フランス在住のトリコロル・パリのフランス通信。パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISを主宰する荻野雅代さんと桜井道子さんおふたりが、毎月交替でフランスから日々の暮らしを紹介してくれます。第3回目は、荻野雅代さんが担当。日本では「子どものもの」というイメージのアドヴェベント・カレンダーが、大人にも人気なのだそうです!
クリスマスのお楽しみ、アドヴェント・カレンダー
今年も残すところあとひと月になりました。広場にはマルシェ・ド・ノエルが立ち、どのお店もプレゼントを探す人たちでにぎわうこの時期は、いつもよりぐんと華やかで幸せな雰囲気が漂います。冬の夜空にぼんやりとにじむイルミネーションの灯りも本当に美しいものです。
さて、この季節のいちばんのお楽しみといえば、やっぱりクリスマス!…ですが、その前に、アドヴェント・カレンダーという、もうひとつのお楽しみがあります。12月1日〜24日(または25日)までの日付が記された窓付きカレンダーで、1日ごとにチョコレートやキャンディといったプレゼントが隠されています。日本でもおなじみになりつつあるので、ご存知の方も多いでしょう。元々は、クリスマスが待ち切れない子供たちのために、お菓子やおもちゃのメーカーが工夫を凝らしたカレンダーを売るのが一般的でしたが、ここ10年ほどで大人向けのものが増え、今ではありとあらゆるジャンルのものが毎年たくさん発売されています。
高級ショコラやコスメなども…
チョコはチョコでも、高級ショコラティエの宝石のようなボンボン・ショコラや、上質な紅茶、焼き菓子、コスメやスキンケアのブランドも大定番。ミニボトルのワインやリキュール、色んな種類のチーズが入ったものもあり、今まででは考えられなかった、変わり種のカレンダーも続々と登場しています。ちなみに、私が今年買ったのは、ジャムのブランド「ラ・シャンブル・オ・コンフィチュール」とスキンケアのセレクトショップ「オー・マイ・クリーム」の2つ。紅茶の「クスミティー」は家族からのプレゼントです。普段自分では買わないようなフレーバーやアイテムが、お試しサイズでアソートされているので、まるで福袋のようなワクワクとおトク感があるのがいいですね。フランスにはお歳暮の習慣はありませんが、アドヴェント・カレンダーはちょっとした贈り物にぴったりな気がします。
昔と変わらず手作りする人も多く、大切な人のことを思いながら、1日ずつ小さなサプライズを準備するのも素敵ですね。寒い朝、ベッドから出る勇気をくれるアドヴェント・カレンダー。1年のご褒美にいかがですか?
写真・文/荻野雅代