【マチュア世代のおしゃれサンプル#05】経験値がある今だからできる、”自分らしい”ライフワーク

キャメルのカーディガンとピンクのつけ襟

前回【マチュア世代のおしゃれサンプル#04】に登場いただいた下村直子さん。今回は、バッグの中身を拝見。さらにご自身で「リメイク」されたアイテムを見せていただき、リメイクをはじめるきっかけ、リタイアされた今やりたいこと、できること、もうすぐ迎える60代に向けて伺いました。


●下村直子さん 58歳 リメイクデザイナー

アパレル業界でデザイン、MD(マーチャンダイジング)、ヴィンテージアクセサリーのバイヤーなど、ファッションに関わる仕事で長年活躍。リタイアされた今もアパレル会社でアルバイト勤務をしながら、「リメイク」をライフワークとして、自分らしいバランスのいい時間を過ごされています。
Instagram:@fringe70_remake


整理整頓。軽量でカラフルなバッグの中身


外出する際は、なるべく歩くようにしている下村さん。程よい大きさのバッグの中身は、必要なものを小分けにまとめ、きちんと整理整頓。ボディバッグやサコッシュを使うことが多いせいか、お財布(中央シルバー)は三つ折りのミニサイズだったり、その他のポーチも軽い素材のものをいつの間にか選んでいたようです。
左上『KiU』のサコッシュは、軽くて、容量もあり、ウォータープルーフなので雨の日にも便利。バッグの中に入れても嵩張らないのでおすすめなんだそう。

広げて見てみると、黄色やみどりなど、意外とポップなカラーを使っていたという新しい発見も。気づかない内にカラーを楽しんでいたようです。

バッグの中身、ポーチが色々並ぶ
小分けにしてポーチにまとめれば、バッグの中身は、すっきり。
黒いイヤフォンとケース
クッションのあるミニバッグは、イヤフォンケースに。カラビナがついて、外付けも可能。
マスク、除菌シート、メモ帳、ペン
両サイドがポケットになっている布素材のブックカバー。メモ帳やペン、マスクや除菌シートを収納するのに丁度いい。
みどりの蝶のイラストがプリントされたエコバッグ
エコバッグ。左/怖?かわいいイラストは、英国のインテリアブランド『Brennan & Burch』。右/カリフォルニア発の人気ブランド 『バグゥ』。
黒のボディバッグ
出かける時は、なるべく歩く。身軽なボディバッグで両手をフリーに。
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環境も自分も変わる
今までどおりには行かない50代


50代に入って、母親の介護や死を経験され、友だちも地元に戻ったり、いつの間にか環境が変わっていきました。2年前からは実家で父親と二人暮らしが始まり、それまでの一人暮らしから、大きく変化していきます。
「体調が悪い時もあったり、これまでとは違って、思うようにならないなと。それは、周りだけじゃなくて、自分もなんだなって」 
元々楽観的な性格ではないそうですが、親友を亡くして時間には限りがあると実感、「悩んでいるだけ時間が勿体ない。ダメだったらやめればいい」と考えを変えることで、楽に生きて行けるようになったそうです。


「リメイク」というライフワーク


両親が服飾の仕事をしていたこともあり、母親が亡くなった後、いい生地の洋服や大量の端切れがでてきたそう。しまって置いては勿体ないと思っていましたが、しばらくそのままに。
ある時、自分の着なくなっていた洋服のサイズ直しをしていると、「作るのが好き」と感じたそう。長年やってきた仕事で、デザインを考えたり、パーツを探すのも好き、母が残した生地もあるし、合わせてやってみようと「リメイク」をライフワークとしていくことに。
新たな居場所を見つけたことで、“自分らしく”に至ったそうです。


捨てたくないをリメイクに


長年お気に入りだった洋服、サイズが合わなくなったり、生地が気に入っていてもシルウェットが今っぽくなかったりetc.そんな洋服を下村さんは、リメイクに活用。
「捨てたくない思い出の洋服ってありますよね、それを解体して再利用したり、サイズが入らなくなったものは、その部分だけ別の生地をプラスしたりしています」。
今回見せていただいたパフスリーブのカーディガン、長年ご自身が着ていたグレーのカーディガンを解体して、袖部分はパターンを引き、母がよく着ていたスカートの生地やそれに合う生地を使ってパッチワークにしました。

女性がリメイクしたカーディガンを着ている上半身
身頃部分は、自身の古いカーディガン。袖は、母の思い出のスカートの生地などでパッチワークに。
サイドからみると膨らみのあるシルウェット。生地の素材や使用面積も違うので角度によって印象が変わる。
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パッチワークのボレロを着た女性
ボレロ(袖だけのスリーブ)は、パターンを引いて、思い出のある生地でパッチワーク。
Tシャツにタックをいれてアレンジ
試作品のTシャツはウエスト部分にタックを入れて、コルセット風にアレンジ。普通のTシャツが一気に変身。
ボレロを羽織った女性のうしろ姿
背中には、肌ざわりのよかったスウェットを使用。袖にボリュームがあるバックスタイルも素敵。
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女性が白いシャツを着ている上半身
シンプルな白シャツをベースに手持ちのレースや端切れ、テーブルセンターでアレンジ。
どんなスタイルにも合わせやすいシャツは、レースのアレンジでオリジナルのスタイリングに。
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これから突入する60代は、もっとバランスよく


アクセサリーのパーツがついた黒いTシャツ
黒いTシャツに大小さまざまなアクセサリーのパーツをバランスよく配置。ロックなスタイリングになりそう。
十字架やボタンなど、一つ一つのパーツもかわいい。
キャメルのカーディガンとピンクのつけ襟
ピンクのつけ襟は、70年代のレースにフリンジをつけて。カーディガンは、ボタンを付け替えて、ポロシャツの襟の生地をポケットに。
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「まだまだやってみたいこと、興味があることが多くて。これまでの経験やスキルをベースに、やりたいことといいバランスを取りながら、進んでいきたいですね。60代になったら、もっとマイペースに過ごせると思います。年をとっていいこともあるし、全部はいいようにはならないでしょうけどね笑」

取材・文/酒井祥子


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