「いつか行きたい」南仏バカンスの景色をシェア。カンヌで気ままに過ごした幸せな10日間

tricolor paris cannes

新しく〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーに加入となったトリコロル・パリ。荻野雅代さんと桜井道子さんおふたりのユニットで、パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISを主宰しています。最新ニュースやカルチャー、旅行・観光情報をはじめ、さまざまな情報を発信し、フランス好きさんから絶大な支持を得ています。そんなおふたりが、毎月交替でフランスから日々の暮らしを紹介してくれます。第一回目は、荻野雅代さんが担当。フランス人が一年のうちで最も楽しみにしているという夏のバカンスについて。

フランスでは9月に新年度を迎え、まもなく1ヶ月が経とうとしています。閑散としていた街はバカンス明けの人々で活気付き、すっかり日常のリズムを取り戻しています。今年も、コロナと共に過ごす夏となってしまいましたが、昨年に比べ、長期の夏休みに出かける人が多かった印象です。今夏から、レストランやカフェでの飲食、TGVや飛行機などの利用には、衛生パスポート(ワクチン接種完了証明/72時間以内の陰性証明/罹患済み証明のいずれか)の提示が新たに義務付けられ、反対デモはあるものの、大多数の人がバカンスを心置きなく満喫すべく、パス取得の選択をしたようです。

昨年は地元で夏を過ごした私も、今年は海と太陽を求めて、南仏のカンヌへと出かけました。今回のバカンスのテーマは、時間を気にせず過ごすこと。しっかりと予定を立てて観光地を巡るのも楽しいですが、なーんにもしないバカンスも、たまには良いものです。

ビーチに沿ってホテルやお店、レストランが並ぶカンヌは、いつでもふらっと海に立ち寄れる気軽さが魅力。

思い思いの格好でビーチにのんびりと寝そべる人々。カラフルなパラソルが目にも鮮やか。

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私が訪れた8月中旬は、最高気温が32度前後の快晴続きで、「暑いけれど心地良い」というカラッとしたお天気。好きな時間に起きてのんびり朝ごはんを食べたら、歩いてビーチへ。午前中はまだ人がまばらで、潜らなくても足元に泳ぐ小魚が見えるほど、海水が透き通っていました。砂浜では、みんな自由気ままに過ごしていて、誰がどんな格好をしていようと構わない。その無頓着さがとても気楽で、心からリラックスできるのです。ひと泳ぎしたあとは、道路沿いの売店でクレープやゴーフルを頬張るのがお決まりのコースで、ほぼ毎日通った結果、売店のムッシューと顔見知りになりました。

市場に並ぶ3種類のズッキーニ。くねくね曲がった品種はトランペットという名前の南仏ヴァール県の特産品。

毎日7時半〜13時半までオープンしている、カンヌ旧市街にあるマルシェ・フォールヴィル。野菜、果物、肉、魚介類、チーズ他、新鮮な食材がなんでも揃う。

1955年、映画『素直な悪女』の撮影中にバルドーがいたく気に入り、タルト・トロペジエンヌ(サントロぺ風タルト)と名付けたお菓子。

本場イタリアから毎朝届けられる生乳と、南仏の完熟フルーツを使ったジェラート。街には色んなジェラート屋さんがあり、思わず立ち寄ってしまう。

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おいしいものもたくさん食べました。マルシェに並ぶカラフルな野菜と果物は、太陽を燦々と浴びて栄養がギュッと詰まったような濃厚な味わい。お隣のイタリアから届く食材も豊富で、二カ国のイイとこ取りをしている気分になります。午後にはジェラートや南仏の郷土菓子で甘味を補給。ブリオッシュにクレーム・パティシエールを挟んだタルト・トロペジエンヌは、あのブリジット・バルドーが名付け親として知られるこの地方ならではのお菓子です。

街の至るところにある、だまし絵の壁画アートもカンヌの見どころ。その多くが映画にまつわるもので、写真はジャック・タチ演じるユロ伯父さんへのオマージュ。

文庫本、手帳、ポケット版ボードゲームは私のバカンスの必需品。今年は新たに、電子書籍も加わりました。

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夕方、涼みがてら散歩をして、夜は読書をしながら眠りに落ちる。今、こうして書いてみても、なんて贅沢で幸せなルーティーンだったのかと、恋しくなります。カンヌの太陽でチャージしてきたエネルギーを胸に、また新しい1年を走り抜こうと、気合いを入れ直す今日この頃です。 (荻野雅代)

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