連続エッセイ⑤占い師・中園ミホさんからのメッセージ 「空亡期に逃げずに取り組んだことへのご褒美は、必ずいただけます」

NHKから朝ドラ『花子とアン』の依頼があった2012年夏。当時私は53歳。年齢的にも体力的にも、きっとこれが最後のチャンス。これを断ったら二度とチャンスは巡ってこないかもしれない。空亡期のど真ん中でした。

私にとって2012年は、12年サイクルで誰にも必ずやってくる、運気が停滞する『空亡期』の始まりの年でした。執筆もまるまるこの2年間の空亡期に重なります。
覚悟して引き受けたものの、つらいことはたくさんありました。
私はもともと夜型の人間で、ふだんは夕方5時ぐらいから仕事にとりかかり、ぐだぐだしながら脚本を書き始めるのは深夜12時頃。そこから一気に集中し、朝5時ぐらいまでがいちばんはかどる時間帯です。
しかし朝ドラは毎日放送されるため、全部で156本もの脚本を書かねばなりません。1日でも休んでしまったら、もう完全に間に合わなくなってしまいます。私はあえて苦手な早起きをし、必死で朝型に変えました。

また、毎日NHKに出向いて、12時間以上の打ち合わせをしていました。局内の食堂に行く時間もなく、廊下にある自動販売機で菓子パンを買ってきて、しのぎました。やっと打ち合わせを終えたら、自宅に戻って脚本の直し。そして新たなストーリーを書き始めるのです。

本当につらくて過酷な日々でした。朝の目覚ましをかけながら、「起きたらま た書かなきゃ」と思うと、眠るのが大好きだった私がベッドに入ることすら憂鬱になりました。大好きなお酒と美味しいものもあきらめ、楽しいことはすべて封じこめなければいけない。そんな生活が2年弱ぐらい続きました。それでも、なんとか踏ん張れたのは、占いで自身の運気を知り「これは、空亡期の宿題なんだから」と自分に言いきかせていたからです。

そして、空亡期に逃げずに宿題に取り組んだことへのご褒美は、すぐ結果に結びつくものではありませんが、必ずいただけます。私の経験では、空亡期を出て3〜4年後くらいに、まわりの景色が変わっていることに気づくのではないでしょうか。

※現在あなたが空亡期であるか否かは、私のHPで知ることができます。

私自身は、朝ドラ『花子とアン』を書きあげたことで、ずいぶんと変われたと思います。それまでは大好きな恋愛ものやお仕事ものばかり書いてきましたが、そのあと、大河ドラマ『西郷どん』の脚本依頼もいただけましたし、苦手なことから逃げ出さず、やり遂げることができたことで自信がつきました。

また、私はひどいあがり症でした。講演会など大勢の前で話すことが本当に苦手だったのです。講演会の前は緊張があまりにもひどく、前日から機嫌が悪くなることもありました。ところが占ってみると、むしろ私は人前で話すことに適性があると出るのです。それでも自分は絶対向いていないとかたくなでした。
それが『花子とアン』の放送後、ありがたいことにいろいろなところから講演のお声がかかるようになりました。「こんな自分でも呼んでくださるんだから、行かなくちゃ」と引き受けるようになり、多い月には、週に1度ぐらいのペースで講演に出かけました。そうするうちに、だんだん苦手意識がクリアできてきたのです。
以前は人前に立つとあれほど心拍数が上がっていたのに、今は具合が悪くならないのです。もちろん緊張はしますが、いろんな人に出会えることで、ずいぶんと世界が広がりました。これも、空亡期の宿題にきちんと取り組んだご褒美だと感じています。

空亡期の苦労は必ず報われます。この時期に、もがき苦しんだ人ほど次の新しい運気、次のステージに上がるときに実力をつけて上がっていきます。占い師の頃にも、そういった人を毎日のように見てきました。
与えられた宿題をやり遂げれば、空亡が明けて年が進むうちに必ず運気は開けていきます。空亡が明けてしばらくたったころ、大きく成長し、次のステージに上った自分に気づくことでしょう。

余談ですが、ドラマの現場では、空亡の時期にハレーションのような不思議なパワーが働くことがあります。これは私の経験から感じたことですが、この時期に脚本を書いたものや、スタッフや俳優さんが空亡ばかりだった作品に、大ヒットと呼ばれるようなドラマが何本もあるのです。
もちろんトラブルはよく起きるのですが、その中で必死にもがいていると、なぜか化けるような番組ができるのです。
空亡の荒れた運気に、チーム一丸となって立ち向かうことで、想像以上の力が出るのかもしれません。

★私の占いは、中国から伝わった四柱推命と気学をベースに開発した独自の数気学です。著書『占いで強運をつかむ』(マガジンハウス刊)では、あなたの12年間の運気の波が調べられますので、ご活用ください。

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