元Hanako、Hanakoママ編集長の片岡延江さん。25年間勤めた会社を退職し、築古家屋を購入しDIY再生中。知識や経験不足もあり、問題は次から次に勃発……。「いばらの道」を進むことになりますが、ある板金屋さんとの出会いで築古再生意欲に火をつけられたのだとか。大家日記シリーズ第6回になります。
元Hanako編集長の大家日記 一号物件編
vol1:会社辞めて家買って、DIYリノベの大家さんをしています。
vol2:荒れ果てた部屋や庭木をみて唖然、残置物の処分で苦戦しました。
vol3:人気物件だと思っていたのに!?入札してから明るみに出てきた真実。
vol4:持主とやっと連絡が取れた。実は「成年後見人制度」が関わる物件ということが明らかに!
vol.5:50代「何かを始めたい」と大ジャンプして人生更新中。
地場の職人さんを探しまくる
業者の方を探すときに手っ取り早いのはやはりネット検索です。とはいえ、以前のカギ交換での苦い経験を生かさないとです。エリア名と「屋根修理」「雨漏り」などの検索ワードを入れながら「誠実さ」を感じるところをピックアップしていきました。市役所が配る情報冊子の広告欄にも目を通します、地場の意欲のある人に出会えそうです。職人さんはアナログな方が多いので、商工会リストやタウンページも見ていきました。住所がわかれば、ストリートビューで店構えも確認できます。
そんな中、「板金屋の伊藤さん」に目をつけたのは、ホームページに家族の写真が載っていた事でした。それもかわいい娘さん入りです。施工例の数々も信頼できそうで、商工会メンバーにも載っていました。HPの問い合わせからやりとりを始め、状況を説明し、現場を見てもらうことに。遅めの午後、現場帰りということで道具をたくさん積んだ車から、伊藤さんはニッカ―ズボンをはいて現れました。角刈りで背丈は180センチほど、結構コワモテです。大工さんも一緒に連れてきてくれました。仕事柄今まで何人もの方と名刺交換してきましたが、緊張しました。
大工さんと家の状態をあちこち確認
早速、家の内外のチェックです、伊藤さんははしごで屋根に上がったり、大工さんと天井や点検口を覗いたりと大忙しです。「板金屋さん」とはなかなか聞きなれない言葉かもしれませんが、建築での「板金屋さん」とは屋根を中心に扱う職人さんのこと。雨樋や、外壁のサイディングを貼る仕事も板金屋さんの専門です。雨漏りはもとより、白アリや耐震のことなど、心配ごとをさんざん投げていたので、そのあたりを大工さんとチェックしてくれるようでした。
伊藤さんは寡黙に仕事を終え、大工さんと言葉を交わした後、「家は大丈夫そう、しっかりしてる」と言ってくれ、安心しました。しかし、「おおよそどのくらいかかりそうですか?」と聞くと、「そりゃ、いっぱいもらわないと直らないね」とニヤリ。まさかの悪徳業者か...私が思わず黙ってしまうと、すかさず、「下手に金額は出せないから見積もり出しますよ」と言ってくれました。
大工さんは自身の軽トラで帰り、私は、伊藤さんの車で駅まで。そして、出身はもともとの広島であること、父親の代から板金屋さんであることなどを聞きました、ホームページに載っていた娘さんの写真のことを言うと「あの時は小さかったけど、もう大きくなっちゃってイヤがってるんだよね」と。その後、雨漏り部分をブルーシートで仮養生してくれました。 誠実ないい人に思え、この時点で屋根修理をお願いする第一候補になったのでした。
→次回は1/14の公開予定。
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◎【女ひとりで家を建てる①前編】自分のために7軒もの家を建てた女性の家づくりの記録。
◎ 【女ひとりで家を建てる①後編】海のそばに住む夢を実現すべく家を建てたものの……。
◎ 【女ひとりで家を建てる②・前編】自分の家を7軒も建てるまで色々ありました。
◎【女ひとりで家を建てる②後編】3軒目の家を建てたとき、家づくりの会社が始動。
◎【女ひとりで家を建てる③前編】人生バブル期、4軒目に建てた家は箱根の別荘。
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