暮らしで役立つ薬膳メソッド。梅雨の時期も健やかに。おすすめの食材と食事のポイントは?

国際中医専門員、ライフアンドファッションスタイリスト®︎として活躍するやくぜんもとこさん。薬膳を気軽に楽しめるようにと、日々さまざまな提案をしています。安定しない天候が続き、体調を崩しがちな梅雨におすすめの食材や食事のポイントを教えていただきました。

梅雨は高い湿度で、気血の巡りが滞ってしまう

「梅雨は湿度の高さが特徴。適度な湿度は身体を潤してくれますが、雨の日が続き湿度が高すぎると体にさまざまな影響を及ぼす邪気、中医学でいう〈湿邪〉となってしまいます

梅雨時期の平均湿度はなんと70〜80%に。5月から急激に高くなります。

「消化機能全般のことを〈脾(ひ)〉と言います。梅雨は脾の働きが盛んになる時期なのですが、湿を嫌う性質を持っています。せっかく脾が活発になっても、湿の影響を受けて働きが低下してしまうことも不調の大きな原因。このため、〈お腹の張り、胃もたれ〉〈身体の重だるさ、むくみ〉〈下痢〉などの症状が多くみられます。これらは湿が身体の中の気血の巡りを停滞させるために起きるので、気血の巡りを良くし、余分な湿を身体の外に速やかに排泄する食材を毎日の食事に取り入れることが大切です」

では、一体どんな食材がおすすめなのでしょうか?

梅雨時期におすすめの食材とその効果

1.辛味の食材で発汗させて、湿を体外に排泄させる
→しょうが、ネギ、三つ葉、パクチー、大葉、ミョウガ

2.苦味のある食材で、余分な湿を排泄する
→寒涼性で苦味の食材…セロリ、緑茶、きゅうり、豆腐、しじみ、はまぐり
→平・温性で苦味の食材…うど、みかんの皮

3.利尿作用で、湿の排泄を促す
→とうもろこし、はと麦、冬瓜、小豆、大豆、黒豆、空豆、白魚、鱧、蛤

4.温性で香りがある食材で、湿を排泄する
→大葉、パクチー、さくらんぼ、うど、カルダモン、度数40度以上のお酒

5.脾の働きを助ける
→米、かぼちゃ、隠元、長芋、じゃが芋、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、干し椎茸、鶏肉、牛肉、鰻、鰯、鱈、鱸(すずき)、鰹、鯖、蜂蜜、なつめ

「身体から湿を排泄する効果のある食べ物が効果的。出来れば、蒸したり煮るなど消化の良い調理をメインに、夏に美味しい揚げ物は消化に負担がかかるので食べすぎは禁物です。意識して取り入れて、不安定な時期を快適に過ごしましょう!」

「また、梅雨は農作物がぐんぐん成長して実になり、熟していく時期。 梅もその一つ。身体の中の「気(エネルギー)」をしっかり養うことが大切となるので、風通しを良くして暮らしを楽しむよう心がけることが大切です。ジメジメして気分も晴れない日々が続いていますが、私も毎年恒例の梅仕事で季節を楽しみました」

やくぜんもとこさんの梅仕事。

「6年前に2キロから始めた梅漬け。歳を重ねるごとに量が増え、昨年からは10キロになりました。 これまで幾度となく白カビに悩まされたので、ここ数年は、昔ながらの20%の塩分にすることと、毎朝焼酎を表面に噴くことで防いでいます。8月のお盆には両実家にお裾分けして、種まで梅の味がする!と大好評。今年の梅はふっくら大きいものが多いので出来上がりが今から楽しみです」

取材・文/阿部里歩

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