おいしくて和める、ひとり旅におすすめのカフェ&ごはん屋さん【山脇りこさん/後編】
目的地は一つだけ。あとはひとり、歩く、歩く。それが最高に楽しい街。京都ひとり旅の魅力について、料理家&エッセイストの山脇りこさんにお話を伺いました。
京都はひとり旅の聖地! 路地の景色、個人店、おいしいもの……気の向くまま、歩いて見つける楽しさ。【山脇りこさん/前編】からの続きです。
目 次
教えてくれた人
山脇りこ/やまわき・りこ
料理家、エッセイスト
生家は長崎の老舗旅館で、生来のおいしいもの好き、旅好き。『きょうの料理』(NHK)などのメディアで料理家として活躍する一方、旅に関する著書も人気で、『50歳からのごきげんひとり旅』(大和書房)はベストセラーに。
『百春』_寺町通を眺めながら、ほかほかの卵サンドを。
「京都には、女性がひとりでも入りやすい、女性が営むカフェやバーが結構あるので、ごはん処に困ることはありません」と、山脇さん。二条通を上がったあたり、寺町通に面したビルの2階にひっそりとあるカフェも、そのひとつ。界隈で働いていた店主が、“大人の女性がひとりで寛げる店が欲しかった”と、退職して自ら構えました。
「おそるおそる階段を上って入ってみたら、なんと私の大好物の卵サンドが!迷わず頼むと、やってきたサンドは卵からほかほかと湯気が出ていて、一気に虜に。以来、軽いブランチをとりたいときにお邪魔しています」。
タマゴサンド880円、ハンドドリップで淹れる百春ブレンド680円。ほかにフレンチトーストやブランデーケーキ、チーズケーキが。
塩だけで味つけした3個分の卵をふんわりと丸型に成形し、特製ソースをひと塗りしたパンにサンド。シンプルながら、ビフカツのソースをイメージしたというこのソースが、いい仕事。相棒は、毎朝少しずつ自家焙煎している豆で淹れるコーヒー。「カウンターに座ると窓から見える寺町通の景色もいい。おしゃれすぎる店は気後れしますが、ここは心地よく過ごせます」
百春
住:京都市中京区常盤木町55 2F
営:11:00〜17:00
休:火・木曜
https://cafe-momoharu.gurinko-7.com/
ひとり旅に優しいリラックスできる場所。
Méton (メトン)
「コーヒーと自然派ワイン、そしてお菓子が最高においしい。特にシュークリームはカスタードクリームにラム酒が効いていて、私的No.1。作りたい味が明解なのがいい」
住:京都市左京区大菊町102 2F
Instagram@meton.kyoto
ワイン ラクダ
「ソムリエでもある女性店主がひとりで営むバー。自然派ワインと軽いアテで、心地よくすごせます。四条河原町からすぐでアクセスしやすいのもいい」
住:京都市下京区船頭町229 2F
Instagram@winerakuda
mati (マチ)
「大好きな疎水沿いにある自家製パンと自然派ワイン、アテの店。パンはもちろん、おすすめは鮮魚のオープンサンド。あるようでないですよね」
住:京都市左京区聖護院東寺領町8-1 1,2F 予約不可
Instagram@mati_kyoto
KAFE工船
「出町柳界隈でおいしいコーヒーが飲める店を探していて見つけた、焙煎家オオヤミノルさんのカフェ。いま、いちばん訪れているコーヒー専門店です」
住:京都市上京区梶井町448 2F G号室
https://ooyacoffeeassociees.com/navi/kafekosen/
ALKAA(アルカー)
「新幹線に乗る前にちょこっと寄る店が少ない京都駅界隈で貴重な1軒。出発までの時間はここで、奥様が作るカヌレとワインで帰りたくなくなる困ったお店です」
住:京都市南区東九条西山王町15-7
https://alkaa.storeinfo.jp
ともみジェラーto
「材料は自然由来で、素材そのもののおいしさが伝わります」。生産者の元に足を運んで素材を選ぶことも多く、「近郊の有機野菜を使った独特のアイスは最高です」
住:京都市下京区西橋詰町759 1F
Instagram@tomomi_gelato
『京うどん 生蕎麦 岡北』_私的きつねうどん選手権in京都のNo.1
地元で“お揚げさん”と親しみを持って呼ばれる揚げは、京名物のひとつで、大ぶりで肉厚なのが特徴。山脇さんも大好物で、「うどん屋さんに行くと、必ず揚げが入ったメニューを注文して、食べ比べをしています」。そして、いまいちばんのお気に入りがここ。平安神宮の程近くで1940年から続くうどん店です。
きつね950円。京都できつねといえば、この刻み。ふわふわ卵に海老天がのる天とじや、この時期限定の鱧てんぷらの冷やしも人気。
「細切りの生揚げと九条ネギが入った京風のきつねも、甘く煮た大きな揚げがのる甘ぎつねも、どちらもおいしい。しっかりとダシが香る、やや甘めのつゆも好みです」。創業時からの技法やこだわりを大切に、2008年にリニューアル。京都をより意識したメニューや設えに。
京うどんの命であるダシは、利尻昆布と4種の削り節で引き、ダシの味を邪魔しない細麺は、挽きたての小麦で毎朝製麺。揚げは地元の豆腐店のものを使っています。「背もたれに京都の竹を使った椅子、京焼きの器、坪庭......。ひとりで気軽に入れる店なのに、料理から設え、接客まで、京都らしさが感じられるのも通う理由です」
京うどん 生蕎麦 岡北
住:京都市左京区岡崎南御所町34
営:11:00〜18:00L.O.
休:火・水曜
http://www.kyoto-okakita.com
あの店のあの料理を目当ての旅もいい。
月村(つきむら)
「釜飯と一緒に、シュウマイやグジの唐揚げなど一品料理をぜひ。どの皿も料理の手がきれいだなぁと感動します。女将さんの接客も完璧で気持ちのいい店」
住:京都市下京区西木屋町通四条下る船頭町198
ととよし
「きちんとした京懐石のコースを、ひとりで挑戦してみたいときにおすすめ。料理長は、錦市場の鮮魚店の生まれ。確かな目利きで選んだ魚のシンプルな皿はその真骨頂です」
住:京都市中京区甘露町666
通しあげ そば鶴
「蕎麦前が豊富。日本酒も揃うし、レモンサワーもおすすめ。蕎麦がおいしいのはもちろん、季節感のあるメニューがいい。一乗寺に足を運ぶ機会があれば、ぜひ」
住:京都市左京区高野玉岡町74
https://sobatsuru.com
志る幸
「名物は白味噌椀がつく利休辨當で、中でも大和芋のすりおろしを白味噌に落とした”おとしいも”がおすすめ。八坂神社の能舞台を模したカウンターにも風情が」
住:京都市下京区四条河原町上ル一筋目東入ル
http://shirukou-kyoto.jp/
メッシタ パーネ エ ヴィーノ
「シェフが炭火で肉を焼く天才なんです。塊で焼いてこそおいしい炭火焼き。でもここは量が調節可能なので、ひとり客でも安心です」
住:京都市中京区錦小路室町西入る天神山町277
Instagram@mescitapev
九時五時
「ワインを飲む店なのに9時5時営業というコンセプトからして面白い、昼飲み、ひとり食べの聖地です。ひとひねりしてある料理がおいしく、段取りを見ているだけで飽きません」
住:京都市下京区栄町514
Instagram@kujigoji_kyoto
『クウネル』2026年9月号掲載
写真/岡本佳樹、取材・文/齋藤優子
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