自宅こそひらめきの場所。インテリアスタイリストが実践する“素敵な家”の作り方【前編】

作品が生み出されるクリエーターの住まいを訪問。今回は美術館、店舗、個人宅などの空間演出やインテリアスタイリングを手がけている黒田美津子さんのご自宅に伺いました。

PROFILE

黒田美津子/くろだみつこ

『Hanako』などの編集記者を経て、インテリアスタイリストに。雑誌、広告のほか、商業施設、ホテル、住宅、展示会などのインテリアディレクションや空間演出を手がける。

好きなものも思い出も目に留まるところに

庭だった場所に建つ2階建ての建物。玄関ドアや塀は自分でペイントしたそう。蔦の絡まる玄関はイタリアのピエロ・リッソーニの照明でモダンな雰囲気をプラス。

玄関では父のイギリス時代の写真や小物、花などが迎えてくれる。玄関と廊下の上部に棚をつけ、文学全集などの本は空間を活かした収納に。照明は北欧のルイス・ポールセン。

美術館、店舗やショールームから個人宅まで、空間演出やインテリアスタイリングを手がけている黒田美津子さん。1年以上をかけるプロジェクトもあり、住宅商品の開発にも携わるなど仕事は多岐にわたります。そんなインテリアのプロの住まいは、建物を覆う蔦の葉っぱが印象的な一軒家。

「両親から受け継いだ築50年の家で、私が住み始めたのは20年前。その際にリノベーションし、10年前にもフローリングを染め直したりして手を入れました。2階は寝室と倉庫スペース。仕事柄、ものが増えてしまうから」

生活の中心は、リビング、ダイニング、キッチンがひとつにつながった1階の14畳ほどの部屋。味のあるヴィンテージ家具やモダンな照明などをミックスしたインテリアは、20年の間に少しずつ集めてきたものだそう。

「北欧、イタリア、日本と国も時代もまちまちで、ヴィンテージや使い込んで古くなったものがほとんど。全部クラシックだと重たいので、ガラスやスチールなどの質感を織り交ぜてバランスをとっています。自分の家はスタイルにこだわるというよりは、気に入ったものだけを置いている感じですね」

※後編に続きます。

天井まであるオープン棚は5年ほど前にオーダーしてつけたもの。角にアールをつけて幅のあるものも置けるように工夫。ガラスの飾り棚は、もともとこの場所にあったキッチンの窓を活かしたものだそう。

『クウネル』9月号掲載 写真/玉井俊行、取材・文/矢沢美香

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『クウネル』No.122掲載

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