかり。
荷物がすっかり片付けられた家は、かなり広いことに気がつきました。そして、あちこちが痛んでいます。襖や壁、ドアも猫のひっかき傷だらけです。キッチン、トイレ、お風呂の水回りはなんとか繕ってもこのあんまりなビフォーの姿を知ったら自分だったら使いたくないな、と。キッチンに立つ身として水回りは一新したいところです。と、なると、いったいいくらかかるかの、見当もつきません。
どんな借主をイメージしようかと、このエリアの不動産会社に聞き込みにいったところ、「駐車場が足りないエリアだから、家壊して駐車場にしたら」とあっさり。古くて荒れた家に同情してくれたようですが、この回答にはすっかり気落ちしてしまいました。駐車場オーナーなんて夢がありません。
雨漏りの救世主を見つける。
床の「みしみし」や「ぷかぷか」は気になるけれど、あちこちでジャンプをしても家が揺れこともない。パチンコ玉を床に置いてみましたが、転がらないということは傾きもない、と、またもや素人見をしては「割とよさそう」と、元気を出したりしていました。
とはいえ、雨が降るたびに畳にしみこむ雨漏りは早急になんとかしないとです。あちこちバケツでしのいでいたものの、大雨が降ると気が気じゃありません、長年の放置で躯体にも影響しそうです。
そして、見つけたのが板金屋の伊藤さんです。彼との出会いが私のその後の築古再生意欲に火をつけることになるのでした。
→次回は2022年1/7の公開予定。
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◎【女ひとりで家を建てる①前編】自分のために7軒もの家を建てた女性の家づくりの記録。
◎ 【女ひとりで家を建てる①後編】海のそばに住む夢を実現すべく家を建てたものの……。
◎ 【女ひとりで家を建てる②・前編】自分の家を7軒も建てるまで色々ありました。
◎【女ひとりで家を建てる②後編】3軒目の家を建てたとき、家づくりの会社が始動。
◎【女ひとりで家を建てる③前編】人生バブル期、4軒目に建てた家は箱根の別荘。
◎【女ひとりで家を建てる③後編】事件勃発。人生のバブル期はまさかの転換期でもあり……。別荘を建て、手放すまで。
◎【女ひとりで家を建てる④前編】5軒目の家は鎌倉山の洋館。そこをカフェにする計画が……。
◎【女ひとりで家を建てる④後編】中古住宅を買って、自分好みにリノベーションする楽しみ
◎【女ひとりで家を建てる⑤前編】自分のために建てた家は何と7軒!これが終の棲家か?!ついに完成した理想の平屋。