秋きのこの発酵レシピ3選。チーズのコク、塩麹できのこの香りとうまみがさらにアップ!【料理連載Vol.3】

内山ゆきさん 料理連載

ありふれた食材で調理法もシンプルなのに、「野菜ってこんなにおいしかったっけ!?」と新鮮さと驚きを与えてくれる内山ゆきさんの料理。この連載では、旬の食材と発酵の力を取り入れたレシピをメインに、素材の選び方、体にいい組み合わせ、料理をおいしくする調理のコツなどをお届けします。今回は秋のきのこと発酵の力を組み合わせたおしゃれなレシピ3選です!

PROFILE

内山ゆきさん

内山ゆき/うちやま・ゆき

料理家

東京・外苑前のレストラン「iRo(イロ)」を主宰。食にまつわるプロデュースを手がけるほか、料理教室も人気。懐石料理の教室を開いていた母の影響で食物学、発酵、植物を学び、料理に関わること約50年。旬の食材にこだわり、素材のうまみを引き出す料理は食通の間でもファンが多い。

秋がやってくると、 きのこが食べたくなります!

きのこは1年を通して手に入る身近な食材ですが、その香りや旨みをじっくり味わいたくなるのは、やはり秋の頃。焼いたきのこの香ばしさや、湯気の向こうに広がる豊かな風味は、秋の食卓によく似合います。

きのこは、種類によって香りも歯触りもさまざま。手で割いたり、少し干したり、しっかり焼きつけたり。ほんの少し扱い方を変えるだけで、それぞれの持ち味がぐっと引き立ちます。

内山ゆきさん 料理連載

今回は、生のマッシュルームと旬の柿を使ったシンプルなサラダ、きのこペーストを使ったワンプレートメニューと簡単アレンジおつまみの3品をご紹介。チーズや塩麹といった発酵の力も取り入れることで、秋のきのこがよりおいしく楽しめます!

レシピ1:「生マッシュルームと柿のシンプルサラダ」

わが家の定番、生マッシュルームのサラダ。今回は、同じ秋の果物、柿と合わせます。味の決め手はパルミジャーノ・レッジャーノ。チーズも乳酸菌や酵素の働きによって熟成し、うまみや香りを深めてくれる発酵食品です。熟成が進んだチーズほどアミノ酸由来のうまみが豊かになり、きのこの風味にコクと余韻を添えてくれます。

内山ゆきさん 料理連載 マッシュルームと柿のサラダ

マッシュルームはフルーツとの相性も抜群。とてもシンプルですが、フレッシュな香りと歯触りが楽しめる一皿です。

内山ゆきさん 料理連載 マッシュルームと柿のサラダ

【材料(2〜3人分)】
ホワイトマッシュルーム…5個
柿…1/2個
パルミジャーノ・レッジャーノ…適量
塩…ひとつまみ
黒こしょう…少々
オリーブオイル…大さじ1
白ワインビネガー…大さじ1

【作り方】

1_マッシュルームと柿を2~3ミリの薄さにカットしてお皿に並べる。

内山ゆきさん 料理連載 マッシュルームと柿のサラダ

2_塩、こしょうをふり、オリーブオイルとビネガーをまわしかけて最後にすりおろしたチーズをたっぷりかけて出来上がり。

内山ゆきさん

\Point/
サラダには、鮮度のよい栽培マッシュルームを使います。マッシュルーム以外のきのこは生で食べられないので、必ず加熱して使いましょう。白ワインビネガーは米酢でもOK。オリーブオイルと混ぜずにそれぞれかけてください。

レシピ2:「きのこペースト添え鶏肉のソテー」

2品目は、数種類のきのこペーストを使ったワンプレートメニュー。きのこペーストは、肉や魚のソースとしてはもちろん、お米にもよく合います。

鶏肉のソテーの味付けは発酵調味料の塩麹で。発酵調味料はきのこともとても相性のよい組み合わせで、きのこの香りと旨みを引き立て、料理に豊かな奥行きを与えてくれます。塩麹は市販のものでもOKですが、簡単に手作りできるので、ぜひ作ってみてください。※塩麹の作り方は後半でご紹介しています

内山ゆきさん 料理連載 きのこペースト鶏肉のワンプレート

複数のきのこをペーストにした香り高いソースでいただくワンプレート。

内山ゆきさん 料理連載 きのこペースト鶏肉のワンプレート

【材料(2人分)】

きのこペースト
エリンギ、しめじ、まいたけ、しいたけ、タモギタケ…400g
(きのこは好みの種類でOK)
玉ねぎ…1/4個
にんにく…1片
イタリアンパセリ…2〜3本

