【住まいと暮らしvol.28】憧れを詰めこんだ家で外仕事を楽しむ、ひとり暮らしーライア奏者、手仕事作家 山下りかさん

山下りかさん 土間

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の上杉浩子さんのバトンを受けてご登場いただくのは、ライア奏者、手仕事作家の山下りかさんです。

山下さん・暮らしのルール

1)起き上がる前に気になっていたことを考える
2)季節ごとの外仕事をする
3)食事はできるだけ手作り。週に一度は誰かと食べる時間を持つ

子育てがひと段落し、3年前から鎌倉でひとり暮らしをはじめた山下さん。暮らしているのは、友人たちの手を借りながら古い家を改装したこだわりの家です。
「生きていく上で必要なものをできるだけ手作りでするというのは、昔から憧れていた生活。若い頃から古い時代の人たちへの憧れがあり、その生活へ一歩近づいたかなと思えるようになりました。今の家に越してからは春は草刈り、土を耕して種まき、煙突掃除、夏は植物を収穫してドライにしたり、酵素エキスを仕込み、秋は落ち葉掃きや枝払い、冬は次の年のための薪作りなどの外仕事をしています」
誰かのためにごはんを作るという生活が当たり前だった山下さんが、ひとり暮らしで寂しく感じるのは、ごはんの時間だそう。
「人の世話ではなく自分のことができるのは嬉しいけれど、慣れなくて。やはり誰かと食べたときのごはんはとってもおいしいし、嬉しいことなのですね。おいしいものを囲んで会話が弾むことが、”おいしいごはんの時間”と繋がっているのかもしれません。

家の改修作業がひと段落し、昨年1年間はうたとライアの演奏活動、そして収録配信講座の中で、私にできる方向性をつかめた気がします。これからはそれをさらに研鑽しつつ、必要な場所で演奏させていただける機会があるといいなと思っていますし、収録配信講座ではこれまでの人生をかけて得たものをすべて出していきたいと思っています」

山下りかさん リビングルーム
白を基調としたリビングルーム。「わが家のリビングは、レッスンするミュージックルームも兼ねています。空間を大切にすることで、よく響く場所になるよう心がけています」
山下りかさん ロッキングチェア
友人から預かっているロッキングチェア。「朝、ちょこんと座って紅茶を飲んだり、ライアを演奏したり、読書をしたり。近くの公園のブランコに乗った気分で、うれしくなります」
山下りかさん 土間
新居では、憧れだったという土間を作った山下さん。「土間に直接入れるよう、壁を抜いてドアをつけてもらいました。入り口にはアメリカ時代から愛用している、シェイカースタイルのハンガーを取りつけました」
山下りかさん 羊毛の天使
小さなシェイカーボックスには、キャンドルグッズを収納。「このまま持って出かけるのに便利。この頃は、主催している講座で作ったばかりのくるみの殻に蜜蝋を入れたキャンドルを側に置いて。羊毛で作った天使は、いつも見守ってくれているようで特別な存在です」
山下りかさん キッチン
キッチンは、基礎を手直ししてもらい、壁も床もなくした状態から作ったそう。「理想と現実をすり合わせて、木の温かみのある仕上がりに。シンクと水栓はネットで購入して、木の部分は友人にお願いしました」
山下りかさん 蜜蝋キャンドル
毎朝蜜蝋キャンドルを灯すのが習慣だという山下さん。「消した後に立ち上がる煙、そしてその後の部屋の香りが好きです。そのまま部屋にいると気づかないほどですが、一旦離れて戻ってきたときに気づく香りは、空気が澄んでいるように感じます」
山下りかさん 掃き掃除
雨が降る前には、屋根の上の掃き掃除を。「紅葉した葉が雨どいにたまるのを丁寧に取り除いて、古い琺瑯バッドにまとめて下へ持っていきます」
山下りかさん 棚にした物干し
棚代わりにしているのは、木製の折り畳んだ物干し。「上にはギターの足置き、ドライフラワーにしたすみれの花束を飾って。どれも大切な友人からの贈りものです。羊毛で手作りした羊と一緒に」
山下りかさん グラス
週末には、近くに住む友人たちと食事をするそう。「近況を話したり、今後のことを相談する大切な時間。みんなが帰った後、テーブルに置いて乾燥させているグラスやお皿を眺めながら、楽しい時間を思い出すのも好きです」
山下りかさん 食器棚
リビングの食器棚の上には、大好きな物入れを置いて。「LUのビスケットのバスケットを模した缶は、スタイリスト時代に買ったもの。丸と楕円のシェイカーボックスは、ミシン糸がたくさん。竹細工のバスケットはとても丈夫ですが、作り手がいないそうで貴重な作品となりました」
山下りかさん 魔除けの石
窓辺には魔除けのクリスタルを並べて。南仏のお皿は、友人からもらったお気に入り。
山下りかさん リユースした木材
リユースの木材で手直ししたトイレのドアには、壁用のキャンドルホルダーをつけて。細いキャンドルを灯すと、小さな光が美しい。
山下りかさん 手作りスキンケア
植物エキスでスキンケアアイテムを手作り。「バラ、セントジョーンズワートの花びら、枇杷やよもぎのはを愛用しています。大自然からの贈りものですね」
山下りかさん テディベア
好きなものは見えるところに置きたいという山下さんの、お気に入りコーナー。「この棚は叔母から譲り受けた年代物。上には双眼鏡、キャンドルホルダー、石、漆のポット、LOのヴィーガンフレグランスキャンドル、シュタイフのテディベア、子どもたちと愛猫の写真アルバム、ガラスのペーパーウェイトを置いて」
山下りかさん 土間
土間の景色。「シーリングファンは回転を変えて、夏も冬も大活躍してくれます。平澤まりこさんの絵が、真っ白い壁の高いところにあるのがお気に入り。カーテンは、厚手の麻とコットンオーガンジーの二重構造。だらんとまとめるのは、ナンタケット島を旅したときに泊まった宿がお手本です」
山下りかさん 薪ストーブ
薪ストーブ生活2度目の冬。「とにかく暖かく、一日中家にいる寒い日は薪ストーブをつけることから始まります。朝はライアを持ってきて稽古。食事もパソコン作業も、縫い物、編み物も、薪ストーブの周りでできることはすべてこなします」
山下りかさん 薪ストーブ周り
薪ストーブの周りの景色がお気に入りだという山下さん。「桜の木の小枝、燃やしたくなくなって、つい飾ってしまいます。バスケットの中にもさまざまなサイズの木が。サンフランシスコ時代から使っている手作りの箒とダストパンは捨てられないもののひとつです」
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山下さんがバトンを渡すのは、fog linen workのプレスを務める粕谷斗紀さん。「私がスタイリストを始めたばかりの頃に、共通の友人に紹介されて以来の仲。知り合ってかれこれ40年近くになります。年下なのにお姉さんもしくはお母さんのような存在で、斗紀ちゃんの心遣いに何度となく癒され、そして甘えてきました。今は同じ年齢の息子を持つ親となり、ときどき会って現状報告をし合っています。センスがよく独自の千里眼を持ち、ものをすっきり片付けたり仕分けたりするのが得意。好きなものしか持たない、使わない印象があるので、どんな暮らしを紹介してくれるのか、私もとても楽しみです」と山下さん。粕谷さんの暮らしは、1月下旬に公開予定です。どうぞお楽しみに。

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