ミュージアム、”伝説”の京大学生寮エリア、名喫茶店……読むと訪れたくなること必至!「京都岡崎 蔦屋書店」が選ぶ【京都本】
京都の書店が選ぶ、旅をより深めるとっておきの本。『京都岡崎 蔦屋書店』アートコンシェルジュ田辺真弓さんにセレクトいただき、お話を伺いました。
歩いて、観て、感じたい、 好奇心を高める京都旅のおともに。
選書してくれた人
アートコンシェルジュ
田辺真弓さん
アート担当。学生時代に京都へ移住し、2016年から勤務。現在の趣味はバード・ウォッチング。「店の屋根にツバメの巣があって、赤ちゃんたちが巣から落ちないように工夫しスタッフみんなで見守っています」
『京都ミュージアム探訪』は、市内のあらゆる文化施設が網羅されたものです。衝撃を受けた一冊の『京大吉田寮』。最後の秘境と呼びたくなる学生寮、吉田寮のドキュメントで、昔ながらの京都の学生の生活がダイレクトに伝わってきます。昔のまま今も続く学生の街、京都がこの本から想像できると思います。ずっと続いてほしいし、京都らしい学生の自治の文化も想像してもらえるのでは。
『京都ミュージアム探訪』
京都新聞出版センター
京都市内の博物館や美術館をはじめ、宝物館、資料館、企業ミュージアムまで網羅。「現代美術から、歴史ある工芸まで京都のアートを体験されたいかたにはぜひともおすすめです」。京都新聞出版センター
『京大吉田寮』
写真:平林克己
文:宮西建礼、岡田裕子
1913年竣工、日本最古の学生寮の今を捉えた写真によるドキュメント。「歴史の積み重ねがあり、それが発酵したような学生たちの生活の雰囲気を随所に感じる、とても貴重な記録の書です」。草思社
『京都・六曜社三代記 喫茶の一族』は、名物喫茶の歴史が描かれています。京都の喫茶文化を代表するお店の成り立ちをうかがい知ることができます。有名店とはいえ家族の話で、プライベートなことでもあるので、本来は人知れず消えていく話。それを、京都のひとつの家族のストーリーとして残されたことが貴重。読んで「六曜社」にぜひ行ってほしいですね。
また、京都で暮らす作家のエッセイ『京都で考えた』もおすすめです。
『京都・六曜社三代記 喫茶の一族』
樺山聡
「三条河原町の京都を代表する喫茶店が親、子、孫に受け継がれていく模様を描いた興味深いファミリー・ヒストリー」。京都新聞での短期連載をまとめ、大幅に加筆された一冊。京阪神エルマガジン社
『京都で考えた』
吉田篤弘
「京都の出版社ミシマ社の創業10周年記念企画として刊行された京都在住の作家によるエッセイです」。著者が『イノダコーヒ』などに立ち寄り、街を起点とした思索を綴る。2017年刊行。ミシマ社
森見登美彦の『有頂天家族』も、個人的ですが学生時代にハマった作品です。下鴨神社に暮らす狸の兄弟による小説で、実際の地名や五山の送り火などの行事も出てくるのでリアリティがある。これを読んでから下鴨神社に行くと、きっと狸を探してしまうはず。
旅の途中で、今も続く京都で暮らす人の歴史と文化をこれらの本で感じてもらえたら嬉しいです。
SHOP DATA
京都岡崎 蔦屋書店
住 : 京都市左京区岡崎最勝寺町13 ロームシアター京都パークプラザ1階
営 : 10:00~20:00
休 : 無休
平安神宮近くのロームシアター京都の敷地内。アートギャラリーを併設。
HP
『クウネル』2026年9月号掲載
取材・文/中村悠介、編集/河田実紀
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『クウネル』NO.140掲載
旅を深める本76冊と歩く、京都。
- 発売日 : 2026年7月17日
- 価格 : 1,080円 (税込)