【月12万円で心ゆたかに暮らす65歳ショコラさんの話③】。12万円の内訳とやりくりのコツ。

ショコラ

マガジンハウスより刊行している『65歳から心ゆたかに暮らすために大切なこと』。65歳の著者・ショコラさんが、パート勤務に年金をプラスして、月12万円の収入でのびやかに暮らす方法を具体的に記したエッセイは、多くの読者の心をつかみ、背中を押しました。そのなかから、特に注目の箇所をほんの少しご紹介してまいります。シリーズの最後には、ショコラさんインタビューも。第3弾は、老後のお金について。

●ここまでの話
①離婚を決意し別居、通い子育ての日々
②コツコツ貯めたお金でマンション購入。

老後にいくら必要か。 世間の情報には耳を貸さない

「老後資金に2千万円必要とか、いや、もっといる」などと、ニュースでも 騒がれていましたが、ほんとうのところはどうなんでしょう。わたしはひとりだし、老後にいくらかかるか、興味はありますが、人は人。ライフスタイルも違えば、健康かどうか、どこに住んでいるかによっても、まったく違うのに、一律で2千万円必要とか。そんなあやふやな情報には耳を貸さないよ うにしています。

わたしはわたし。もちろん老後の備えは必要だと思いますが、わたしの場合は、住む部屋もあるし、住宅ローンなどの借財もない。毎月の生活費は 12万円でやりくりしようと決めているのでとても気持ちがラクなんです。

 いまはパートを週休3日、10 時から16 時の時短で働いているので、毎月の給料は手取り7~8万円ぐらい。そこに企業年金を足して 12万円にはなるので、生活費はまかなえています。

とはいえ、いまは予備費から出している分と、今後病気やケガをしたときのために、まとまったお金が必要になります。わたしの場合、不足分を見積もって毎月2万円× 12か月×20 年とおよそ算出して、正社員時代と退職金の半分を老後資金のために貯金はしていました。

65歳で老齢年金がもらえるようになれば、いまの生活費とほぼ同額になります。そこから計算したら、このままシンプルな生活をつづけている限り、 なんとかやっていけそうです。 すぐにパートを辞めるつもりもないので、そのお給料は、まるまる貯金できるかもしれません。

50代のころから「ねんきん定期便」はがきをチェックしていました。企業年金の支払い通知も毎回届きます。

生活費 12万円の支出は、 2つの財布を使って現金主義で。

57歳でパート勤務を始めたときは、手取り10万円ほど。内訳は水道、光熱費、通信費、マンションの管理費や修繕積立金、固定資産税の月割り分など、 それらを合わせて固定費として5万円。食費1万5千円、そのほか3万5千円と、ざっくりと分けました。この 10万円の生活費はやはりきびしく、赤字 になる月が多かったのですが、3年後に企業年金が入るようになり、また会社が変わったことで、手取り12万円になりました。固定費6万円、食費2万 円、その他4万円にして、やりくりできるようになりました。

 食費2万円のなかには、たとえば友だちと外食したり、息子と食べ歩きに行くときの食事代は入りません。これは「そのほか」の4万円から。同じ外食でも、仕事の帰りに1人でふらりと喫茶店で夕食を食べたときは、食費に計上します。細かなことですが、誰かと一緒に会食したときは楽しい娯楽費 なので「そのほか」で、日々のことは「食費」と線を引いています。 「そのほか」の費用には、外食以外、服を買ったりトイレットペーパーや洗 剤などの消耗品から、化粧品や美容室、季節の切り花など、さまざまな生活 雑費が入ります。

細かなルールのように見えて実はざっくりしていて、やりくりがひと目でわかるように、固定費は引き落としの口座に残し、現金は財布を「食費」用 と、「そのほか」用との2つに分けています。

黒いコンパクトな革財布には、毎月初日に4万円入れておきます。キャメルの財布には同じように初日に2万円入れて、その月のやりくりをスタート。 ふだん持ち歩くのは黒の財布1つで、食費用の財布は家に置いています。

たとえば、駅前のスーパーで食材に2500円使ったとします。家に帰ってから、その使った金額分を食費用の財布から黒財布に移すのです。そうすることで、月半ばぐらいになると、「今月はちょっと使いすぎだな」とか「余裕があるから、ストックできる冷凍食品を買っておこうか」と、自分なりに計画できるのがいいところです。

このやり方で、これまで予算をオーバーしたことはほぼありません。お財布に入れておくと、残りが見えるので、減らしたくないな、と思えるのがいいのでしょう。

月末に財布を確かめて「きびしいな」と思ったら、好きなお菓子を買うのをひかえたり、冷凍庫と冷蔵庫のストックだけで料理したり。毎月だいたい少し余るので、それは翌月に繰り越します。いまはキャッシュレス決済がお得、といわれていますが、わたしには2つのお財布でやりくりするのが、合っています。

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撮影 林ひろし

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