【日々の暮らしに役立つ本】高 由貴子さん「食材や料理で元気になる本」

『聞き書シリーズ』表紙

1冊の本から知識が広がり、日常生活がさらに充実できることも。 食や健康、お金のことなど、毎日の暮らしに役立っているというおすすめの本を、それぞれの分野に詳しい人や読書好きな人たちに聞きました。



入門編から専門書まで自分のレベルに合った本を

「実用書は通読ではなく、その都度、一番知りたいことを、ぽちぽちとつまみ読みするような感じですね」と話す、 和菓子ジャーナリストの高 由貴子さん。 紙の本の良さは、まずは信頼がおけること、そして体系的に知識が得られるところにあると言います。

『聞き書シリーズ』表紙
日本の食生活全集(2) 聞き書 青森の食事
『日本の食生活全集(3) 聞き書 岩手の食事』
日本の食生活全集(4) 聞き書 宮城の食事
『日本の食生活全集(47) 聞き書 沖縄の食事』

「日本の食生活全集」 編集委員会 「大震災のボランティアで東北に行った際に、珍しい郷土料理に出会って興味が湧き、まずは宮城編を購入。土地ごとの食文化について多岐にわたって聞き書きをしていて面白いです」。各3,850円(農山漁村文化協会)

私は“食”に興味があるので、実用書も食の関連が多くなりますが、例えば和菓子なら材料、道具、その使い方と総じた形で見せてもらえるのがいいですね。そして書物は何より文章が面白い。『聞き書シリーズ』なんてあまりにも面白いので、つい4冊も購入してしまいました。削ぎ落としていないカウンター部分にも魅力を感じます」

『手作り食品』表紙
『家庭の味 手作り食品 ー健康は安全な食べものからー』 東城百合子  「25年ほど前に購入し、今も読み返しています。食材の瓶詰め保存など添加物を使わない調理法は、時短や減塩、見栄え重視の今どきレシピとは真逆ですが、その手間が旬の実りを実感させてくれます」。1,540円(あなたと健康社)
『上菓子 「岬屋」主人のやさしく教える和菓子のきほん』 表紙
『上菓子 「岬屋」主人のやさしく教える和菓子のきほん』 渡邊好樹  「格調高い茶席菓子の作り手として知られる店主が、特別な材料や道具を使わない和菓子づくりの基本をわかりやすく指南。各パートの応用編も見どころで、煉切だけが上生菓子じゃない!と気づかされます」。1,650円(世界文化社)
『13歳からのキリスト教』表紙
『13歳からのキリスト教』佐藤 優  「キリスト教に関しては塩野七生さんの『チェーザレ・ボルジア…』のような本が好きで、教えにはそれほど興味を持てなかったのですが、この本で他宗教との共通点もわかり、食わず嫌いが治りました」。1,089円(青春出版社)
『あんころろん』表紙
高さんが監修した 『あんころろん』 (内田春菊:著)は、 恋とあんこが交錯する新感覚和菓子漫画。高さんは作中にユキタカコとして登場。1,100円(ぶんか社)
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また、「あまり興味が持てないけれど、ちょっと知りたい」という分野に関しては、あえてジュニア向けの実用書を読むのだそう。「宗教や哲学って難しい印象がありますが、ジュニア向けならちょっと時間があるときに気軽に読めるので、入門書としてはすごくいいと思います」。気軽な入門書からマニアックな専門分野まで。実用書は自分のレベルを見極めて選ぶのもポイントかもしれません。

『クウネル』2023年1月号掲載

取材・文/井出千昌、編集/黒澤弥生

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