オリーブオイル…大さじ1
白ワイン…50cc
塩…小さじ1/2
こしょう…少々

鶏肉のソテー
鶏むね肉…1枚

塩麹…大さじ1
オリーブオイル…大さじ1

【きのこペーストの作り方】

 1_きのこは石づきを取り除き、玉ねぎとにんにくはみじん切りに。イタリアンパセリは葉と軸の部分をわけておく。

内山ゆきさん 料理連載 きのこペースト鶏肉のワンプレート

パセリの軸も捨てずに炒め物などに活用しましょう。

2_にんにく、玉ねぎをオリーブオイルで炒め、イタリアンパセリの軸を加えてさらに炒める。玉ねぎが透き通るくらいになればOK。

内山ゆきさん 料理連載 きのこペースト鶏肉のワンプレート

3_きのこを加え、きのこに火が通るまで2分ほど炒め、白ワインを回しかける。塩、こしょうで味を調える。

内山ゆきさん 料理連載 きのこペースト鶏肉のワンプレート

4_3をフードプロセッサーにかけてペースト状にする。なめらかに仕上げたい、食感を残したいなど、仕上がりはお好みで調整を。

内山ゆきさん

\Point/
いろいろな種類のきのこを混ぜると味に深みが増しますが、1種類でもおいしくできます。冷蔵庫なら2〜3日、冷凍庫なら2週間くらい日持ちします。フードプロセッサーにかける前のソテーは、付け合わせとしてワンプレートに添えています。ペーストとの食感の違いも楽しめますよ。

【鶏肉のソテーの作り方】

 1_鶏肉は7〜8ミリのそぎ切りにする。

内山ゆきさん 料理連載 きのこペースト鶏肉のワンプレート

 2_塩麹を鶏肉に揉み込み、オリーブオイルで軽く焦げ目がつくくらいにサッと焼く。

 3_お皿にきのこペーストを敷き、ごはんとソテーを盛り付け、イタリアンパセリの葉を散らせばワンプレートの完成!

内山ゆきさん

\Point/
鶏肉は塩麹で味付けしてありますが、味見をして、足りないようであれば塩、こしょうを足してください。むね肉は塩麹で揉み込むことでしっとり仕上がりますが、パサつきやすいので火を通しすぎないのがコツ。ごはんは玄米、赤米、もち麦をミックスしました。雑穀もきのこペーストによく合います! ソースは下に敷いて肉や魚を盛り付けるとおしゃれに。

レシピ3:「きのこといちじくのタルティーヌ」

3品目はきのこペーストを使ったアレンジおつまみです。パンに塗って、カットした旬のいちじくをのせ、仕上げにオリーブオイルとバルサミコ酢、お好みのハーブを散らせば、おしゃれなタルティーヌに!

内山ゆきさん 料理連載 タルティーヌ

さっと作れて、おもてなしにもぴったり!

内山ゆきさん

\Point/
きのこペーストは余っても和洋に使える万能ソース。魚のソースや野菜スティックのディップにしてもいいし、お米とも相性がいいので、卵かけご飯にも合うと思います!

きのこは、切り方によって食感や味のなじみ方が変わります。

手で割く…断面が不規則になるため味が絡みやすく、食感にも変化が生まれます。
薄く切る…火が均一に入りやすく、繊細な口当たりに仕上がります。
大きく切る…水分が残りやすく、きのこらしい弾力と存在感を楽しめます。

石づきも、すべて捨てる必要はありません。硬く乾いた根元だけを薄く切り落とし、しいたけやマッシュルームの軸は、薄切りやみじん切りにして料理に使います。秋のきのこをたくさん楽しんでください!

手作り調味料レシピ_塩麹の作り方

塩麹には、麹菌がつくり出す酵素が含まれています。酵素の働きによって、食材のたんぱく質はアミノ酸へ、でんぷんは糖へと分解され、うまみやほのかな甘みが生まれます。そのため、塩だけで味付けするよりも塩味がやわらかく感じられ、味わいに丸みと奥行きが加わります。発酵の力を借りれば、調味料をたくさん加えなくても、素材の持ち味を生かした深みのある一皿に。簡単に手作りできるので、ぜひお試しください。

内山ゆきさん 料理連載 手作り塩麹

【材料(作りやすい分量)】

米麹…200g
塩…85g
熱めのぬるま湯(50〜60℃程度)…300mL

内山ゆきさん 料理連載 手作り塩麹

【作り方】

1_ボウルの中で米麹と塩を両手で擦り合わせながら混ぜ、ぬるま湯を注いでよく混ぜる。

内山ゆきさん 料理連載 手作り塩麹

2_ふわりとラップをかぶせて、1日1回軽く混ぜる。米麹の粒が容易につぶれるくらいになってとろみがついたら出来上がり。室温だと夏は5日ほど、冬は10日ほどで完成。

内山ゆきさん

\Point/
麹菌が呼吸できるようにラップはふわりとかけて密閉しないようにするのがポイント。塩分濃度が低いと傷みやすいので分量は守ってください。保存場所は直射日光が当たらないところで、27℃くらいがベストです。夏にエアコンを切る場合は必ず冷蔵庫へ入れましょう。よほどのことがない限り腐ることはありませんが、腐敗臭がしたり、青カビや黒カビが生えていたら食べないように注意してください。また、過発酵すると酸味が出るので、完成したら冷蔵庫で保存し、3カ月で使い切りましょう。

写真/Mio Moriyama

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