パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISの主宰・荻野雅代さんと桜井道子さんおふたりが、毎月交替でフランスから日々の暮らしをご紹介。第10回目は桜井さんがフランスのパリジャン&パリジェンヌの優雅な街での過ごし方をレポート。
家に帰る前にセーヌ川でちょっと一息
爽やかな晴れの日が続くパリの6月は、何かと理由をつけては外で過ごしたくなる季節です。日もどんどん長くなって、夜の10時ごろまで明るいので、仕事が終わってもまっすぐ家に帰りたくない気分。そんな日の夕方、アペロを楽しむ人たちでひしめいているカフェのテラス席を横目に、私が向かうのはセーヌ川です。
同じセーヌ川でも場所によって見える風景がまったく異なり、それぞれの良さがありますが、一番のお気に入りは、左岸のモンテベロ港のあたり。ちょうどシテ島とサン・ルイ島の間にあり、シテ島の先っぽと、その奥にそびえるノートル・ダム大聖堂の後ろ姿、目の前にはサン・ルイ島の美しい建物が見えます。その眺めの良さはもちろんなのですが、川と空がつながってどこまでも広がっていくような解放感が何よりも最高です。
生まれ育った京都の鴨川、フランスで初めて暮らした町トゥールに流れるロワール川、そして気がついたら20年以上を過ごしているパリのセーヌ川と、思えばいつも、川が流れる町に縁があるようです。時間があると、訳もなくセーヌ川を眺めに行こう、と思ってしまうのはそのせいでしょうか。
とはいえ、そう思うのはもちろん私だけではなく、パリジャン、パリジェンヌたちも同じのようで、どんなに寒くても暑くても、とにかく天気さえ良ければセーヌ川沿いに人が惹き寄せられます。ピクニックやアペロをしたり、読書をしたり、音楽を演奏したり、はたまた水着で寝そべって日焼けをしたり、まるで自分の庭のように思い思いに過ごせる場所なのです。
\穏やかな時間流れるリュクサンブール公園/
写真・文/桜井道子
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