【フランスマダムの離婚物語】二度目の結婚も積極的!「新しい彼が私のフェミニンな側面を引き出してくれた」

パスカル・ランドさん

年上の彼との離婚を経験し、出会ったのは正反対の男性。二度の結婚を経て、1人の女性として相手と対等な関係性を築くこと、自分らしく生きることの大切さを知った彼女から、若者たちに向けたメッセージをお聞きしました。

Pascale Landot

パスカル・ランドット

パリ出身。アタッシェ ド プレスとして30年のキャリア。22歳で事実婚した男性とは35歳で別離。間に20歳と18歳の息子がいる。現在の夫とは昨年結婚。

アタッシェ ド プレスとして、ファッション業界で30年のキャリアを持つパスカル・ランドさん。「子供たちの父親となる男性と知り合ったのは22歳のとき。テレビ関係の仕事をしていた8歳年上の人。彼といるととても安心できたんです。人生初の大恋愛で、 結局13年間共に暮らし、ふたりの息子が生まれました」。 パスカルさんと夫は事実婚。年齢差があったせいか、彼女は甘やかされ、子供のように扱われる関係だったそうです。「自分が成長するにつれ、その関係に違和感を持ち、ずれが生じたんです。最後は『君のことを愛していない』の言葉にとどめを刺され、別れることにしました」。まだ幼かった息子たちには、ふたりで考えてきちんと話をしました。「『すごく愛し合ってあなたたちが生まれて幸せだったの。でも今はお互いを愛せないので別れることにした』」と説明しました。

その後1週間は私の家、次の1週間は夫の家と交代で育てたんですが、その1週間ごとの子供がいる、いないの生活がとても新鮮でした。でも別れてすぐなのに、彼の部屋の窓に、子供たちと夫、 そして女性の姿を見てしまったんです」。つまり彼には別れる前からつき合っている女性がいた模様。そう考えると、別れの言葉にも納得です。「新しい女性の存在は複雑でしたが、子供たちに『パパとママが元に戻るかも?』と淡い期待を抱かせずに済んだのは、結果的によかったと思っています」。金銭的にも裕福な男性だったので、養育費も十分に受け取ることができ、別れても不自由は感じなかったパスカルさん。その後別の恋愛を経て、現在の夫となる男性と知り合ったのです。

再婚した夫は、前の夫と正反対

「 新しい彼は20年ほど前に会ったことがあるフォトグラファーでした。ある晩、友人宅のディナーに招かれ、同じく彼も招かれた客のひとりでした。私は彼に、以前一度会ったことがあると話しましたが、彼の方はおぼえていなかったんです」。その後、彼が出かけていたバカンス先まで電話をかけ、パスカルさんから積極的にアプローチ。最初は恋愛に尻込みしていた彼ですが、友だち関係から始まり、少しずつ距離が縮まっていきました。

「前のパートナーは優しいお父さんのような人でしたが、彼はどんなことも包み隠さずはっきり言う人。まったく正反対。でも彼は『キレイだ』と言ってくれて、 私に女らしさを思い出させ、フェミニンな側面を引き出してくれました」。そしてちょうど1年前に結婚。「50歳の誕生日に親友カップルとイビサ島の小さなレストランで食事をしていたところ、彼がサプライズで指輪を出してひざまずいてプロポーズ! 感激のあまり、思わず泣いてしまいました」。現在の夫は子供たちに対して〝義理の父〞というよりひとりの人間として、向き合い接します。その適度な距離感のせいか、お互いの関係はとても良好。

「人生は一度しかないから、守りに入ってしまうとチャンスがつかめません。若い世代の子たちは、相手に求める条件が多すぎます。それより自分の人生を自分らしく生きる。それが大切だと思うんです」

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『ku:nel』2016年7月号掲載
撮影 篠あゆみ/コーディネート 石坂のり子/取材・文 今井 恵

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