「大垣書店 京都本店」が選ぶ【京都本】自然や歴史、暮らしぶりを深く知る7冊。
京都の書店が選ぶ、旅をより深めるとっておきの本。『大垣書店 京都本店』店長 ・金田匡平さんにセレクトいただき、お話を伺いました。
自然、歴史、そして思索。 京都暮らしの妄想を楽しんで。
選書してくれた人
店長 金田匡平さん
本社勤務を経て、2024年から京都本店店長に。「観光のかたにはもちろん、一方で町の本屋さんとして、地元のかたに愛され続ける店」を目指す。趣味は植物鑑賞。現在、ビカクシダ(コウモリラン)を育成中。
京都の自然環境や歴史、それに一時期でも京都に住んでいたかたがどんな暮らしをされていたのか、どんな考えを持っていたのかが伝わってくる本を選ばせてもらいました。
青春時代を京都で過ごした作家、梶井基次郎の小説には、街の息づかいを感じるところが多くあります。
『梶井基次郎全集』
梶井基次郎
「梶井基次郎で京都、といえば寺町通りなどが登場する作品『檸檬』。そちらも収録されていますのでぜひ」。『ある心の風景』では鴨川の描写も。習作や遺稿までを収録した文庫版全集。筑摩書房
あらゆる都は水運がキーになり、京都がどう形成されたのかが書かれた『扇状地の都:京都をつくった山・川・土』。地球規模で環境や歴史を学べます。
『扇状地の都:京都をつくった山・川・土』
藤岡換太郎 原田憲一
京都の成り立ちを、地球科学の見地から読み解く。「京都がどのように形成されてきたのか?地球スケールで環境や歴史を知ることができます。ブラタモリ的な街歩きの楽しみも感じられます」。小さ子社
両生類研究の第一人者が著者の『日本産サンショウウオ図譜』は、京都の街中でも、オオサンショウウオをはじめ、多種の生き物がいることを知ることができます。
『日本産サンショウウオ図譜』
松井正文
「北大路魯山人が実食したことでも知られるオオサンショウウオ。鴨川で発見されたり、京都水族館でも見られます。生き物から知る京都もあるはず」。京大の理学博士によるサンショウウオを網羅した図譜。技術評論社
『怪談和尚の京都怪奇譚 積徳の旅篇』
三木大雲
蓮久寺の住職による人気怪談シリーズ。「京都の和尚さんの怪談ですので、ただ怖いだけでなく、道徳的であり、身につまされるような、現代にも通じる説話にもなっているところが特徴だと思います」。文藝春秋
他にも、稲垣足穂の『ヰタ・マキニカリス 21世紀タルホスコープ』も推薦したい。ユニバーサルなことを抽象的に語る作家ですが、関西出身のおっちゃん的なところもあり、親しみが持てます。晩年、彼が暮らしたのは桃山御陵辺り、足穂が過ごした公園などに訪れるのもいいでしょう。
『東西書肆街考(とうざいしょしがいこう)』は東西の出版の街を比較した本。京都が本の街として今も続いている理由がよく分かります。京大で教鞭を執られていた田中美知太郎のエッセイ集『読書と思索』は、時代的には昔の文章ではあるもののするする読めてしまう。
今回選んだ本は、もし京都に移住するならどこに住もうかな、など旅の途中で妄想が楽しめるものです。
SHOP DATA
大垣書店 京都本店
住 : 京都市下京区四条通室町東入函谷鉾町78 SUINA室町1階
営 : 10:00~22:00
休 : 不定休
京都本コーナーや京都にちなんだグッズ、お土産も取り揃える総合書店。
HP
『クウネル』2026年9月号掲載
取材・文/中村悠介、編集/河田実紀
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『クウネル』NO.140掲載
旅を深める本76冊と歩く、京都。
- 発売日 : 2026年7月17日
- 価格 : 1,080円 (税込)