【元Hanako編集長の大家日記 一号物件編 vol.8】「家づくりって、楽しいけど苦しいです」

片岡延江 大家日記 色見本

元Hanako、Hanakoママ編集長の片岡延江さん。25年間勤めた会社を退職し、築古家屋を購入しDIY再生中。知識や経験不足もあり、問題は次から次に勃発……。仕事のできる板金屋さん、頼りになる建築家さんとの出会いがあり、いよいよリノベーション開始です!大家日記シリーズ第8回になります。

リノベ計画はまずは屋根の修理から。しかし足場がたっても、肝心の工事はなかなか始まりません。

冬に落札した物件も初夏に近づき、雑草も生えてきました。電線や屋根にせり出した木はすでに専門業者に処分してもらいましたが、剪定してほっそりしてた木も葉っぱが茂ってまるまるとしてきました。はじめは、さまざまな花木が植えられた広い庭に歓喜していましたが、暖かくなるにつれ、庭をきれいに維持することは相当大変であることを知りました。

そんな木の枝を切ったり、雑草抜きをしていたところ、現場帰りの伊藤さんがやって来ました。

早々と立った足場に「急ピッチで作業が進むのかと思った」、と言うと、「足場屋さんがその日ちょうど空いていたので足場だけ先に組んだ」とのこと。

片岡延江 大家日記 雑草
気を抜くと一面雑草だらけに。ススキやねこじゃらしなど馴染みのある草もいたるところに生えていて、どんどん伸びて増えていくので「風情がある」とか言っていられなくなった。

よい職人が集まる
チームを見つける

優先順位が高いのは、まずは工事期間を決めていた大手の仕事や事故につながるような緊急性が高い仕事とのこと。職人さんは、例えば、新築などの一気にやる仕事を請け負ってその合間に中小のリフォームをやります。その中でもうるさく言う施主の仕事は早く終わらせる傾向が。無駄なコミュニーションを取りたくないというのが理由らしいです。

年配の職人さんは、スマホを持っていてもメールやラインも苦手で留守電もあまり聞かないから、作業が滞ることもあるそう。とはいえ、腕がよくて、性格もいい職人さんがひっぱりだこなのは、どこの世界でも同じです。

外注として請け負った現場では、左官や、大工、電気や水道、伊藤さんのような板金屋さんなどの職人さんが初対面で仕事をすることも多く、そんな中、腕のいい人には「今度一緒にやらない?」と連絡先を聞くそうです。伊藤さん曰く、「調子のいいことを言って手を抜いている人も結構いる」とのこと、逆にそういう人から声をかけられたときは「忙しいから」と断るんだとか。

と、いうことは、信頼できる職人さんまわりには、いい仲間が集まるということ、そのチームにお願いできたら万々歳です。

伊藤さんとの仕事は初めてですが、会話をするごとに、愛想はないけど、プロ意識が高く、かなり真面目な人であるように思えます。以前ネットを見つけて、すごく良さそうに思えた職人さんの評判を聞いてみたら「酒飲みだから自分は好きじゃない」と言ったので「おっ」と思ったのでした。私も気をつけねば。

さて、「待ちに待った工事がやっと始まりそうです。建築士の須藤さんからも連絡が入りました。もともとのセメント瓦は、破損していたり、塗装が剥げていたので、雨漏りはもとより、耐震の面からも軽くて頑丈なガルバリウム鋼板の屋根にふき替えることにしていましたが、色の最終確認です。

色の選定は
試し塗りして決める

その後、外壁の色では微妙に違うグレーの3色をどれにしようかと10日間ぐらい悩みました。結局、現場で壁に塗ってもらって須藤さんと確認して決めました。「日塗工の色見本」はありますが、塗ってみたら印象が違ったということがよくあります、広さや塗る素材、また日当たりなどにもよって印象は変わるので、現場で確認すれば間違えありません。色に関しては、多くの物件を手掛けている須藤さんでさえ「えっ」と思うことがあるそうです。

片岡延江 大家日記 色見本
塗装屋さんから「新しいの買ったから」と、もらった「日塗工の色見本」。あくまでも色見本なので、自分が行うDIYでも試し塗りは欠かせない。

作業は職人さんにおまかせしつつ、キッチンや洗面台、トイレなどの設備を須藤さんと決定していきました、迷い始めると変なこだわりがでてきてしまうので、「エイヤ」と決めることも。家づくりって、楽しいけど苦しいです。

プロの方の仕事はあっという間で、屋根が仕上がって、外壁が塗られて、内装のメインの工務店さんも入りました。どんどん進んできれいになって楽しい夢を見ているようでした。

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