2022年12月2日(金)~7日(水)に開催された結城アンナさんのイラスト展。大盛況だった展示初日の様子をご紹介するとともに、「描くこと」への想いについて語っていただきました。自分時間を楽しむためのヒントが詰まったインタビューをお届けします。
結城アンナ/ゆうきあんな
1955年、スウェーデン生まれ。10代からモデルとして活躍。夫は俳優・岩城滉一氏。60歳を迎え芸能活動を再開。自身の著書やSNSで心地よいライフスタイルやファッションを発信。そのシンプルで自然体な暮らし方は世代を超えて支持されている。現在は雑誌のカバーモデルなど多方面で活躍中。著書『Anna’s Cookbook 季節の食卓』(主婦と生活社)。
Instagram:@ayukihouseも人気。
初のイラスト展開催のきっかけ
ずっとやってみたいことの一つとして、漠然と夢見ていたというイラスト展の開催。「夫の紹介で、今回の会場となるギャラリー・ラ・リューシュのオーナーと知り合うことになり、場所を借りられることになりました。ギャラリーのある麻布十番は、私が東京に来て初めて住んだ場所ということもあり、不思議な縁を感じたのも、開催に踏み切ったきっかけです」
開催期間がクリスマスシーズン中ということもあり、今回のギャラリーに向けてもリースやエンジェルなどクリスマスに関連した新作も多数展示されていました。
秘訣1:うまくいかない時は、一度離れてみる
展示開催に向けて8月頃から準備してきたという結城アンナさんですが、常に思い通りに描けてきたわけではないんだとか。
「もやもやしている時や怒っている時はもちろん描く気になりません。基本的には自分が楽しいと思う時や穏やかになった瞬間に絵と向き合おうと思うことが多いです。
ずっと同じ絵と対峙していると、考えが煮詰まって筆が進まないこともあるので、しっくりこない時は一度時間を置いてみるようにしています。朝起きると、昨夜はいいと思わなかったのに、あれ、意外といいかも?と感じることも多くて。
紙への滲み方や乾いた後の色の感じが変わるという物理的な変化もあるけれど、一度新鮮な気持ちで絵を見直すことで、目線が変化するというのも大きいと思います。」
秘訣2:過程を楽しむことが大事
結城アンナさんのように、新しいことを始めるのに億劫にならずに楽しむにはどうしたらいいんでしょうか?
「新しいレシピで料理してみるとか、身の回りの小さなことでも何かしらの変化に対応できると嬉しいですよね。その喜びを得るために自分から変化を起こしてみる。その繰り返しです。
結果にとらわれずに過程が楽しいと思えるようになれば、新しく何かを始めるハードルはグンと低くなるはず。」
秘訣3:自分が幸せにならなきゃ、周りを幸せにできない
楽しむことに引け目を感じたり、自分のために時間を使うことが何かと苦手なマチュア世代へ、結城アンナさんからこんなアドバイスが。
「私たちの世代って、頑張ること、努力することが当たり前で、時には自分が我慢することが必要だと思っている人たちも多い。でも、我慢したり落ち込んでいる姿を、家族や周りの人が見ていて楽しくないでしょう?我慢が原因でストレスになったり、病気になってしまったらかえって周りも不幸にさせてしまう。
周りを幸せにするためには、まず自分が幸せになること。生まれたからにはやっぱり楽しまなきゃ。私が神様だったら、せっかくあなたに人生あげたんだから、自分のために時間を使わなくちゃ勿体無い!って叱っちゃうかも(笑)」
自分のために楽しむ時間を作るきっかけになれたら嬉しい
最後に、結城アンナさんがイラストを通じて伝えたい想いを語ってくれました。
「私の絵は上手じゃないものもたくさんあります。だけど見てほしいのは、楽しんで好きなようにやったというプロセス。一生懸命やることって無駄じゃない。自分が挑戦したということには変わりないのだから、自信を持ってなんでもやっていいと思うんです。
私はこれからも、絵を描くことを続けるつもりです。自分のための時間を思い切り楽しみながら、見てくれた人にもエネルギーを共有したい。作品を見て『私も何か始めてみようかな』と一歩を踏み出すきっかけになったら嬉しいです。」
写真・編集/久保田千晴