「冷蔵庫なし生活」のアイデアが満載。稲垣えみ子さんの人生を変えた料理本

一冊の料理本との出合いによって、料理が楽しくなったり、仕事に繋がったり、生活がガラリと変わったり……。そんな、暮らしに影響を与えてくれたお気に入りの料理本について、稲垣えみ子さんにお話を伺いました。



「冷蔵庫なし生活」へと導いてくれた私の手引書

冷蔵庫いらずのレシピ 表紙
冷蔵庫いらずのレシピ』 按田優子
「按田餃子」の店主が、竹串やジッパー付きのビニール袋で干したり、漬けたりという保存方法で食材を長持ちさせるテクニックやアイデアを紹介。保存した食材を使った、調理時間を短縮できるレシピも。(ワニブックス)

冷蔵庫なしの生活を始めて8年になるという稲垣さんが、冷蔵庫なしの生活が成り立つのか悩んでいたときに、運命的に出合ったのがこの本。「震災を機に節電生活を送っていたのですが、東京に引っ越したらまさかのオール電化住宅で、それまでの努力が水の泡。いっそ冷蔵庫をやめようか考えていたとき、偶然入った『按田餃子』で見つけてビックリ。これはもうやるしかないでしょうと」

『冷蔵庫いらずのレシピ』中身
干す、漬けるとは何か、そのための原理などが書かれている。「買うものだと思っていたものも、自分で作れることがわかりました」
本を読む稲垣えみ子さん
「冷蔵庫をやめると、冷蔵庫があることを前提に作られた料理本が参考にならなくなった」と稲垣さん。手元に残した本は4冊だそう。
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やはり震災を機に冷蔵庫をやめた著者が実践から生み出したアイデアが満載。「冷蔵庫がなければ干すか漬けるかで解決できる。特別なものを買わなくても、空袋や空き瓶など身近な道具でなんでもできるんです。さっそく竹串で野菜を干したり、普通なら捨ててしまう柑橘の皮でお茶を作ったり。冷蔵庫のない暮らしはやってみると、圧倒的に合理的で買い物の無駄もなくなり、 自分が生きていくサイズ感や、何がおいしくて何が幸せかよくわかりました。冷蔵庫のある生活にはもう戻れません」

『クウネル』2023年1月号掲載

写真/砂原 文 取材・文/赤木真弓

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