都心とは思えない心地いい風が吹き抜ける家に愛犬とともに暮らす、音楽プロデューサーのかの香織さん。毎日を過ごす部屋の白いインテリアは感情を軽やかに、緑でいっぱいのベランダは気持ちを落ち着けてくれるのだとか。今回はそんなかのさんの、小さな幸せでいっぱいの空間をお気に入りの帽子とともに見せていただきました。
1年分ほど収穫できるオリーブの樹です。
音楽プロデューサー/かの香織さん
かのさんの背よりもすくすく大きく伸びたオリーブの樹が3鉢。「狭い庭でも、都会の中とかでも工夫次第でグリーンを楽しめる。その方法を探すのが楽しいです」
「大好きな先輩がいて、その人、〝福分率〞が大事って言ってたの。人生の残りの時間を福で割って、なるべく福が多くて、ハッピーでいられるように毎日暮らしているって。小さいことでも、ハッピーを見つけることが大事なんだって教えてくれたのです」
かのさんが暮らすのは、白を基調にしたすっきり整ったシンプルなインテリアと、南北両面にあるベランダで元気に育っている緑が印象的な部屋。大きく開いた窓からは都心とは思えない心地いい風が吹き抜けていきます。
「以前に泊まったことがあるアジアの素朴なホテルが白いインテリアで。南イタリアの農家に泊まったときも、白い漆喰壁が素敵でした。黒や茶の重厚感よりも、私の場合、白が感情を軽やかにリリースしてくれるのです」
ベランダには「食べられるか、香りのいい樹木を置くのがモットー」なのだとか。3つの鉢ですくすくと育つオリーブは収穫量も多く、毎年友人を招いて「収穫祭」を開くほど。ローズマリー、月桂樹、ホワイトジャスミン、ユーカリ……庭師の友人の助けを借りながら、お手入れに余念がありません。
仕事ではデジタル環境に身を置くことも多いけれど、この家に帰ったら愛犬と一緒にともかくリラックス。ベランダの植物を眺めているうちに、今は亡き先輩の唱える「福分率」は自然とアップしていくようです。
大好きな麦わら帽子。
かのかおり
音楽家・造り酒屋12代目として、日本酒造りに関わる。東北を拠点に「一般財団法人 オーバーザレインボウ基金」として、心のケア支援、ワンソングプロジェクト活動中。
『ku:nel』2021年7月号掲載
写真 平郡政宏/取材・文 船山直子
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