【コウケンテツさんの絶品レシピ】料理家人生の集大成と突き詰めた定番料理「感動ナポリタン」

おなじみ定番料理の作り方をおさらいしませんか? 「おいしい」を追い求める料理の達人が辿りついたレシピ、今回は料理研究家・コウケンテツさんの「感動ナポリタン」をご紹介。

PROFILE

コウウケンテツ/こうけんてつ

料理研究家。旬の素材をいかした家庭料理を提案。2020年3月に開設したYouTube公式チャンネル「Koh Kentetsu Kitchen」は、現在登録者数はなんと174万人超え。『韓国風ラーメン鍋付きレシピBOOK』(扶桑社)など著書多数。

料理家人生の集大成と突き詰めた定番料理

「献立が全然決まらない」「料理するのが面倒」。そんなときに、コウケンテツさんのユーチューブ動画を見ると、「早く料理を作りたい」というヤル気スイッチが入るから不思議です。目からウロコのアイデアがちりばめられていて、力の入れどころと抜きどころが明快。「私でもできそう」と思えるのです。(ちょっとズッコケな、コウさんのチャーミングな一面が見られるのも人気の秘密?)

「取り上げている料理は定番・王道なメニューばかり。料理名を聞いただけで、味が思い浮かぶものですよね。そんな当たり前の料理を、最高においしく、できるだけ簡単に作るにはどうしたらいいか?とものすごく突き詰めました。料理家としての集大成といってもいいかもしれません」

テレビの仕事などで、世界のキッチンや店の厨房を取材した経験がとても生かされているのだといいます。そこで得た知識やテクニックを「家庭でどこまで簡単に、気軽に再現できるのか」が、コウレシピの要なのです。

そんなスタンスになったのは、ここ数年のこと。『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』というエッセイを出したほどで、そういう声を多く聞くようになり、自分自身も「料理がしんどい」と思うようになった経験からです。仕事と並行して、5人家族の料理を作り続ける日々の中で、「限界」を体感したのだそう。「手間暇かけた手料理が最高」と、知らず知らずに誰かを追い詰めていたのではないだろうか?そうして、料理作りに対する考え方は変わりました。「こだわりを詰め込むスタイルではなく、もっと作る人の気持ちが楽になる料理や、考え方を提案したいなと思い至ったのです」

そうして完成したコウさんの定番レシピ。「ここだけを抑えておけば、あとは気楽に」というスタンスで、家庭で最大限の感動が味わえるよう工夫をしています。

大阪・喫茶文化でも定番のナポリタン

僕の故郷・大阪は喫茶店文化の街。ナポリタンもすごくなじみ深いメニューです。太目のパスタを表示時間より1分くらい長く茹でましょう。それにマヨネーズを絡めてしばらく置く。そうすることでコクが出てもっちり仕上がるんですよ。具材にしっかり味をつけるイメージで炒めると、麺と具材の一体感が出るんです。最後にコク出しのバター&粉チーズも必須。悲しいかな、カロリーは高いほどうまいのです。

「感動ナポリタン」の作り方

◎材料(2人分)

スパゲティ160g、玉ねぎ1/2個、ウインナー6本、マヨネーズ大さじ1、塩大さじ1、マッシュルーム2〜3個

(A)ホールトマト1/2缶、トマトケチャップ大さじ3、ウスターソース大さじ1/2、砂糖小さじ1/3

粉チーズ大さじ2、バター10g、サラダ油少々

◎作り方

1.玉ねぎは縦に薄切りにする。ウインナーは斜め薄切りにする。マッシュルームはちぎる。

2.フライパンに1.5ℓの湯を沸かして塩を加えてスパゲティを袋の表示より1分長めに茹で始める。

3.別のフライパンにサラダ油を熱し、ウインナー、玉ねぎ、マッシュルームを炒める。しんなりしたらAを加えて2分ほど煮詰める。

4.スパゲティが茹で上がったらざるに上げてマヨネーズを全体に絡める。3のフライパンに加えて全体を混ぜ合わせる。バター、粉チーズ大さじ1を加えて混ぜる。器に盛り、残りの粉チーズをふる。

中国の料理店で出合った必殺・雲南切り!超薄切りにすると、麺と一体感が出ます。

ホールトマトを入れるとフレッシュ感が。具材は炒めるというより煮込む感覚で。

マヨネーズで麺をコーティングすることで麺がくっつかず、コクも出ます。

『クウネル』2023年7月号掲載
写真/松村隆史、取材・文/鈴木麻子

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『クウネル』No.121掲載

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