クウネル・サロンがおすすめする「大人の旅の目的地」として、以前ご紹介した戸隠の宿『awai 戸隠（旧中社公会堂）』。
自然信仰の聖地である戸隠神社の参道にある１日2組限定の小さなホテルです。かつては公民館だった築70年の木造建築を、空間デザイン事務所『Luft』がリノベーション。１階がレストラン、2階には２部屋があり、高い天井の部屋は過不足なく整えられ、とても落ち着く空間です。

2000年の歴史を持つ、自然信仰の聖地、戸隠。長野駅から車で40分、善光寺から30分で、思っている以上にアクセスがよく、東京からも２時間半ほどの距離。『awai 戸隠』があるエリアは標高1200mの山間部に、茅葺屋根の宿坊が立ち並ぶ集落です。

茅葺の家や古い木造建築が軒を連ねる歴史的街並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されていて、どこを見ても美しく、「旅に来た感」が堪能できます。

戸隠に来たなら必ず行きたいのが、パワースポットとしても名高い戸隠神社。二千年余りもの歴史がある神社は奥社、中社、など五つのお社からなっています。約２ｋｍの「奥社」参道杉並木は樹齢420年超えの杉の巨木が連なり、特別な空気を感じます。

戸隠の美しい自然、歴史を感じる空間、豊かな食材と水を余すところなく体験できるのが『awai 戸隠』。レストラン（旧中社公会堂）では、甘くまろやかな戸隠の湧水をキーワードに、地元野菜や信州食材を使ったフレンチがいただけます。

寒暖差の大きい環境で育った戸隠の野菜、川魚・ジビエなど、信州の素材はどれも力強く、その素材のパワーを引き立てる料理はシンプルで潔いのです。入手が難しい長野ワインや日本酒のペアリングも楽しく、「あとは部屋に戻って寝るだけ」という、オーベルジュならではの特権を活かしてちょっとくらい飲みすぎてもOK。

『旧中社公会堂』は、コージーで木の温もりが魅力的ですが、新しくできた『茅葺の家』は、戸隠らしい荘厳さが感じられる場所。

20年以上空き家になっていた古民家を長い時間をかけて丁寧に美しく改修し、ようやくこの春から一棟貸しの宿として開業することに。

今では希少な茅葺き屋根は、地元の茅葺職人（縄文屋根）とともに、地域内外の人々も参加するワークショップ形式で再生したそう。外観はおとぎ話に出てくるような趣ですが、中に入るとすごくモダンで快適。目の前には開放的な田園風景が広がり、自然素材に囲まれた室内で心からくつろげ、「ここでしか体験できない」豊かな時を感じます。

古い公会堂をリノベーションした旧中社公会堂、茅葺き屋根の古民家を再生した茅葺の家と、２つのオリジナルな客室をもつ『awai 戸隠』。ここにしかない資源に光をあて、それを生かしてモダンにアップデートされた宿は、さまざまな旅を経験してきた大人の女性たちにこそおすすめ。新しい感動が、体験できるはずです。