飛田和緖さんの”半仕込み”料理がスゴイ!ひと手間で作れる「塩にんじん&鶏もも肉のオイル漬け」【後編】
人気料理家・飛田和緒さんが常備菜まで作りこまない〝半仕込み〟を提案。その半仕込みによる絶品レシピをぜひ食卓に取り入れてみてください。料理のコツ“半仕込み”とは?【前編】、半仕込みの絶品レシピ【中編】も公開中!
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PROFILE
飛田和緖/ひだかずを
料理家。東京都生まれ。高校3年間を長野で過ごす。現在は神奈川県の海辺の町で夫と暮らす。日々の生活から生まれる、素材を生かしたシンプルな料理に定評がある。近著は『おいしい朝の記憶』(扶桑社)Instagram:@hida_kazuo
自分で食べたいものだけを作る、シンプルな食生活に
「これからは自分で食べたいものだけを作ればいいので、ますますシンプルな食生活になりそうです」
せん切りは、切るのも食べるのも大好きだという飛田さん。にんじんを包丁で斜め薄切りにして、端からリズミカルにきれいなせん切りに。それを塩と一緒にポリ袋へ。
「ポリ袋漬けは簡単でとても合理的。空気を抜いて口を閉じれば圧がかかって塩が浸透するので、少量の塩でちょうどよく漬かります。にんじんから出る水分も調味料として使いたいので」と、ポリ袋の中に地元産の柑橘を果汁ごと加えてシャカシャカシャカ。にんじんと柑橘のサラダのできあがりです。これなら洗い物が少なくて済むのもうれしい。
「塩にんじんを作っておくと、あれこれ使えて本当に便利です。彩りがいいので一品あるだけで華やかになり、気持ちも上がります」
そして「もうあまりお肉を買わなくなるかもしれないけれど」と言いつつも、時々はメインになる鶏肉をオイルに漬けておくこともあるそう。
「余分な脂や水分をとる。このひと手間で鶏肉がグンとおいしくなります。茹でただけで最高のだしが出るので、メインだけでなくスープも同時にできて一石二鳥。半仕込みは、未来の自分を助けてくれます」
水分も調味料に「塩にんじん」
「塩にんじん」レシピ
◎材料(作りやすい分量)
にんじん2本(約300g)、塩にんじんの重量の1%
◎作り方
2.にんじんは皮をむき、根元のほうから斜め薄切りにしてせん切りにする。
2.ポリ袋にを入れて塩を加え、軽く振ってから空気を抜いて口を結ぶ。
※冷蔵庫で3~4日保存可能。
アレンジレシピ「にんじんと柑橘のサラダ」
◎材料(2人分)
塩にんじん1/2量、オレンジやグレープフルーツなど好みの柑橘1個
◎作り方
1.柑橘は皮をむいて果肉を取り出し、薄皮に残った果汁の絞り汁とともに塩にんじんに加えて和え、10分ほどおいて味をなじませる。
※塩にんじんはしぼらず、にんじんから出た水気も調味料とする。
◎その他のアレンジ
・そのままオリーブオイルと和える。
・粉山椒とごま油とあえてサラダに。
・サンドイッチや春巻き、スープの具に。
・白和えに。
くさみも出ずしっとり「鶏もも肉のオイル漬け」
「鶏もも肉のオイル漬け」の作り方
◎材料(作りやすい分量)
鶏もも肉2枚、塩少々、油適量
◎作り方は以下の画像をご覧ください
*冷蔵庫に余裕がない場合はポリ袋でOK。冷蔵庫で3~4日保存可能。
アレンジレシピ「鶏スープ」&「茹で鶏の中華ソース」
「鶏スープ」の作り方
◎材料(2人分)
茹で鶏のスープ2カップ、黒こしょう適量
A:きゅうり(せん切り)1/2本、えのきだけ(石づきを切り落としてさく)2/1パック、きくらげ(せん切り)2枚、魚醤小さじ1
◎作り方
1.茹で鶏のスープを沸かし、Aを入れる。
2.具に火が通ったら魚醤を加えて黒こしょうをひき、器に盛る。
「茹で鶏の中華ソース」の作り方
◎材料(2人分)
鶏もも肉のオイル漬け2枚、水2と1/2カップ
A:ピーマン(みじん切り) 1個、みょうが(みじん切り)1個、しょうが(みじん切り)1片分 、しょうゆ大さじ1、黒酢大さじ1、ごま油大さじ1、白いりごま大さじ1、砂糖小さじ1
◎作り方
1.フライパンに鶏もも肉のオイル漬けを入れ、ひたひたに水を注いで中火にかける。
2.ふつふつしてきたらアクをとって裏返す。5分ほど茹でてアクをとり、火を止める。蓋をしてそのまま置く。
3.Aの材料を混ぜ合わせ、中華ソースを作る。
4.2の粗熱がとれたら食べやすい大きさに切って皿に盛り、3のソースをかける。
◎その他のアレンジ
・せいろで蒸し鶏に。
・焼いてチキンソテーに。
飛田和緒さんのシリーズ記事はこちら
『クウネル』2023年7月号掲載
写真/加藤新作、取材・文/和田紀子、編集/黒澤弥生
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『クウネル』No.121掲載
料理好きな人のいつものごはん
- 発売日 : 2023年5月19日
- 価格 : 980円 (税込)