【2022年マイベストブック】編集者・一田憲子さんの今を見るための教養本とは?

書籍『視点という教養』の表紙

本に囲まれて暮らす読書好きな方々が、今年刊行された書籍の中で最も心に響いたおすすめの1冊をピックアップ。それぞれの作品の魅力を語っていただきました。今の時代を写しとった文芸作品から、生き方や想いに共感した本、学びのための本まで。新たな出合いのきっかけに、ぜひ手にとってみてください。

ふと立ち止まったときに読みたい1冊

書籍『視点という教養』の表紙
視点という教養 世界の見方が変わる7つの対話』深井龍之介、野村高文
学問分野の研究者たちと対話したポッドキャスト『a scope~リベラルアーツで世界を視る目が変わる~』の書籍化。1,760円(イースト・プレス)

深井龍之介さんと野村高文さんがホストとなって、物理学、仏教学、脳科学など、さまざまなジャンルのプロを呼んで話を聞く対談集です。かつては、いい大学を出ていい会社に就職し、結婚して子供を産み、マイホームを買って……と人生のレールに沿って歩けば幸せになれました。でも今は、SNSが発達し、就職しないでもお金を稼ぐことができるし、もしかしたら稼がなくても幸せになれるかもしれない。

いったい何が幸せなのか?その視点は多ければ多い方がいい。視点を獲得するために、あらゆる角度からものごとを見る「教養」が必要になります。〈自分と異質なものに触れ、いろんなものと比べることで、新しい視点が獲得できる〉という深井さんの言葉に深く共感しました。自分の「今」をより大きな目で見ること=メタ認知の大事さを教えてくれる1冊だと思います。

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