【あの人の世界が展開する本棚 】吉川美代子さんの少女時代からの精鋭が整列する選書

あの人の本 棚を見たい!と思う人たちの自宅やアトリエを取 材しました。みなさん本が大好きで、それぞれにスタイルが確固としていて壮観! 本と向き合う豊かさを噛みしめられます。

吉川美代子/よしかわみよこ

キャスター・アナウンサー・京都産業大学客員教授

TBSを定年退職後、テレビや講演会で活躍するほか、大学で教鞭もとる。読書好き、映画好きが高じて『週刊新潮』で書評「あの映画この原作」を連載中。生きものをこよなく愛し、ラッコ研究家や愛猫家の顔ももつ。

理想を叶えた環境に三千近くの精鋭が整列

リビングに続くクランクのようなエリアが書斎。そのスペースを本棚がL字に囲む。

少女時代から三島由紀夫や松本清張、水上勉などの文学に親しんできた吉川美代子さん。壁一面に造り付けた本棚には、学生時代に出合った世界文学全集や『純文学書下ろし特別作品』などシリーズものも並びます。

「読み始めると止まらない骨太な本が好きです。なかでも深い人物造形や壮大な世界観に引き込まれる、海外文学が多いですね。翻訳で読後感が異なるので、新訳は手持ちの旧訳と読み比べることも。読んだ本が何年か後に映画化されることもよくあって、面白い本に呼ばれている気がします」

面白い本にはよばれる気がして

大好きな英作家ジョン・ル・カレの作品がずらり。2011年公開の映画『裏切りのサーカス』の原作も映画化決定前に読了。

サイズごとに作家・ジャンル別に整頓した本棚にはもはや一分の隙もなく、毎年末の大掃除では50、60冊を古書店に持ち込むそう。現在の蔵書は三千冊近くにのぼりますが、どれも手元に置いておきたい精鋭ばかりです。

写真集や美術書には、アートの横が定位置

本棚は回廊のような間取りのマンション一角に位置。ル・コルビュジエや動物のアートなど和みグッズもそこかしこに

仕事で必要な本はすぐ手に取れるように平積み。「ラインナップがすばらしい」新潮クレスト・ブックスもかなりの冊数。

「ここへ引っ越してきたときも、段ボール箱に詰めた本を徹夜で一気に並べ終えたほど、本棚は私にとってなくてはならないもの。今は週刊誌で映画の原作本を読み解くコラムを連載しているのですが、執筆する時、蔵書だけでも資料としてすぐに役立ってくれます。まさに理想の本棚といえますね」

『クウネル』2023年1月号掲載
写真/徳永 彩、取材・文 /間中美希子

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『クウネル』No.118掲載

私の人生を変えた本

  • 発売日 : 2022年11月18日
  • 価格 : 980円(税込) (税込)

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