昨年までパリから、リアルなフランスレポートを送ってくれていたクウネル・サロンメンバー松永加奈さん。帰国して半年経った今、フランス料理が少し恋しくなってきたのだとか。そんな松永さんが東京で楽しめるフランス料理のお店をご紹介してくださいました。
訪れたのは東京の「リトルフランス」と呼ばれる神楽坂のお店
ぽかぽか陽気に桜の開花、あちこちで見かける「新生活」という文字…。久しぶりの日本の春に、(花粉症であることをのぞけば)心が躍る今日この頃です。そういえば、早いもので帰国して半年。
「日本のごはん」を堪能するあまり、無意識に遠ざかっていたフレンチでしたが、最近「食べたいな」と思うようになり、ときどきフレンチスタイルのビストロやカフェへ行くようになりました。先日訪れたのは、東京の「リトルフランス」と呼ばれる神楽坂の『ベルトラン ラーシェ ル ブルターニュ神楽坂 』。
フランスのブルターニュ地方のお料理やシードルがいただけるこちらのお店は、奥にあるレストランに続き、「カフェ&シードルバー」としてリニューアルしたばかり。店舗である純和風な建物・つゆき荘は、石畳の芸者新道でひときわ味わいを醸し出しています。
ブルターニュの思い出
ブルターニュといえば漁業と酪農が盛んで、フランス国内トップクラスのグルメ地方。シーフードやそば粉、バターなどの乳製品、塩キャラメルが有名です。在パリ中は、主に「牡蠣」と「バター」を目的に、たびたびブルターニュ地方を小旅行しました。
例えば…カンカルでは牡蠣小屋で生牡蠣を買い込み、その場で食べては殻を海岸へばんばん投げ捨てたり(これが名物)、お部屋を借りて漁港で買った牡蠣を調理したり。
日本でも人気のバター「ボルディエ」の本店は同地方のサンマロにあって、店内のバター博物館の見学や量り売りのお買い物、隣接するレストランで食事…というバター尽くしを経験。
曇りがちな天気が多いエリアですが、自然やグルメを求めてバカンス先としても人気です。
ガレットやお魚のスープ、どの料理も大満足のメニュー
さて『ベルトラン ラシェール ル ブルターニュ神楽坂』のメニューにはガレット(そば粉のクレープ)にシードル(しゅわしゅわしたりんごのお酒)、シーフードなどなど、ブルターニュ名物がずらりと並び…うーん、迷う。
というわけで、お店のおすすめをいただくことに(もちろんどれもおすすめですが)。前菜のパテブルトンは、なめらかな食感とハーブをまとったお肉の風味にシードルがよく合います。続いて魚のスープ、スープ・ド・ポワソン。このスープが大好きで、港町やマルシェで瓶入りを買っていた私。
魚介をうまみがぎゅううっと凝縮されたこの味、ああ、やっぱりおいしい…。バゲットにたっぷりバターを付けていただいていると、メインが登場。じゃがいもとお魚(この日はサーモン)をガレットで包んだ、お店のオリジナル。しっとりしたお魚の身とじゃがいもに、ソテーされたキノコという組み合わせはボリューム満点。
シードルが使われた香り高いソースがそば粉の生地にぴったりで、もちろんバゲットにも付けてぱくり。デザートには、りんごのタタンとアイスにキャラメルソースがトッピングされたガレットを。フランスのおいしさを余すところなく堪能して、大満足のランチとなりました。
神楽坂を歩いてみると、風情ある和の光景にフランス文化がなじんでいて、昔からフランス人が多く住むということもありますが、いにしえのあるもの同士は調和するということかなと思います。
これから散策に良い季節(花粉症が終わればさらに)。気になるお店もいろいろあるし、またぶらりと出かけてみようー。
ベルトラン ラーシェ ル ブルターニュ神楽坂
住: 東京都新宿区神楽坂3-3-6
電: 03-5229-3555
【カフェ】
営: 8:00~23:00
休: 年中無休
【レストラン】
営: 11:30~15:00(L.O14:00)、
17:30~23:00(L.O22:00)
休:月、火曜