里山の美しい借景をのぞむ、植物にあふれた家ー花の店 輪・荒木幸恵さん【住まいと暮らしvol.59】

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の松井由起子さんのバトンを受けてご登場いただくのは、「花の店 輪(りん)」を営む荒木幸恵さんです。

荒木さんの暮らしのルール

1)掃除は後回しにせず、気づいたときに
2)できるだけ欠かさず、軽い運動を
3)やりたいことは有言実行する

夫婦で花屋を営んでいたという荒木さん。現在は、オンラインでリースなどの販売やワークショップを行っています。

「出産や自宅を建てたことで環境が大きく変わり、今のスタイルに行きつきました。理想的な環境に暮らして丁寧な暮らしがしたいのに、ほとんど店にかかりっきり。最初で最後の子育てを、ゆとりのある時間のなかで叶えてみたいと強く思いました。庭仕事も引き受けていましたが、庭仕事の需要が拡大するタイミングで思い切って、花屋を閉じることにしたんです」

光が差し込むキッチン。「長年使い続けている、白いオーバル鍋がお気に入り。どこに何があるかわかりやすいよう、扉はつけませんでした」

小さな畑を借りて野菜を育てるなど、里山的な環境が最高に心地がいいのだとか。

「インテリアも、奇抜な色やつやつやピカピカしたものは落ち着かないので、自然の色や温もりのあるものが好きです。敷物は一生もののオールドギャッベに。いつでも一人で移動できる範囲の家具だけを置いています。家で毎日読書をする時間が楽しみです」

2階からリビングを見下ろしたところ。

リビングなど、家のなかにも観葉植物や仕事で使うというドライフラワーが溢れています。

「私にとって、花は自己表現の手段。私と他者を繋いでくれる存在です。ワークショップでは技術の前に、ちょっとだけ非日常空間に浸って、心の栄養補給になれれば、と思っています」

食器棚に収まるだけしか、食器を持たないという荒木さん。「壊れたら新しいものを買うように心がけています」

荒木さんの暮らしの道具。「夫が趣味で作った木工と、お隣さんが作った竹細工と藁細工。身近な人の温もりを感じて生活することを大切にしたいです」

食卓の奥にあるリビングには、観葉植物とドライフラワーがいっぱい。「里山の素晴らしい借景が、一番の贅沢だなと日々感じています」

玄関を入って右手がキッチン、左手がリビング。自然光がたっぷり入り、日中は電気要らず。

洗面所は、ステップフロアで2段上がったところに。

ハンス・J・ウェグナーの椅子に座って、夕ごはん前にひと息。「さわやかな夕刻、庭で飲むビールは最高です!」

友人が届けてくれた、収穫したての杏とブルーベリー。「杏はジャムに。種は杏仁豆腐作りに使用。毎年の楽しみです」

畑の様子。「奥の白い花はコリアンダー。種はスパイスになるので、収穫する予定です」

「輪」で販売しているリース。

ワークショップは自宅で開催。

profile

荒木幸恵/あらきゆきえ

オンラインショップ「花の店 輪(りん)」を営み、リースの販売やワークショップを開催する。里山的な環境で子育てしながら、できることをしている。夫と10歳の子どもと3人暮らし。

https://rin-tuhan.stores.jp
Instagramhananomiserin

荒木さんがバトンを渡すのは、暮らしの道具と手作りお菓子が並ぶ「hutte küche(ヒュッテ キュッヒェ)」を営む藤川千恵さん。「ご近所の藤川さんは、センス溢れるお菓子屋さん。とにかく手を抜かないこだわり屋さんで、人脈のある人柄も魅力です」と荒木さん。藤川さんの暮らしは、7月中旬に公開予定です。どうぞお楽しみに。

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