【女ひとりで家を建てる①後編】海のそばに住む夢を実現すべく家を建てたものの……。

井手しのぶさん 連載1

自分のために建てた家はなんと7軒!。そんなパワフルな女性、〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーの井手しのぶさん。そんな井手さんが7軒目を建てるときに、本誌では『おんなひとりで家を建てる』と題して、家づくりのルポを連載していました。その家づくり顛末記をご紹介してまいります。まずは6軒目の海の家の話から……。

【女ひとりで家を建てる①前編 からのつづきです。

朝、掃除と洗濯が一段落したら、昌夫とジャックを連れて海岸を散歩。ジャックは歩くのが好きで、昌夫はボール遊びが大好き。冬は海に人がいないので、1人と2匹で砂浜を独占。夕方は仕事が早めに終わると海を眺めながらのご褒美バスタイム。夏は真正面に日が沈むので最高に気持ちいい。天気が穏やかな日々はまさに天国の暮らしだ。ただし、荒天の日の恐ろしさはまさに想定外。
「海からダイレクトだから、嵐の時は家が揺れるくらいに風がすごい。家を守らねばと、もう必死です。植木やらなにやらを雨に打たれながら全部移動させないといけないし、とてつもなくパワーが要るんです。ダイニングの鉄枠の窓は年に何度も錆止めのメンテナンスが必要。植物が好きなのに多肉以外はすぐ駄目になる。海辺のマンションはいいけれど、海辺の一軒家はひとり暮らしの身では覚悟がないと住めないと痛感しました」

井手しのぶさん 連載1

もうひとつの悩みどころはお金の問題。この家を建てるのに30年ローンを組んだから、80歳過ぎまで返済が続くことになる。現実を直視すると少々きつい。老後のために貯金もしておきたい。
「そうだ、この家を売ろう!」。たまたま以前ここを欲しいと言ってくれる人がいた。その時はごめんなさいと断ったけれど、駄目元で連絡したら、幸運にもまだ欲しいといううれしいお返事。売値は土地と建物で6千8百万円。売却でローンを完済させ、次はミニマルな家にするとして、差額は老後資金にプールできる。となると、次の土地を探さねば。計画では今度の家の予算は土地建物すべて込みで3千万円。まずは予算ありきで、い
っそ熱海まで行くか……。
「問題は今後、仕事を続けるかどうか。しないなら熱海でも沖縄でも構わないけど、ありがたいことにまだオファーもあるし、きっと仕事は続ける。そうなると熱海は遠い。毎日ネットで不動産情報を調べまくりました」

井手しのぶさん 連載1
階段は愛犬のためにサイザル麻のカーペット敷き。

そしてとうとう見つけた! 鎌倉・材木座の山あいの土地80坪。前年までは3千万円以上していたのに、1千8百万円に値下がりしているではないか。さっそく見に行くと道が狭くて車が入らないのがネックだったが、鎌倉なら車がなくてもなんとかなりそうと、即決。
「不動産屋さんから『よく見つけたね』と言われるほどの破格値。犬たちや猫たちのために庭のある家が欲しかったし、平屋の家にも暮らしてみたかったので、〝大きな庭の小さな家〞に決めました。きっと最後の家づくりのはずだから、とことん楽しむつもりです」

井手しのぶさん 連載1
草ぼうぼうの荒地から新しい夢がスタート! 鎌倉・材木座の斜面地で見つけた土地はご覧の通りの雑草だらけ。なかでもはびこっていた笹退治にはひと苦労。ユンボで土地を返し、ようやく整地。これから基礎工事、柱組みへと進行予定。