整理収納アドバイザーの青木美詠子さんは、日頃から防災について考えています。前回「防災の日に考えよう。整理収納アドバイザーが実践する災害に備えたインテリアとは?」に続き、防災対策についてのレポート。緊急の避難所用として持ち出しリュックについて【実例】どれだけあれば安心?在宅避難の備蓄、夫婦二人暮らしの場合の後編に続きます。
持ち出しリュックについて、一度真剣に考えてみました
今回は我が家の防災対策、「持ち出しリュック編」です。東日本大震災の後にアイテム入りのものをまるごと買ってはいたものの、そこに必要そうな物をただ足していて、吟味が不十分でした。
というのも、うちはハザードマップでも水害、土砂崩れ、津波などが不安な地域ではなく、家の耐震等級にも重きをおいて建築したので、在宅避難の可能性のほうが高いのではと、持ち出す物を真剣に考えていなかったからです。
でも大地震など、どうしようもない時に備えて「緊急の避難所用」と「在宅避難用」を分けておかないと、その時、急に探せないと改めて気づいた次第。それで今回、防災の本も参考にリュックを再構築してみました。
優先品目や量も唱える人によって違い、避難所の様子も予測できないので、過不足が多いと思いますが、最低1、2日分を考えて。そして重すぎても運べないので、重量との兼ね合いで。もし夫が家にいたら、第2のリュックで水や食料、衣類を増やしたいです。
ここからTOP写真のリュックの中身を3つに分け、簡単にご説明。ややこしいので、ひとり分のアイテムですが、夫が都心から避難所にそのまま来る可能性もあるので、共用以外は夫の分もここに加えます。
(右上から横に)体用ウェットティッシュ、水がいらない歯磨きティッシュ、マスク、ティッシュ。フロス、歯間ブラシ。除菌ジェル。水がいらないシャンプー(スッとする感じ)。カイロ、アロマオイル。薄くなった眉だけ描きたく、アイブローと鏡。小さいハサミ、老眼鏡(100均)。救急用品。簡易トイレと消臭袋。ビニール袋(大小)。
(右上から横に)旅行用クッション。割れ物も大丈夫な防刃手袋。レインジャケットとパンツ(寒さ対策にも)。タオル、てぬぐい(早く乾き、多目的に使える)。乾電池や手回しで聞けるライト付きラジオ。予備電池。防寒アルミシート。
(下段)携帯バッテリー、ヘッドライト(両手が自由に)、小銭。緊急連絡先&身分証コピー&ラジオ取説(クリアファイルは団扇代わりにも)、マジックペン。下着類(ブラトップは便利とか)。『無印良品』の大判ストール(体にかけて寝たりも)。
(右上から横に)飲料(2Lより小サイズが飲みやすいよう)。缶詰、自家製梅干しと塩。常温でも食べられるお粥。お湯で15分、水なら60分のアルファ米(7年保存)。皿に敷いたり、何かと役立つラップ。避難所にないかもしれない箸、スプーン、紙皿。羊羹(賞味期限1年)、米粉クッキー(5年保存)、日頃食べているはちみつ生姜飴。
重量を考えながら、水を持ち出す
水は避難所でもらえるとも限らないようなので、いちばん重要かと。日数によっては全然足りないですが、多いと重いので考えどころです。水以外も飲みたくなりそうなので数種。お茶などは半年~1年程の賞味期限が多いので、逆に見直すきっかけになるかもしれません(季節で必要な物も変わるため、半年に一度程度の点検も推奨されています)。
その他には避難所の体育館の床に備えて、6年程前に準備した寝袋と下に敷くスリーピングマット(空気で少し膨らむ)。やせている夫が硬い場所では座っていられないくらいなので、うちにはわりと重要アイテム。
駆け足でご紹介してきましたが、今回こうしてリュックの中身をじっくり考えられて本当によかったと思っています。まだ取捨選択も続きそうですが、一応ほっとしました。
防災アイテムがセットされ、販売されている防災リュック では、自分達に必要な物がない場合も多いので、「ないと困る品目」をよく考えましょう。お子さんや高齢者の必需品、アレルギー関係、ペット用品など、いざという時には、もう何も手に入らないので真剣に。少しでも用意があれば、パニックにならずにすむと思います。