学芸大学の生活雑貨の店『MIGO LABO』の店主であり、フォトグラファーとしても活躍する、クウネル・サロンプレミアムメンバー石黒美穂子さん。前回の長野で「湯活」。『テルマエ・ロマエII』のロケ地・片倉館と、昭和レトロな塩井乃湯に引き続き、長野旅で出会った素敵なお店たちをご紹介します。
長野旅で発見した個性豊かなお店たち
「松本は気になるスポットが多すぎて毎回、時間が足りなってしまいます。」
松本城にも近い六九(ろっく)通りはレトロな建物も多く残る観光ストリートでミナペルホルンの松本店や木工デザイナーの三谷龍二さんのお店『10cm(センチ)』などおしゃれなショップが多いエリア。
そんな六九通りの中でもひときわ目を引く広い間口の『山屋御飴所(やまやおんあめどころ)』は1672年創業の老舗で風格のある店構え。乾燥した気候の松本で美ヶ原などの山々が蓄えた清らかな湧水とお米を原料に飴を作って350年という歴史あるお店です。店頭に並んでいる飴はどれも優しくて素朴な甘さ。添加物など余分なものが入っていない安心して食べられるものばかり。
山屋御飴所の商品はオンラインでも買うことができます。薄くて繊細な〈板あめ〉や昔懐かしい〈白玉飴〉など単品や詰め合わせのバラエティーに富んだ品揃え。またショコラティエと一緒にクラッシュしたキャンディーを混ぜ込んだチョコレートのコラボ商品まであり、伝統的な素材を生かしながら、新しいことに挑むモチベーションの高さに老舗の意気込みを感じます。
●かご好きにはたまらない
『カゴアミドリ 松本』
世界のカゴが一同に揃う『カゴアミドリ』はかご好き女子の間では有名なお店。国立にあるショップではカゴのラインナップの素晴らしさにいつも胸ときめかせていました。この春、『カゴアミドリ 松本』がオープンしたと聞いて、いそいそと向かいました。
松本城からも徒歩5分ほどと松本散策中に立ち寄りやすい場所にあり、店内には世界各国から多種多様なかごが集められていて、まるでカゴのミュージアム。
日本のかごのラインナップも充実していて九州の真竹の盛かご、岡山の収納いかご、秋田のイタヤカエデの弁当かごなど数え切れないほどの種類があり、見飽きることはありません。各産地の生活に合わせたかごは優れた民芸品として価値のある逸品揃い。
また、天然素材のかごは異常気象で材料である竹が取れなくなるなど環境問題とも密接な関係があり、環境問題について考えるイベントを企画しています。7月には企画展『とけゆく氷原のうた-イヌイットの壁かけとホワイトナイト・マーケット-』の開催にあわせ、「気候変動に関する勉強会(要予約)」を開催予定。
生活にかごを取り入れながら、世界中の様々な環境問題を考える場としても貴重なスポットです。
●下北の名パン屋がこんなところに
『アンゼリカ』
散策途中に意外な懐かしい物を見つけました。
松本駅から松本美術館に向かう途中、惜しまれながら閉店してしまった下北沢のパン屋さん『アンゼリカ』を発見!看板に見覚えがあり(あのカレーパンの有名な?!)と思い、お店に飛び込み「もしかして下北沢のアンゼリカさんですか?」と尋ねると「暖簾分けしてもらいました。」と。
店頭には名物のカレーパンやみそぱんが並んでいます。もう食べられないと思っていたパンを再び味わうことができて嬉しかったです。