たくさんの縁が繋がり、ついに、自分の居場所をみつけた「canaria_rs(カナリア)さん」。シリーズ最終回となる今回は、カナリアさんからみなさんへのメッセージをお届けします。本シリーズをたくさんの方に読んでいただけましたこと、クウネル・サロン編集部からも厚く御礼申し上げます。※これまでのお話①、②、③とあわせてご覧ください
◎そして、いま
なにを思ってのことだったのか、自分でもさっぱり覚えていないのですが、高校生だったとき「なにもない平凡な人生より、波乱万丈な人生を選びたい!」と、母に宣言したことがあるんです。いまあの頃に戻って、自分の耳元で言ってあげたいです。「心配するな、図らずもそうなるぞ」と。
46歳で再婚し、その後のお話を少ししますと、夫は私と出会ったときに正社員として勤めていたデザイン会社を退社。40を前に猛勉強し、夢だった新しい世界の扉を叩きました。現在は、朝早くから夜遅くまで忙しそうにしながらも、いきいきと働いています。私は現在、会社勤めをいったんお休みし、家事をしながら、アクセサリーを作ったり、服のデザインをしたりと、少しずつ興味のある新しいことに挑戦しています。
最近は、夫婦で大好きなラーメン屋さん巡りをして、食べ終わって退店するやいなや、せーので「星いくつ!」と、味の品評会をしあうというのが、もっぱらの楽しみです(地味ですね)。
最初にもお伝えしましたが、私はふつうの主婦です。田舎の高校受験に失敗して、結婚にも失敗して、挙句、志したwebデザイナーで食べていくという夢にも破れてしまった、52歳の主婦です。
でも、経験してきたことを無駄だったとは思っていないのです。
経理職を離れたいまも、簿記は確定申告の季節に毎年大活躍していますし、最初の結婚に失敗しなければ、再び東京へ来ることは絶対ありませんでした。見習いデザイナーとして、どうにか習得したwebの基礎知識は、ささやかですが、自分のブログデザインやweb shopの調整作業に活かされています。また、そうして続けてきたブログは、この『クウネル・サロン』に掲載していただくきっかけにもなりました。
だいぶ遠回りして、「なんでいつも自分だけうまくいかないんだろう」と、消え入りたくなることもありましたが、迷いながら進んできた「点」は次の「点」に繋がり、気付けばいま、その無数の点が繋いだ一本の線の上を歩んでいるような気がします。だから、後悔はありません。
◎親愛なる、同士のみなさんへ
おこがましくも、今回自分の話をさせていただくにあたり、編集部の方からひとつお願いをされていました。「会ったことはないけれど、会ったらきっと仲良くなれる、同世代の女友達に話しかけるつもりで書いてほしい」というのです。
それができたかどうかはわかりませんが、書き始めてみると思いがけず、ブログやInstagramに、たくさんの感想メールをいただくようになりました。励まされた、勇気になった、そんな言葉をかけていただくたびに胸がいっぱいになり、力をいただきました。読んでくださったみなさまに、この場をお借りして、心より感謝申し上げます。
人生100年といわれる時代。それぞれの場所、生き方の中で、お互い切磋琢磨しながら、自分らしく年を重ねていけたらいいですね。そうしているうちに、いつかもしかしたら、どなたかの点と私の点が、なにかで交わる日があるかもしれません。そんな夢を抱きながら、いざ、人生の後半戦を楽しみたいと思います。(おわり)
canaria_rs / カナリア
1969年生まれ。プチプラアイテム中心のコーディネートや等身大の暮らしぶりを綴ったInstagramや、39歳から書き続けているブログ『Canaria Style』が、大人の女性たちから多くの共感を集める。不定期で販売する自作のアクセサリーも好評。また今秋は、アパレルブランド『Zalal』とコラボしたパンツやジャンパースカート等も発売中。
★お知らせ★
今後もカナリアさんには「クウネル・サロン・プレミアムメンバー」として、定期的に発信を続けていただきます。こちらもぜひご期待ください(次回は10月末頃)。
構成 / 権 佳恵
▼大好評!これまでのカナリアさんの記事一覧▼
1)ZARAも無印もGUも!インスタで話題沸騰のカナリアさんが指南する「50代からのプチプラ活用術」
2)無印ボーダー×デニムにはパールアクセサリーがマストです。カナリア流・50代プチプラファッションのルール
3)やっぱり大好きかごバッグ。カナリア・スタイルに欠かせない12個のかごバッグを大公開。
4)楽ちん&すっきり見えを叶える大人のサロペット。プチプラTシャツの”10秒リメイク法”も教えます。
5)最旬ワントーンコーデ満載!プチプラでも大人らしくシックにまとめるポイントって?
6)46歳で10歳年下の夫と結婚したカナリアさんの話①―――高校受験にただひとり失敗した日のこと。
7)46歳で10歳年下の夫と結婚したカナリアさんの話②―――憧れの東京ライフ。そして、自分探しの旅の果てに。
8)46歳で10歳年下の夫と結婚したカナリアさんの話③―――「失うものはなにもない」私に人生最大の奇跡が起きた。