【広瀬裕子さん、57歳からのシルバーヘア計画13】60代間近、手に入れた新しい価値観

エッセイストの広瀬裕子さんは57歳になり、ヘアカラーをやめ、シルバーヘアにしてみようと思ったそう。その過程をクウネル・サロンで寄稿してくださいます。

2022年7月からスタートした【広瀬裕子さん、57歳からのシルバーヘア計画】連載。2年近い移行期を経て、そろそろひと区切りを迎えます。完了前に、これまでを振り返っていただきました。特別インタビューのYouTube「各アイテム5枚以内!ミニマムなクローゼット」も一緒にお楽しみください。

50代は、自分の体に関する選択が増えるころ?

この春、50代最後の年齢になる。50歳になったときは、60歳はずいぶん先のことに見えていたけれど、いま思うとあっという間だった。いつの年齢もその歳その歳の選択がある。そのなかでも50代は、自分の体に関する検討と選択が増える気がする。

わたしが髪のカラーリングをやめたのもそんな選択のひとつだ。

2022年6月の写真。カラーリングをやめて2か月ほど。動きを出すと軽やかに見えると教えてもらい、毛先をカールすることも。

きっかけは、白くしたほうが楽しそう

以前は、60代になったら「髪の色をどうするか考えよう」と、思っていた。けれど、現実には、50代半ばに「シルバーヘアにしよう」と決めた。カラーの周期が短くなったことだけが、シルバーヘアーにしようと思った理由ではない。なんとなく──白くしたほうが楽しそう──そんな気がしたのだ。

楽しい気がしたのは確信があったわけではなく、ただ「楽しくなる方法」が何かあるはずなので、それを見つければいいというものだった。その「楽しくなる方法」を、わたし(たち)は、あまり知らず、また、共有できる場も少ないため、髪の色が変わることをネガティブに捉えてしまう傾向にある。でも「楽しくなる方法」が実際にあり、選択もでき、シルバーヘアに移行する過程も結果も快ければ、わたし(たち)は、新しい価値観を手にできる。スタートのときからいまも、そのことを考えている。

シルバーヘアへの変化の過程で、「苦手」だと思っていた帽子がしっくりくるようになった。

プロの力を借りて、どんどん楽しく、軽やかに

シルバーヘアにするときに選んだのは「髪を伸ばす」こと。いま、髪は、肩下まであります。長いですね。カラーリングが残っている毛先の部分は、5、6センチ。朝、鏡を見ると、笑ってしまうくらい「こわい」です。でも、長くすることで、ヘアスタイルの選択が増えるので、わたしは伸ばしてよかったと思っている。

「楽しくなる方法」は、ひとりで見つけるのはむずかしく、やはり(何度も書いていますが)受け入れてくれるサロンの方の存在が大きい。髪をカットし、ブローしたあと、スタイリングをしてくれたり、アドバイスをしてくれるのは、手間も時間もかかる。それをしてくださる方がいるからこそ、現実に「楽しくなる方法」になっていくのだ。ヘアコーム、ヘアスプレー、ヘアゴム、ヘアピン、ヘアオイル、ヘアワックス、ヘアアイロン。この2年で、いただいたり、教えてもらい手にしたものがいくつもある。あると助けてくれるもの、プロならではの使い方、おすすめなどは「楽しくなる方法」をより現実にしてくれる。

夏の楽しみを見つけた2023年の夏。浴衣にはやはりアップスタイルで。

もうすぐ59歳。これから次々と訪れる課題(肌や体型、その他色々)に対しても「楽しくなる方法」を見つけていきたい。何より、シルバーヘアへの移行が終わったあとの「白い髪のわたし」を楽しみたい。

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この記事の
プレミアムメンバー

広瀬裕子

執筆のかたわら、50歳から空間設計の仕事をはじめ、現在は設計事務所の共同代表としてホテルや店舗、レストランなどのディレクション、フードアドバイス等にも携わる。著書に『55歳 おとなのまん中』(PHP研究所)など多数。
Instagram:@yukohirose19

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