【住まいと暮らしvol.008】フランス田舎暮らしで見つけた、人生の第2ステージ/角田雪子さん

住まいと暮らしvol.8 角田雪子さん

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。山根恵理子さん(前回はこちらより)のバトンを受けてご登場いただくのは、フランスの田舎に暮らす、「TSUNODA PARIS」のデザイナー角田雪子さんです。

雪子さん・暮らしのルール

住まいと暮らし 角田雪子

1)野生の草花を飾り、四季の移り変わりの美しさを感じる。
2)環境にできるだけ配慮した買い方、捨て方を考える。
3)野菜や穀物、豆類を中心とした食生活にする。

結婚を機にフランスに移り、在仏35年になるという雪子さん。パートナーとともに自身のブランド「TSUNODA PARIS」を立ち上げ、今年で25周年。この10月よりセミリタイアして、田舎暮らしをベースに週に何日かをパリで暮らす生活に。人生の第2ステージをどう後悔しないで過ごすか、検討中なのだとか。
「忙しくしていた毎日から開放され、心に余裕ができ、ゆっくり自分の心と向き合うことができるのをうれしく感じています。人生の後半になり、心身ともに健やかに過ごせるよう、住まいを整えること、心の状態を整えることが大切になってきました。穏やかでいられるよう、心のバージョンアップができたらと思っています」
田舎での暮らしは自然の草花が豊か。できるだけ花を買わずに、自然のものを家に飾って楽しんでいるという雪子さん。専門書を読むようになり、植物に昔から優れた働きがあることを知って、料理や薬用酒、コスメなどを作るようになったのだそう。
また週1回の食料の買い出しでは、できる限りプラスチック包装は避ける、洗剤は紙箱に入った粉石けんにする、台所洗剤は容器を持って行って中身だけ買えるところで買うように。リサイクルの癖がつくと、工夫ができて楽しいのだといいます。
「自然を健康維持に使ったり、恩恵をいただいていると、この自然環境を守っていかねばという気持ちになります。美しい暮らしとは何かと考えたとき、ただ生活周りを美しく飾ることだけでなく、生活のあり方、行動の仕方が環境に配慮した心がけができているか、日々考えています」


角田雪子
自宅の中にあるオフィス。「家具はすべて、50年代前後のヴィンテージ。家で仕事をするときに使っています」
角田雪子
玄関を入ってすぐ左のコーナー。「古い机のペンキをわざと剥がして、キャンドル型の照明器具を置いてます」
角田雪子
花瓶の代わりにコレクションしている、古い薬瓶や香水の瓶、調味料入れ。「特に窓がたくさんあって家具が置けないサロンは、代わりに花を多く飾るようにしています」
角田雪子
2000年も前から薬用植物として食されていたという、イラクサのスープ。「ビタミン、ミネラル、カルシウム、鉄分が豊富で、造血作用やアレルギー性鼻炎の緩和、更年期の関節に良いと書いてあったので、じゃがいも、にんじん、ネギと混ぜて漢方スープを作りました」
角田雪子
イラクサを混ぜて作ったケーキ。「小麦粉の代わりにそば粉を混ぜて、グルテンフリーにしました。軽く仕上げた漢方的なケーキです」
角田雪子
デトックス作用があるという野草の実は、よくジャムにしているという雪子さん。「ビタミン、ミネラルが豊富。自分でジャムを作ると砂糖の加減ができるのも嬉しいです」
角田雪子
オオバコのクリームは、オオバコをオリーブ油に漬けて1ヶ月置いた後、蜜蝋と混ぜてクリーム状にしたもの。虫刺されや傷口の治療に効果的なのだそう。
角田雪子
薬草を使って作った薬用酒。「イラクサとオオバコの葉の2種類の葉を1ヶ月アルコールにつけました。薬草アルコールとして、毎日数滴飲みものに混ぜて飲むと、風邪の予防にも良いと聞き、作りました」
角田雪子
オリーブ油にシトロン、ミント、ラベンダー、ビタミンEなどのエッセンシャルを混ぜた蚊よけスプレー。「ケミカルなものが入ってないので、赤ちゃんにも安心して使えます」
角田雪子
サロンにある暖房。「庭にある倒木を利用して、冬はこのおかげで暖をとることができます」
角田雪子
晩秋になると、秋色の枯れ草を探して飾り、季節を感じているという雪子さん。「もう落ちる寸前の、燃え盛るような野草とかぼちゃや柿、梨と合わせて晩秋を楽しんでいます」
角田雪子
家の周りの枯れ草を集めて作ったというリース。「冬は花が咲いてないので、枯れ草を集めて楽しんでます」
角田雪子
雪子さんが一番好きな場所だというお風呂場。「窓がたくさんあり、明るい光が入る場所。たくさんのプラントをおいて、ジャングル風呂のようにして楽しんでいます」
角田雪子
2階に上がる階段の途中にも、たくさんのプラントを置いているそう。「窓から入る光が、グリーンを通して部屋をフレッシュにしてくれます」
角田雪子
1階の踊り場の様子。「古い洋服屋さんのエッチングの絵を飾り、左はこの土地の60年代にあった洋服屋さんの箱を飾っています」
角田雪子
庭で母猫の育児放棄にあって鳴いていた子猫を引き取って、今や大切な家族の一員になった、愛猫のクロ。「猫の面倒を見てくれているお隣さんにプレゼントしようと思い、コレクションの生地のストックで猫のクッションを作り、勢いで猫の兄弟も作りました」
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リレーは雪子さんで一旦終了となり、次回からまた新しくリレー連載がスタートします。12月中旬の公開日をどうぞお楽しみに!

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