「つねに恋愛とともにある」という人生を送る女性の結婚、離婚、恋愛のストーリーを伺いました。さまざまなドラマを超えて今思うのは、「一人の時間も大切だけど、やっぱり私には恋が必要」なのだとか。
Sylvie Martin
シルビー・マルタン
パリ郊外で生まれ、育つ。20歳からずっとパリ在住。ファイナンス系の仕事から映像関係のコンサルタントに。25歳の娘と18歳、10歳の息子がいる。50歳。
現在は3人の子供とともに、独身生活を楽しむシルビー・マルタンさん。「私の人生はつねに恋愛とともにあるといってもいいでしょう。でもひとりの時間も必要だと痛感しています。今は友だちや家族に囲まれて幸せ。もちろん、仕事も楽しく、順調です」
シルビーさんは22歳から映像関係のファイナンシャルディレクターやコンサルタントをしており、とても忙しい日々を送っています。そんな彼女が長女を妊娠したのは24歳のとき。
「当時、アルジェリア人の男性とつき合っており、長くは続かなかったんです。でも別れた後、彼の子供を妊娠していることがわかって。子供を授かったことが とてもうれしく、幸い仕事が順調で収入もあったので、ひとりで産んだのです。 私自身、8歳で父と死別していたので、 父親不在の家庭でも子供は育つということは自分自身で証明していましたから」
3人の男性と恋をし、子供も。
出産後、別れた彼にも事情を話し、娘を交えて週に一度は交流を持ち、学費の一部を負担してもらったり、とても良好な関係を築けたのは幸せなことでした。その後30歳のとき、旅先で知り合ったオランダ人の男性と恋に落ちました。「彼はルーマニアに住んでいたインター ナショナルのコンサルタント。お互いフランスとルーマニアに会いに行き、どこか別の国で落ち合ってデートをしたり、 とてもロマンティックな関係でした」。
その後、シルビーさんの妊娠がわかり、 彼はパリに拠点を移し、自宅を購入しました。娘にも優しく、理想のパートナーとなったのです。
「男の子がふたり産まれ、素敵な家族になれました。でも彼の身内に立て続けに不幸が起き、彼のメンタルが崩れてしまったんです」。仕事が疎かになり、次第に鬱病のような症状になったパートナー。それでも8年間は経済的に、精神的にも支え、仕事をしながら3人の子供を育てたのです。「仕事もせず、ネガティブな発言ばかり繰り返す彼に、知らず知らず冷たい態度を取ってしまったり、軽蔑に近い気持ちを抱くようになってしまったんです」
そんなとき、新たなビジネスパートナ ーとなったキューバ人の男性に、心のよりどころを求めてしまいました。「白人で物静かだったオランダ人の彼とは対照的に、黒人で情熱的な男性。彼の明るさに夢中になった私は、元のパートナーに別れを告げたんです」。幸い、オランダ人の彼は精神面を持ち直し、仕事に復帰した矢先。タイミングがよかったせいか、関係を悪くすることなく、シルビーさんと子供たちが家に残る形で別れが成立しました。
「当時は恋に夢中でわからなかったけど、 今思うと下の息子はともかく、上の息子は彼に懐いていませんでした。あの頃は、子育てはしていたものの、子供の気持ちより、自分を優先していたのかもしれませんね。だからなのか、キューバ人の彼とは半年ほどで別れ、今はひとりです。 寂しいという気持ちはとくにありません。 かといって、恋愛に懲りてもいません(笑)。恋はずっとしていくつもり。でき れば次は同じフランス人のパートナーが理想。人生の最後の瞬間を、ひとりで過ごしたいとは思っていませんから」
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『ku:nel』2016年7月号掲載
撮影 篠あゆみ/コーディネート 石坂のり子/取材・文 今井 恵