恋に年齢は関係ない。「この先の人生できっと白馬の王子様に出会える」60代パリジェンヌの恋愛観
歳を重ねるごとに、恋はより自由に、より自分らしく花開く。そんなパリジェンヌたちに、60 代の恋愛観を伺いました。
愛は日々の積み重ねで形を変えるもの。そこには対話と努力が必要です。
ファッションジャーナリストとして活躍してきたイザベル・トマさん。長年暮らしたパリ18区の家から、フランス北西部、ブルターニュ地方のセカンドハウスへ引っ越しの真最中だと言います。
「2ヶ月前、20年来のパートナーに、突然『あなたに興味がなくなった。家を出る』と告げられました。その前の週は、手をつないでビーチを散歩しながら将来を語り合っていたんですよ。あまりに唐突で、残酷でした」
それでもイザベルさんは、悲しみに沈むかわりに人生の舵を大きく切ります。拠点をブルターニュにし、週に一度だけパリに戻るという暮らしに挑戦することにしました。実は人生で初のひとり暮らし。彼と付き合う前は、25歳で知り合ったパートナーと13年間暮らし、2児を儲けていました。
「前のパートナーと知り合った頃は、一生彼といるものだと思い、彼もそう言ってくれました。でもその時は、私から去ることになって終わりました」
24歳の時に音響エンジニアの男性と知り合い、子どもが2人産まれました。「彼は芸術家肌の人で、少し孤独で野生的な雰囲気があり、誠実な人でした」。現在娘さんは32歳、息子さんは30歳です。
若い頃は愛がすべてを救う、運命の人に出会えば人生はシンプルにうまくいく、と思っていたそう。
「白馬の王子様を夢見ましたが、人生は単純ではなかったんです」
愛は日々の積み重ね。自然に与えられるものではなく、形を変え続けていくものであり、そこには努力が必要だと彼女は考えます。
「ときめきは長く続きませんし、人を変えることはできませんから。相手のありのままの姿を見て、歩み寄り、対話を学ぶ。まるで仕事みたい、と思うこともあります」
辛い体験を経て、前を向く
大人の恋愛で大切なのは、お互いの暮らしのこだわりを尊重できるかどうかということ。
「私は自分の空間や物の配置にこだわるタイプでしたが、前のパートナーはそれを尊重してくれました。また、お互いの世界を壊さず、しっかり対話すること。言いたいことや望むことを、恐れずに伝えることも大切だと思います」
人間関係は常に変化し、成長するもの。過去の恋愛と比較せず、一から関係を作っていく覚悟も必要だと考えます。こうした深い洞察力は、どう育んだのでしょう。
「人生経験と、多くの失敗から学びました。あとは、自分自身と向き合うセラピーを受けたことも助けになっています。パリではセラピーを受ける人が多いんです。自分自身を知ることは、何歳になっても大切ですね」
辛い体験を経て前を向くイザベルさん。最後にはこう締めくくってくれました。
「誰しも傷を抱えて生きているものです。それに、これからの人生でも私はきっと白馬の王子様に出会える。そう信じています」
PROFILE
Isabelle Thomas/イサベル・トマ
ファッションジャーナリスト
女性誌で15年にわたり執筆活動を続け、2009年にパーソナルスタイリストの活動をスタート。著書『パリジェンヌ流おしゃれの魔法』は15カ国以上で出版。Instagram:@modepersonnelle
『クウネル』2026年11月号掲載
写真/篠 あゆみ、コーディネート・文/木戸美由紀、編集/今井 恵
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『クウネル』NO.141掲載
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