京都を代表する料亭『瓢亭』の名物・明治元年から続く至福の「朝がゆ」とは?

大の京都好きという川邉サチコさんと美木ちがやさん。好奇心あふれる母娘が感じる“新しい京都”の魅力をお届け。今回は『京都 南禅寺畔 瓢亭 別館』で絶品朝食をいただきます。

PROFILE

川邊サチコ/かわべさちこ

トータルビューティクリエーター。トップメゾンのショーのヘア&メイクとして活躍。一般の人を総合的に美しくするKAWABE LAB主宰。仕事で月に一度、京都に通っていたことも。

美木ちがや/みきちがや

トータルビューティデザイナー。明治時代より美容、理容技術を初めて日本へ広めた家系に生まれ育つ。カメラマン、スタイリストなどマルチに活躍。温故知新の京都に興味津々。

流行から定番へ。景観もごちそうの京の朝ごはん

早起きをして朝ごはんを食べに行く。それが京都のトピックと聞き、老舗料亭の人気の朝ごはんをいただきに足を運びました。

「京都の食の神髄を感じる料亭の朝ごはんは格別です。旬のもの、地のものを上手に取り入れ、目にも美しい。そしていただく空間も素晴らしい」と、感動の様子のサチコさん。

ちがやさんも「喧騒を離れ風に揺れる木々の葉の音を聞き、清流の水面の輝きを見ながら、お店に入る。こんな贅沢な時間はなかなか味わえるものではありません。その道中も含めてごちそうですね」

幼少期を東京の下町、隅田川近くで過ごしたサチコさん。

「丹さんにうかがって子どものころを思い出しました。私が育った近所に柳並木があってね。こういう風情が残っているのも、京都の魅力のひとつですよね」

発案は旦那衆。明治元年から続く至福の朝がゆ

名物の瓢亭玉子、炊き合わせ、椀物など旬の食材と受け継がれる出汁から作られた、別館の朝がゆ(4,840円)。おかゆは頃合いを見計らって炊かれ、葛あんをかけていただきます。

「祇園界隈で夜遊びした京の旦那衆が朝方に来店し、『何か食べさせて』と用意したのが朝がゆの始まりです。それが評判となり、明治元年から店でもお出しするようになりました」と、料理人であり15代目当主の髙橋義弘さん。

「朝がゆは“シンプルに食べやすく”という考えがあります。本来は夏限定で、暑い時季の食欲がないときに熱いものを食べて汗をかいて体を冷ます、胃腸を整える、そういう意味合いも込められています」

京料理を代表する創業450年瓢亭15代目当主髙橋義弘さん。「受け継がれてきた味や瓢亭ならではの雰囲気を大切にしながら、時代の変化も受け入れ新しいものを提供したいです」

京都 南禅寺畔 瓢亭 別館

住:京都市左京区南禅寺草川町35
電:075-771-4116
営:おかゆ/8:00~11:00(L.O.10:00) (朝がゆ3月16日~11月30日、 鶉がゆ12月1日~3月15日) 松花堂弁当/12:00〜16:00(L.O.14:30)
休:木曜日
瓢亭 京都南禅寺畔公式HP
予約:可(受付時間8:00~1600)

丹後半島産などの本当にいい食材にこだわる、活力がわく朝食。

自家栽培米、季節の和え物、特別濃厚卵、丹後のへしこ炭焼きと蒸し野菜など「丹の朝食」2,750円は、1階のオープンキッチンで。

1870年創業の料亭「和久傳」が2016年に開いた「」は、八坂神社から徒歩10分、白川橋のほとりにあります。「丹には『小さな真心』という意味と、丹後半島の自家栽培米をはじめとした『本当にいいものを紹介したい』という思いが込められています」と、和久傳で16年修行を積んだ店長の山手陽介さん。

「朝食は食材に適した火入れなどを心がけ、心身ともに健康で活力になるものを。昼食には定番の牛丼、夜はアラカルトと、一日を通してお待ちしてます」

食後は2階で柳並木を見ながら飲み物を楽しんで。

丹-tan-

住:京都市東山区五軒町106-13
電:075-533-7744
営: 朝食/8:00~、9:00~(2部制)、 昼食/12:00~14:30(L.O.14:00)、 夕食/18:00~22:00(L.O.21:00)
休:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、 月に1回不定休あり
予約:可
丹-tan-公式HP

『クウネル』11月号掲載 写真/加藤新作、取材・文/河田実紀、コーディネート/オブザアイ

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