【フランスマダムの離婚物語】「いつかシングルの女友達と同居生活を」。離婚で増えた人生の選択肢。

Emilienne Moreno

無責任な夫に失望し、他の男性との恋愛に逃げた20年。離婚後は年下の男性と数々の出会いを経験しましたが、彼女が彼らとの将来を考えることはありませんでした。今はシングルの女友だちと楽しく過ごし、将来を模索中とのこと。

Emilienne Moreno

エミリエン・モレノ

南仏モンペリエ出身。25 歳で経済ジャー ナリストの男性と結婚し、34歳で出産。 45歳で離婚し、今はひとり。60歳。

25歳で結婚した同業者の夫。南仏からパリに出てきたばかりのエミリエン・モレノさんは、友だちを通じて彼と知り合い、すぐに恋に落ちてしまいました。 「お互いに強く惹かれてすぐに結婚しました。最初は自分たちをすごい相性のよいカップルだと思っていました。でも9年後に子供が生まれてから、少しずつお互いの関係が変わってきて、溝ができてしまいました」。 恋をしていたときは魅力的だと感じた、 彼の少年のような部分が、父親としてはまるでティーンエージャー。つまり無責任と感じるようになってしまったのです。

「気持ちが離れるにつれ、喧嘩も増え、私の目も他の男性に行くようになってしまいました。彼を裏切るようなことはなかったけど、他の男性の方が魅力的に映るようになってしまいました。一種の現実逃避だったのかもしれません。結局、 彼とは20年間一緒にいたんですが、最後に別れを告げたのは私の方からでした」

私から別れを告げ、夫は憤慨。

夫は別れを告げられたことを納得できず、離婚のための連絡は娘を介し、エミリエンさんと直接言葉を交わすことはありませんでした。「離婚後は近所に住み、娘が元夫の家と私の家を行ったり来たり。娘が初めて彼の家に泊まって、ひとりで夜を迎えたときは、不安と寂しさで泣き明かしました。でも少しずつ慣れてくると、まるで刑務所から出たような自由を感じたんです。結婚していたときは、どこに行くにもカップルで。そんなときは、自分という“個〞が存在しない感覚でしたから」。元夫とは関係が悪くなったとはいえ、娘のことに関してはお互いに責任を果たし、学費などを折半して育て上げました。

「離婚のあと、何度も恋愛関係になった男性はいましたが、すべて年下。中には20歳下の人もいました。でも将来を考えるようなことは起きませんでした。楽しいひと時を過ごしても、それ以上を期待しないクセがついたかもしれません」エミリエンさんは現在60歳。同世代の男性と恋をしたいと望んでも、彼らが惹かれるのは、若い女性ばかり。同世代ではなかなかいい相手が見つかりません。「別れた夫が再婚相手に選んだのも20も年下の女性ですからね。パリはシングルの女性が多い街だから、友だち同士集まって、若い頃のように女子会をしたり、 楽しく過ごしています。パートナーがいないこともあまり気になりません」幸いなことにエミリエンさんは結婚後、 出産後も仕事を続けており、それなりのキャリアと収入を得ています。「仕事のおかげで経済的にすごく困ることはなかった。女性が自立しているのは、とても大切なことだと思います」 将来どうなるかは確約できないけれど、今のエミリエンさんの頭の中に、再び結婚するという考えはないようです。

「シングルの女友だちと、もう少し年を取ったらみんなで一緒に住もうかなどと話しています。もしくはパリ以外のどこか、南仏やイタリアのトスカーナ地方など、いろいろ巡りながら過ごすのも素敵かなと。27歳の娘が今年学生生活を終えるので、それから決める予定。今の時代、60 歳といってもまだまだ現役。周りの同世代は、毎晩、お酒を飲んで騒いだり、元気にしていますから」

『ku:nel』2016年7月号掲載
撮影 篠あゆみ/コーディネート 石坂のり子/取材・文 今井 恵

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