部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の上杉浩子さんのバトンを受けてご登場いただくのは、ライア奏者、手仕事作家の山下りかさんです。
山下さん・暮らしのルール
1)起き上がる前に気になっていたことを考える
2)季節ごとの外仕事をする
3)食事はできるだけ手作り。週に一度は誰かと食べる時間を持つ
子育てがひと段落し、3年前から鎌倉でひとり暮らしをはじめた山下さん。暮らしているのは、友人たちの手を借りながら古い家を改装したこだわりの家です。
「生きていく上で必要なものをできるだけ手作りでするというのは、昔から憧れていた生活。若い頃から古い時代の人たちへの憧れがあり、その生活へ一歩近づいたかなと思えるようになりました。今の家に越してからは春は草刈り、土を耕して種まき、煙突掃除、夏は植物を収穫してドライにしたり、酵素エキスを仕込み、秋は落ち葉掃きや枝払い、冬は次の年のための薪作りなどの外仕事をしています」
誰かのためにごはんを作るという生活が当たり前だった山下さんが、ひとり暮らしで寂しく感じるのは、ごはんの時間だそう。
「人の世話ではなく自分のことができるのは嬉しいけれど、慣れなくて。やはり誰かと食べたときのごはんはとってもおいしいし、嬉しいことなのですね。おいしいものを囲んで会話が弾むことが、”おいしいごはんの時間”と繋がっているのかもしれません。
家の改修作業がひと段落し、昨年1年間はうたとライアの演奏活動、そして収録配信講座の中で、私にできる方向性をつかめた気がします。これからはそれをさらに研鑽しつつ、必要な場所で演奏させていただける機会があるといいなと思っていますし、収録配信講座ではこれまでの人生をかけて得たものをすべて出していきたいと思っています」
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profile
山下りか/やましたりか
雑誌『オリーブ』のスタイリストとして活躍。その後、長期旅行気分でN.Y.へ。アメリカで家族を得て1998年帰国。現在は竪琴の一種であるライアの奏者、手仕事作家として活動。rikayamashita.com
山下さんがバトンを渡すのは、fog linen workのプレスを務める粕谷斗紀さん。「私がスタイリストを始めたばかりの頃に、共通の友人に紹介されて以来の仲。知り合ってかれこれ40年近くになります。年下なのにお姉さんもしくはお母さんのような存在で、斗紀ちゃんの心遣いに何度となく癒され、そして甘えてきました。今は同じ年齢の息子を持つ親となり、ときどき会って現状報告をし合っています。センスがよく独自の千里眼を持ち、ものをすっきり片付けたり仕分けたりするのが得意。好きなものしか持たない、使わない印象があるので、どんな暮らしを紹介してくれるのか、私もとても楽しみです」と山下さん。粕谷さんの暮らしは、1月下旬に公開予定です。どうぞお楽しみに。